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提案書14(2601頁~2800頁) (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

369203

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

スリーブ状胃切除術(腹腔鏡下)(適応疾患追加について)
日本肥満症治療学会
18消化器外科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

04消化器内科
関連する診療科(2つまで)
13外科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

スリーブ状胃切除術(腹腔鏡下)(適応疾患追加について)



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


656-2
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)



その他」を選んだ場合、右欄に記載

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は大弯側の胃を切除し小弯側の胃をバナナ状に残す、吻合の無い非常にシンプルな肥満外科手術であり、安全性と有
効性を兼ね備えている。世界中で急速に増加しており、現在世界でも過半数を占めている術式である。通常、5-7個の自動縫合器を使用する。わ
が国においても有効性と安全性が確認されており、2014年に先進医療から保険収載され、2022年には900例以上施行された。

文字数: 193

再評価が必要な理由

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は現在までにわが国で2,800例以上に施行され、良好な減量効果が報告されている。2013年に発表された日本肥満症
治療学会のガイドラインでは肥満外科手術の適応の合併疾患として肝機能障害が含まれてる。最近になりわが国のスリーブ状胃切除術を含む肥満
外科手術患者の82%に非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を認め、その94%は非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)であることが示された。さらに
それらの患者を術後フォローしたところ、術後5年でも肝機能などの改善が維持されていた(資料1)。またわが国の別の施設から、スリーブ状胃切
除術の術後にNASHを含むNAFLDの肝組織の改善も示された(資料2)。2021年に発表された日本肥満症治療学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会の3
学会合同委員会のガイドラインでは、わが国の報告を踏まえ、NAFLD/NASHの肝線維化が術後に著明に改善するとした(資料3)。米国からは複数の
論文でNASH患者に対する肥満外科手術の費用対効果が示されている。さらに最近のメタ解析で腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を含んだ肥満外科手術
後、組織学的にNAFLDが改善することが示された(資料4※)。昨年発表された米国代謝肥満外科学会(ASMBS)と国際肥満代謝外科連盟(IFSO)のガイ
ドラインではBMI35以上には合併疾患の有無に関わらず肥満外科手術を推奨し、BMI30以上の糖尿病にも推奨し、BMI30以上で内科的治療抵抗性を
有する合併疾患がある場合には治療選択肢として考慮すべきとした。またアジア人にはBMI30以上の基準を27.5以上にすべきと述べられている。
(資料5※)。「追加のエビデンスには※を付記」

【評価項目】
現行の適応基準は、ア)6ヶ月以上の内科的治療によっても十分な効果が得られないBMIが35以上の肥満症の患者であって、糖尿病、高血圧症、脂
質異常症又は閉塞性睡眠時無呼吸症候群のうち1つ以上を合併しているもの、あるいは、イ)6ヶ月以上の内科的治療によっても十分な効果が得ら
れないBMIが32-34.9の肥満症の患者であって、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が 8.0%以上(NGSP値)の糖尿病、高血圧症( 6ヶ月以上、降圧剤によ
る薬物治療を行っても管理が困難(収縮期血圧 160mmHg 以上)なものに限る。)、脂質異常症( 6ヶ月以上、スタチン製剤等による薬物治療を
行っても管理が困難(LDLコレステロール 140mg/dL 以上又はnon-HDL コレステロール 170m/dL 以上)なものに限る。)又は閉塞性睡眠時無呼吸
症候群(AHI ≧30 の重症のものに限る。)のうち2つ以上を合併しているものに対して、腹腔鏡下にスリーブ状胃切除術を実施した場合に限り算
定するとされており、わが国でもエビデンスのあるNAFLD/NASHが本技術の適応に含まれておらず、本来恩恵を受けるべき患者が本技術を受けられ
ない状況にある。
①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

したがって、本技術の適応疾患としてNAFLD/NASHの追加を要望する。
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):770,438円
外保連試案2022掲載ページ:198-199
外保連試案ID(連番):S93-0240900
技術度:D 医師(術者含む):4 看護師:2 その他:0 所要時間(分):180
------------------------------------------------------------------(ここまで)

②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

腹腔鏡下胃縮小術(スリーブ状切除によるもの)は、2014年に先進医療から保険収載された。腹腔鏡下に胃を縦切りに切除し、30㎏以上の減量効果
により、糖尿病などの肥満関連健康障害が高率に治癒・寛解する。またその適応はBMIが35以上の糖尿病、高血圧症、脂質異常症又は閉塞性睡眠
時無呼吸症候群のうち1つ以上を合併しているものであった。2020年の保険改定で、非常に限られたBMI32.5-34.9の肥満症に適応が拡大され、さ
らに2022年の保険改定でも非常に限られたBMI32-34.9の肥満症に適応が拡大されたが、NAFLD/NASHの適応は全く含まれていない。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

656-2

医療技術名

腹腔鏡下胃縮小術(スリーブ状切除によるもの)

2653