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提案書14(2601頁~2800頁) (44 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は安全性の高い治療法であり、現在までにわが国で2,800例以上が施行されたが、重篤な事故の報告は1例のみであ
る。良好な減量効果により糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの合併疾患に対する長期の高い寛解効果も認めている。
後等のアウトカム

③再評価の根
拠・有効性
ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

日本肥満症治療学会のガイドラインでは、合併疾患治療が主目的の手術の適応は、糖尿病
か、または糖尿病以外の2つ以上の合併疾患を有するBMI32以上である(資料1)。3学会合同
委員会のガイドラインでは受診時BMI32以上の2型糖尿病では、糖尿病専門医や肥満症専門
医による治療で、6ヶ月以内に5%以上の体重減少が得られないか得られても血糖コント
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
ロールが不良な場合には(HbA1c≧8.0%)、減量・代謝改善手術を治療選択肢として検討す
る。)
べきとされている(資料3)。さらに昨年発表されたASMBS/IFSOのガイドラインでは、BMI30
以上の糖尿病に肥満外科手術を推奨し、BMI30以上で内科的治療抵抗性を有する合併疾患が
ある場合には治療選択肢として考慮すべきとした。またアジア人にはBMI30以上の基準を
27.5以上にすべきと述べられている(資料4※)。

本技術は2022年に913例施行されており、適応BMIの拡大によりさらに100例程度の増加が見込まれる。

見直し前の症例数(人)

900人

見直し後の症例数(人)

1,000人

見直し前の回数(回)

900回

見直し後の回数(回)

1,000回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

腹腔鏡下スリーブ状胃切除術は、難易度は高いものの、ガイドライン(資料1、3)に示されているように十分な準備を行い、トレーニングを受けた
ものが施行すれば安全に施行できる。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 消化器外科、麻酔科、循環器内科及び糖尿病内科を標榜し、管理栄養士が配置されている。
制等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

(1)外科又は消化器外科について5年以上の経験を有し、当該手術に習熟した医師の指導の下に、当該手術を術者として5例以上実施した経験を有
する常勤の医師が1名以上配置されていること。
(2)当該手術を担当する診療科において、常勤の医師が2名以上配置されていること。
人的配置の要件
(3)常勤の麻酔科標榜医が配置されていること。
(医師、看護師等の職種や人数、専門 (4)高血圧症、脂質異常症又は糖尿病ならびに肥満症に関する診療について合わせて5年以上の経験を有する常勤の医師1名が配置されているこ
性や経験年数等)
と。
(5)常勤の管理栄養士が配置されていること。
(6)緊急手術体制が整備されていること。
遵守すべきガイドラインとして、日本肥満症治療学会「日本における高度肥満症に対する安全で卓越した外科治療のためのガイドライン(2013
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 版)」(資料1)と3学会合同委員会「日本人の肥満2型糖尿病患者に対する減量・代謝改善手術に関するコンセンサスステートメント」(資料3)、
「2022ASMBS/IFSOガイドライン」(資料4※)があげられる。
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

術後5年の減少体重33㎏、手術死亡0.03%、術後早期合併症2.6%であった。

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

40,050点
40,050点
点数の見直し無し

区分

特になし

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
減(-)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

10,902,000円

その根拠

年間100例の患者が本技術を受けると、患者の1ヶ月の薬代が術前8,492円から術後5年0円になる。
予想影響額=(x)-(y) 10,902,000円 減
(x):予想される当該技術に係る年間医療費
400,500円×100回=40,050,000円
(y):当該技術の保険収載に伴い減少すると予想される医療費
資料5によると薬代は手術により1ヶ月8,492円減額され、
5年間で509,520円となる。
509,520円×100名=50,952,000円の医療費の減少となる。

備考

特になし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

⑭参考文献1

⑭参考文献2

日本消化器外科学会

1)名称

日本における高度肥満症に対する安全で卓越した外科治療のためのガイドライン(2013版)

2)著者

日本肥満症治療学会

3)雑誌名、年、月、号、ページ

2013年

4)概要

わが国における肥満症治療法の普及、また安全な効果的な手術が行われるべく、日本肥満症治療学会は2013年にガイドラインを発表した。減量が
主目的の手術の適応はBMI35以上であり、合併疾患治療が主目的の手術の適応は、糖尿病か、または糖尿病以外の2つ以上の合併疾患を有する
BMI32以上であった。本ガイドラインは2013年に作成されたが、Minds診療ガイドラインに準じた診療ガイドラインである[資料1/5 該当ペー
ジ:4ページ]。

1)名称

Five-year outcomes of laparoscopic sleeve gastrectomy in Japanese patients with class I obesity

2)著者

Seki Y, Kasama K, Kikkawa R, et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Obes Surg 2020;30:4366-74

4)概要

わが国の1施設からのBMI30~34.9に対する腹腔鏡下スリーブ状胃切除術の術後5年の報告。良好な減量結果や代謝改善効果が示され、糖尿病は術
後5年で80%の症例で改善していた[資料2/5]。

肥満外科治療ガイドライン策定委員会

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