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提案書14(2601頁~2800頁) (133 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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⑥普及性

年間対象患者数(人)
国内年間実施回数(回)

5,828
5,828

※患者数及び実施回数の推定根拠等

2021年度 National Data Base(NCD)年次報告書によると、「鼠径ヘルニア手術」および「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両
側)」の実施件数はそれぞれ64,755件/年、64,964件/年であった。日本内視鏡外科学会の第16回集計結果報告では、胃癌・
直腸癌に対するロボット支援手術が保険適応となった2018年と2019年のデータは下記のとおりである。
●2018年、ロボット支援下幽門側胃切除749件(内視鏡手術の8.3%)に行われた。ロボット支援下胃全摘術147件(内視鏡
手術の8%)、ロボット支援下高位前方切除術139件(内視鏡手術の3.5%)、ロボット支援下低位前方切除594件(内視鏡手
術の8.9%)、ロボット支援下直腸切除術207件(内視鏡手術の1.5%)であった。
●2019年、ロボット支援下幽門側胃切除1283 件(内視鏡手術の14%)に行われた。ロボット支援下胃全摘術264件(内視鏡
手術の14.8%)、ロボット支援下高位前方切除術357件(内視鏡手術の8.3%)、ロボット支援下低位前方切除1536件(内視
鏡手術の21%)、ロボット支援下直腸切除術461件(内視鏡手術の3%)であった。
これらのデータの平均は、内視鏡手術の約9%であり、当該手術の年間対象患者は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術64,755件×
0.09=5,828件となる。

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

日本ヘルニア学会では、現在のところ、ロボット支援下鼠径ヘルニア修復術は保険診療に位置づけられていない新規の医療
技術であることから、施行する施設は導入プロセスを日本ヘルニア学会倫理委員会に報告することを要望している。術者
は、ロボット支援下鼠径ヘルニア修復術の実施において、鼠径部切開法や腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術や内視鏡手術用支援
機器(ロボット)の使用についての広い知識と経験が必要である。そのため、2023年7月より開始される教育セミナー受講
や鼠径部ヘルニアの実際の執刀経験をベースに、鼠径部ヘルニア修練医の資格を新たに創設し、幅広い鼠径部ヘルニアの知
識の習得した外科医によって実施することを要望していくこととしている。また、保険収載後の安全性の評価のために、症
例登録のレジストリーについても原案を作成し、実施に向けて準備・検討中である。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

・外科又は消化器外科を標榜している。
施設の要件
・鼠径部ヘルニア手術を年間50例以上施行している。
(標榜科、手術件数、検査や手術の体制 ・緊急手術が実施可能な体制が整備されている。
等)
・常勤の臨床工学技士が1名以上配置されている。
人的配置の要件
・鼠径部ヘルニア手術について専門の知識を有する常勤の医師が1名以上配置されている。
(医師、看護師等の職種や人数、専門性 ・内視鏡手術用支援機器を用いた手術を実施可能な常勤の医師が1名以上配置されている。
や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の要 ・日本ヘルニア学会、日本消化器外科学会、日本内視鏡外科学会から示されている指針を遵守する。
件)

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

当該手術の合併症頻度は、全体で0.67%、30日以内の再入院率0.84%と米国のnational data baseで報告されている(参考
文献1)。本邦からの既報として、単施設報告で、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術と比較して、推定出血量、術後入院期間、
術後疼痛を含む周術期因子には差がなく、介入が必要な慢性疼痛はなかった(参考文献5)。その他の単施設報告にも、安
全に実現可能(Ann Gastroenterol Surg. 2020 Jun 4;4(4):441-447)や手術手技の習得の目安は、37病変で安全に施行で
きる(Ann Gastroenterol Surg. 2021 Dec 14;6(3):454-459)とするものがある。これらの結果を踏まえ、本邦でも後ろ向
き多施設コホート研究(12施設、307例)を実施した。術中合併症0.3%(下腹壁動脈損傷1例のみ)、術後合併症として
は、血腫0.65%(2例)、穿刺を要した漿液腫1.3%(4例)、SSI 0.32%(1例)、予定外の再入院は0例で、安全な導入が
でき、結果について論文投稿の準備中である(添付資料1)。また、多施設(18施設)で前向き研究(109例)を行い、症例
登録が終了した。中間集計結果は別紙のとおりであり、安全性や合併症は、現在のところ問題はない(添付資料2)。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし


妥当と思われる診療報酬の区分
点数(1点10円)
⑩希望する診療
報酬上の取扱い
その根拠

関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

66,754
(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):667,540円
外保連試案2022掲載ページ:230-231
外保連試案ID(連番):S92-0232710
技術度:D 医師(術者含む):3 看護師:3 その他:1 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)

区分

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし

プラスマイナス
予想影響額(円)

2,552,314,320

増(+)

その根拠

年間対象患者数 5,828人が腹腔鏡手術からロボット手術に移行すると予想される。予想年間医療費=(妥当と思われる診療
報酬点数 )66,754×(予想される年間対象患者数) 5,828×(年間実施回数) 1、減少すると予想される医療費=(鼠径ヘ
ルニア手術(腹腔鏡下)の診療報酬点数) 22,960×(予想される年間対象患者数) 5,828となり、上記予想影響額とな
る。

備考

当該手術は、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を内視鏡手術用支援機器(ロボット)を用いて行う術式である。既にその臨床成
績から一定の成果が報告されているが、現時点では、鼠径部切開法との利点は明らかになりつつあるが、腹腔鏡下鼠径ヘル
ニア修復術と比較しての利点が確実なものとは言えない。そのため、現段階では鼠径ヘルニア手術(腹腔鏡下)と診療報酬点
数が同等という考え方もある。

予想影響額

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
da Vinci Surgical System (添付1-5)
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

1)収載されている

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

米:メディケアに収載。DRGコードを用いて算定。Complexity, comorbiditiesに応じて算定額が変動
英:NHS (National Health Service)に収載。HRGコードを用いて算定。CCスコア(complications and comorbidities
score)に応じて算定額が変動
仏: CCAM (Classification Connune des Actes Médicaux)コードを用いて算定。重症度に応じて4段階に分類
独:G-DRG (German Diagnosis Related Groups)コードを用いて算定
蘭:診断治療群 DBC (Diagnose Behandeling Combinatie)コードを用いて算定
添付資料3あり

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

d. 届出はしていない

⑭その他

特になし

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

外保連共同提案学会名:日本消化器外科学会(内藤剛/江口英利/寺島雅典)

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