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提案書14(2601頁~2800頁) (156 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術名

③再評価の根
拠・有効性

マスク又は気管内挿管による閉鎖循環式全身麻酔(低血圧麻酔)
術中低血圧が予後不良となるエビデンスが出てきていことを踏まえ出血量を減少させる目的で低血圧麻酔が実施されることは減少していることが
推察される。
・くも膜下出血等に対する脳動脈瘤手術において術後の攣縮予防のためのトリプルH療法(hypervolemia, hypertention, hemodilution)
(Neurosurgery 1988; 23: 699-704)(Neourosurgery 1990; 27: 729-739)
・くも膜下出血や頭蓋内出血を伴う頭蓋内病変急性期における収縮期血圧90mmHg以下の低血圧麻酔は有害(J Neourosurgery 2000; 92; 971975)
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 ・非心臓手術を受ける患者において麻酔(術前合併症の程度、深い鎮静状態、術中収縮機血圧80mmHgの時間)が長期予後に影響(Anesth Analg
2005; 100: 4-10)
後等のアウトカム
・Triple Low(低血圧、深い鎮静状態、低い吸入麻酔濃度)では、入院期間が延長し、30日死亡率が上昇(Anesthesioligy 2012; 116: 11951203)
・術中平均血圧55mmHg未満の時間が10分続くと死亡率1.4倍、20分以上で死亡率2倍
術中平均血圧65mmHg未満が20分以上続くと急性腎障害の発生率が2.3倍
術中平均血圧60mmHg未満が20分以上続くと心筋傷害の発生率が1.8倍 (Br J Anaesth 2018; 121: 706-721)
・術中平均血圧70mmHg未満で死亡率上昇 (Anesthesiology 2015; 123: 79-91)

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

社会医療診療行為別統計によれば、マスク又は閉鎖循環式全身麻酔全体では、198,547回/月 → 2,382,564回/年
そのうち 2 座位における脳脊髄手術等は、9,279回/月 → 111,348回/年
日本麻酔科学会による調査によれば 2 座位における脳脊髄手術等のうち低血圧麻酔は、約3.3%に実施されており、3,674回/年であると推定
される。これはマスク又は閉鎖循環式全身麻酔全体の0.02%となるが、当該加算にかかる保険点数は148,741,800点/月 → 1,784,901,600点/年
であり、58,901,753点/年つまり、589,017,530円/年となることが見込まれる。当該加算の廃止により低血圧麻酔が実施される回数は大きく減少
することが見込まれる。

見直し前の症例数(人)

3,674(人)

見直し後の症例数(人)

0(人)

見直し前の回数(回)

3,674(回)

見直し後の回数(回)

0(回)

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等
の改訂の見込み等を記載する。)

医療技術としては、既に成熟しており、止血剤やデバイス等医療技術の進歩により、人為的に低血圧状態にすることなく、出血量のコントロール
は可能となっている。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 特になし
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 特になし
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 特になし
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

(再掲)
・くも膜下出血や頭蓋内出血を伴う頭蓋内病変急性期における収縮期血圧90mmHg以下の低血圧麻酔は有害(J Neourosurgery 2000; 92; 971975)
・非心臓手術を受ける患者において麻酔(術前合併症の程度、深い鎮静状態、術中収縮機血圧80mmHgの時間)が長期予後に影響(Anesth Analg
2005; 100: 4-10)
・Triple Low(低血圧、深い鎮静状態、低い吸入麻酔濃度)では、入院期間が延長し、30日死亡率が上昇(Anesthesioligy 2012; 116: 11951203)
・術中平均血圧55mmHg未満の時間が10分続くと死亡率1.4倍、20分以上で死亡率2倍
術中平均血圧65mmHg未満が20分以上続くと急性腎障害の発生率が2.3倍
術中平均血圧60mmHg未満が20分以上続くと心筋傷害の発生率が1.8倍 (Br J Anaesth 2018; 121: 706-721)
・術中平均血圧70mmHg未満で死亡率上昇 (Anesthesiology 2015; 123: 79-91)

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

倫理的・社会的に妥当である。問題点は特にない。

⑧点数等見直し
の場合
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

麻酔困難な患者 16,600点 麻酔困難な患者以外
麻酔困難な患者 0点 麻酔困難な患者以外 0点
低血圧麻酔に係る加算廃止による

区分

特になし

その他(右欄に記載。)

番号
技術名
具体的な内容
減(-)

プラスマイナス
⑩予想影響額

12,100点

予想影響額(円)

589,017,530(円)

その根拠

上記計算による

備考
⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

特になし

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

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