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提案書14(2601頁~2800頁) (124 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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③再評価の根
拠・有効性

慢性疼痛治療におけるPRFを用いた神経ブロックの有効性については多数のシステマティック・レビューやRCT、前向き比較試験がある。頚部神経
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 根症や腰部神経根症、帯状疱疹後神経痛に対する鎮痛効果や機能改善は6ヵ月程度でもみられており、慢性関節痛(肩・膝)に関しても3ヵ月程度
の有効性が示されている。したがって、PRFは上記の病態を中心とした慢性疼痛の治療に選択されるべき治療であると厚生労働省研究班監修の慢
後等のアウトカム
性疼痛診療ガイドラインでも推奨されている。

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化
年間実施回数の
変化等

R3年6月の社会医療診療行為別統計「神経ブロック(局所麻酔剤またはボツリヌス毒素使用)」の実績から今回対象となるL101に含まれない神経
ブロックの月間の実績推定症例数は、「腕神経叢ブロック(3,844件/月)」、「深頸神経叢ブロック(2,223件/月」、「肩甲上神経ブロック
(44,904件/月)」、「肩甲背神経ブロック(8,139件/月)」、「筋皮神経ブロック(89件/月)」、「腋窩神経ブロック(446件/月)」、「正中
神経ブロック(1,902件/月)」、「尺骨神経ブロック(287件/月)」、「橈骨神経ブロック(141件/月)」の計61,972件/月である。局所麻酔薬
による神経ブロックの効果は長くても2ヵ月程度であるため、同じ症例が2ヵ月ごとに複数回施行することを考慮して、現在の年間推定患者数はそ
の倍の約120,000人であると考えられる。局所麻酔薬だけの神経ブロックは2ヵ月ごとに施行すると年間施行回数はその6倍の約720,000回と推定さ
れる。PRFは最低でも3ヵ月以上は効果はみられることから年間2.5回の施行とすると見直し後の年間推定施行数は約120,000回と推察される。

見直し前の症例数(人)

120,000人

見直し後の症例数(人)
見直し前の回数(回)
見直し後の回数(回)

60,000人
720,000回
120,000回

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ

PRFを用いた神経ブロックは、慢性疼痛を引き起こす疾患の中で、PHNや慢性肩関節痛に対
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
し、短期から長期(少なくとも3ヵ月間)の有効性と高い安全性が示されており、選択され
る。)
るべき治療と考えられる(慢性疼痛診療ガイドライン:参考文献5)。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度
⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)
見直し前
⑧点数等見直し
見直し後
の場合
その根拠

痛み診療に関連する学会の集まりである「日本痛み関連学会連合(日本運動器疼痛学会、日本口腔顔面痛学会、日本頭痛学会、日本疼痛学会、日
本ペインクリニック学会、日本ペインリハビリテーション学会、日本慢性疼痛学会、日本腰痛学会の8学会)」および全日本鍼灸学会、日本線維
筋痛症学会の合計10学会から選出された委員により作成された厚生労働省研究班作成の「慢性疼痛診療ガイドライン」でも高く評価されている技
術であり、多くの診療科で評価された技術である。また、当該技術は神経ブロックごとに外保連麻酔試案に掲載されており(試案コード:
77040、72000等)、難易度は神経ブロックによってはB-Dと異なってくる。エビデンスも高く、国際的にも広く行われている手技であり、運動器
疼痛を中心とした慢性疼痛治療において有用性は高い。また神経破壊を伴わないため合併症が少ないことも神経破壊による神経ブロックに対して
優位性がある。手技には高周波発生倒置が必要となるため、神経ブロックに精通した医師が行うことで安全性が保たれる。
疼痛管理を専門としている医師又はその経験のある医師(神経ブロックの基準と同等)が専門的知識のもとで必要な機器を用いて行うことが必要
である。
診療報酬の神経ブロックと同様(神経ブロックごとにより難易度が異なるため、人的条件も異なってくる)。
特になし
パルス高周波法による神経ブロックは、さまざまな慢性疼痛症候群治療の報告と200以上の出版物から、約20年間重篤な合併症は報告されておら
ず、安全性が高い有用な治療法となっている。
問題なし
なし
なし
対象ではない

区分
⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

なし

その他(右欄に記載。)

番号
技術名

なし
なし

具体的な内容

なし
減(-)

プラスマイナス
予想影響額(円)

⑩予想影響額

その根拠

45,848,800

局麻薬ブロックの効果は長くて2ヵ月:年6回必要、PRFブロックは3~6ヵ月以上:年2.5回必要として、50%の症例が局麻薬のブロックからPRFに
移行するとして年間コストを計算した。
(例)腕神経叢ブロック(局麻薬170点、PRF340点)症例数3,844人/月 50%がPRFに移行
局麻薬ブロックの効果は長くて2ヵ月:年6回必要→3,844人×170点×年6回=3,920,880点
PRFブロックは3~6ヵ月以上:年2.5回必要 50%がPRFに移行、50%が局麻薬のブロック継続→(3,844人×340点×年2.5回)/2+(3,844人×170点
×年6回)/2=3,590,000点
3,920,880点-3,590,000点=330,880点の減額
深頸神経叢ブロック(局麻薬170点、PRF340点)2,223人/月として2,267,000点-2,078,000点=189,000点の減額
肩甲上神経ブロック(局麻薬ブロック:170点、PRF:340点)44,901人/月として4579.9 万45,799,000点-4198.2万41,982,000点=3,817,000点の
減額
肩甲背神経ブロック(局麻薬170点、PRF340点)8,139人/月として8,302,000点-7,610,000点=692,000点の減額
筋皮神経ブロック(局麻薬90点、PRF340点)89人/月として\48,000点-62,000点=14,000点の増額
腋窩神経ブロック(局麻薬90点、PRF340点)446人/月として241,000点-310,000点=69,000点の増額
正中神経ブロック(局麻薬90点、PRF340点)1,902人/月として1,027,000点-1,322,000点=295,000点の増額
尺骨神経ブロック(局麻薬90点、PRF340点)287人/月として155,000点-199,000点=44,000点の増額
橈骨神経ブロック(局麻薬90点、PRF340点)141人/月として76,000点-98,000点=22,000点の増額
神経ブロックによる医療費の削減額は4,584,880点の減額(45,848,800円の減額)

備考

R3年の実績に基づき一人の患者が年6回局麻薬ブロックを施行されているとして局麻薬のブロック点数を推定した。PRFは年2.5回PRFによるブロッ
クを施行するとし、対象患者の50%の症例が局麻薬のブロックを継続し、50%の症例がPRFに移行するとして推定した

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

周波焼灼用装置、高周波焼灼用プローブ針、局所麻酔薬、対極板

⑫その他

特になし

⑬当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

日本運動器疼痛学会、日本口腔顔面痛学会、日本頭痛学会、日本疼痛学会、日本ペインクリニック学会、日本ペインリハビリテーション学会、日
本慢性疼痛学会、日本腰痛学会、全日本鍼灸学会、日本線維筋痛症学会
厚生労働行政推進調査事業補助金(慢性の痛み政策研究事業)「慢性疼痛診療システムの均てん化と痛みセンター診療データベースの活用による
医療向上を目指す研究」 外保連共同提案学会なし

⑭参考文献1

1)名称

Efficacy of suprascapular nerve blocks for management of hemiplegic shoulder pain: a systematic review and meta-analysis

2)著者

Y.G.WANG, Y.D.FU, N.J.ZHOU, J.K.YANG

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Eur Rev Med Pharmacol Sci. 2021, 25(14), 4702-4713.

4)概要

片麻痺後の慢性肩痛に対し、肩甲上神経の局麻薬ブロックとPRFなど他の鎮痛法の効果を評価した8件のRCTによるシステマティックレビュー。PRF
は施行1-3ヵ月後の鎮痛効果が局麻薬ブロックよりも高かった。

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