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提案書14(2601頁~2800頁) (148 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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プラスマイナス
予想影響額(円)

減(-)
少なくとも130億円減
Perioperative Care and Operating Room Management 24 (2021) 100184)によれば、
術後残存筋弛緩で合併症が生じた患者は5.4%、残存筋弛緩がない患者での合併症比率は1.8%であった。
合併症のない患者での平均医療費は14,522ドル、肺炎や予定外の気管再挿管が生じると50,895ドルであった。
仮にこれをそのまま、対象患者80万人に当てはめると、
筋弛緩モニタリングにかかる費用→24億円
削減できる医療費→(50,895-14,522ドル)×(80万人)×(5.4-1.8%)→104,754万ドル≒1,040億円

予想影響額

その根拠

国内の誤嚥性肺炎による入院期間と費用から算定し、
入院期間が18日延長し、1日3.1万円の追加治療費がかかるとすると、
削減できる医療費→3.1万円×18日×80万人×(5.4-1.8%)≒160億円
さらに、上記③(1)(2)のとおり、筋弛緩薬と拮抗薬の適正使用が促進され、薬剤費も減少するものと期待される。
なお、今回対象として挙げている患者群は、一般患者と比較し、術後肺合併症を起こしやすい患者であるため、さらに医療
費削減効果は強い。

備考
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
各種、定量的筋弛緩モニター(別紙)
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

2)調べたが収載を確認できない

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等
⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

(1)高齢者(80歳以上)
ロクロニウムは、非高齢者と比較し、高齢者では、血漿クリアランスが約 16%低下し、作用持続時間は約1.5倍延長する
(エスラックスインタビューフォーム)。添付文書においても、挿管用量は非高齢者より少なく設定されており、追加投与
する場合も、高齢者の特性に注意するよう規定されている(ロクロニウム添付文書)
また、80歳以上の高齢者は、筋弛緩薬の効きが遅く、遷延するとの報告が多数ある。
(2)極端な体格(高度肥満/るいそう)
通常薬剤の投与量は体重を参考に計算するが、高度肥満及びるいそうのある患者では、実体重と筋肉量の割合が一般と大き
くことなる上、特にるいそうの患者では、通常、血漿中のタンパク(アルブミン)が低下していることが多く、筋弛緩薬の
効果が予測できない。添付文書においても、肥満患者においては回復時間が延長する可能性があることが記載されている
(ロクロニウム添付文書)。加えて、肥満患者においては、呼吸器合併症が多いため、確実な筋弛緩状態からの回復が必須
である。
(3)肝機能低下・腎機能低下(特に肝硬変患者、Ccr<30ml/minの患者)
ロクロニウムは、肝・腎排泄される。腎不全患者及び肝機能障害患者では血漿クリアランスが約20%減少し、肝機能障害患
者では消失半減期が約 1.75 倍延長、回復時間は、肝機能障害患者群では約2倍である(エスラックスインタビューフォー
ム。肝機能患者は、筋弛緩薬の作用時間及び回復時間が長いことが知られている。腎機能に障害をもつ患者でのロクロニウ
ムの作用性は個々人によるばらつきが大きいことが知られており、回復時間延長の報告もある。従って、肝機能・腎機能低
下がある患者については、個々の患者ごとに、定量的に筋弛緩状態をモニターする必要性が極めて高い。
(4)神経筋疾患の患者
重症筋無力症を含む神経筋疾患については、筋弛緩モニターによる確認を必ず行うものとされており、それ以外の神経筋疾
患においても作用の増強又は減弱が生じることがあるため、筋弛緩モニターの使用が求められている(ロクロニウム添付文
書)
(5)ロボット支援手術
ロボット手術においては、術中、深い筋弛緩状態が必要である)。さらに、閉腹にかかる時間が短いことから、抜管時に深
い筋弛緩状態からの十分な回復を確認することが必須である。
(6)精神科電気痙攣療法(全身麻酔による)
スキサメトニウムの出荷停止に伴い、ロクロニウムによる治療施行が必要となる。筋弛緩投与から覚醒までの時間が非常に
短いこと、併存疾患(治療対象の原疾患)、治療の特性から、筋弛緩状態からの回復の確認が必須である。

⑭その他

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等
⑯参考文献1

⑯参考文献2

⑯参考文献3

⑯参考文献4

日本心臓血管麻酔学会

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

日本麻酔科学会 安全な麻酔のためのモニター指針
日本麻酔科学会
2019年3月 第4回改訂
「筋弛緩薬および拮抗薬を使用する際には、筋弛緩状態をモニタリングすること」とされている

1)名称

2023 American Society of Anesthesiologists Practice Guidelines for Monitoring and Antagonism of Neuromuscular
Blockade: A Report by the American Society of Anesthesiologists Task Force on Neuromuscular Blockade

2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

Stephan R. Thilen, M.D., M.S. et al.
Anesthesiology 2023; 138:13–41

4)概要

米国麻酔科学会のガイドライン。
筋弛緩状態を定量的に測定し、抜管前にTOF値が0.9を超えていることを確認することが推奨されている

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

A guideline from the European Society of Anaesthesiology and Intensive Car
Thomas Fuchs-Bud, et al
Eur J Anaesthesiol 2023; 40:82–94

4)概要

欧州麻酔科学会のガイドライン
残存麻痺を除外するために、定量的神経筋モニタリングを使用することを推奨TOF比が0.9以上になるまで、神経筋遮断を継
続することを推奨

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

⑯参考文献5

d. 届出はしていない

1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ
4)概要

修正型電気痙攣療法(m-ECT)の管理について
日本麻酔科学会
2023年2月24日
脱分極性筋弛緩薬スキサメトニウムの供給停止に伴い、脱分極性筋弛緩薬を使用するにあたっては、筋弛緩モニターにより
筋弛緩からの⾄適回復を確認すること
【適正使用】注意喚起文書「ブリディオン®に関する大切なお知らせ」
MSD製薬
2021.07.01
筋弛緩の拮抗薬であるスガマデクス投与時には、筋弛緩の状態を確認し、適切な量を投与すること、不適切な拮抗により、
筋弛緩の再発(再クラーレ化)が生じた事例が報告
されている旨の注意喚起

※⑮については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等
の関連団体や研究者等の名称を記載すること。

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