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提案書14(2601頁~2800頁) (132 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

374101
鼠径ヘルニア手術(ロボット支援下)
日本ヘルニア学会
13外科

主たる診療科(1つ)

提案される医療
技術が関係する
診療科

18消化器外科

関連する診療科(2つまで)

00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
ロボット支援下鼠径ヘルニア手術
提案当時の医療技術名
載する

令和4年度



追加のエビデンスの有無
提案される医療技術の概要
(200字以内)

内視鏡手術用支援機器(ロボット)を用いて、鼠径ヘルニアを治療(腹膜前腔の剥離、メッシュで修復)する医療技術。

文字数: 54
対象疾患名
保険収載が必要な理由
(300字以内)
文字数: 299

鼠径ヘルニア
本邦の腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は、第16回日本内視鏡外科学会アンケート調査によると、2021年には21,147例と増加し
ている。一方で、後進を指導するにたる技量を問う日本内視鏡外科学会技術認定制度のヘルニア領域における合格率は、平
均24%(2021年は16%)で、他の領域に比べて低く、高い鏡視下技術が必要である。鼠径ヘルニア修復術は汎用手術であ
り、多くの外科医が治療に携わるため、これまでから、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術の標準化、安定化ならびに治療成績の
向上が議論されてきた。当該手術は、腹腔鏡の技術的課題を解決するため、早期に保険収載されることで、国内で広く、患
者への多大な寄与が実現できる。

【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

成人の鼠径ヘルニア患者

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

全身麻酔下に、内視鏡手術用支援機器(ロボット)の多関節機能、高解像度3D画像、手振れ防止機能などを用いて、腹部に
3ヶ所、主に8mmポートを留置して、術者自らカメラ操作を行い、腹膜前腔の剥離とメッシュ修復を行う(手術時間約120
分。実施頻度は1人1回で、治療期間は約3日間)。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

①634
②633 5
①腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側)

既存の治療法・検査法等の内容

①全身麻酔下に、腹腔鏡を用いて、腹部に3ヶ所、5-12mmを留置して、カメラ助手と共に、腹膜前腔の剥離とメッシュ修復
を行う。
②様々な麻酔管理の下、鼠径部を4-5c切開し、ヘルニア嚢の処置を行い、助手とともにメッシュ修復を行う。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

研究結果

②ヘルニア手術

鼠径ヘルニア

①ロボット支援下鼠径ヘルニア修復術の治療成績について
鼠径部切開法との比較において、術後合併症の発生頻度、入院期間、再入院率は低い。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術との比較では、術後合併症の良好な臨床成績を示す一定の報告がある。
しかしながら、再発に関する長期的アウトカムの明らかなエビデンスの報告はない。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術は、再発率から手技に習熟した外科医が行うことが推奨されるが(日本ヘルニア学会鼠径部ヘ
ルニア診療ガイドライン2015:CQ15-4)、腹腔鏡の技術的な克服にロボット支援手術が有用であることを示す報告がある。
②ロボット支援下鼠径ヘルニア修復術の術後疼痛や有用性について
鼠径部切開法と比較して、術後急性期疼痛は少ない。
腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術と比較して、タッカーレスの実現やポート部損傷が減少するため、急性期疼痛は少ない可能性
がある。
慢性疼痛についてのそれぞれの術式と比較したエビデンスはないが、鼠径ヘルニア治療においては、術後急性疼痛は慢性疼
痛に発展する可能性が高いことが分かっている。

①参考文献1、2、3を参照。その他の研究結果を下記に示す。
・ロボット支援手術は鼠径部切開法より、術後合併症リスクが低い(Risk difference - 0.09, 95% CI [- 0.13, 0.056])、入院期間も有意に短い(Ratio 0.53, 95% CI [0.45, 0.62])とする報告。(Surg Endosc. 2021
Dec;35(12):7209-7218)
・術後30日以内の合併症はロボット支援手術で有意に少ない(7.7% vs 4.4%, p=0.047)。(Hernia. 2018
Oct;22(5):827-836)
・臍部の創感染は腹腔鏡手術(3%)がロボット支援手術(0%)より有意に多い。(BJS Open. 2021 Jan
8;5(1):zraa046)
・鼠径ヘルニア修復術の解剖と手術に高いレベルで精通している十分な低侵襲手術のフェローシップトレーニングを受けた
ヘルニア外科医において、腹腔鏡手術とロボット支援手術との比較で、術後1週間、1ヶ月時点での創感染、再入院率、疼
痛、QOLで有意差はないとする無作為化臨床パイロット試験報告(JAMA Surg. 2020 May 1;155(5):380-38)
・週術時間研修医が指導下に執刀と指導医が執刀を比較。平均コンソール時間に差はなく(73.3±18.4 vs 67.3±29.9分,
p=0.44)、合併症発生率も差がない(11.1 vs 2.0%, p=0.11)。鼠径部切開法への移行、再手術率にも差はない。ロボット
支援手術は手術経験の影響はない。(J Robot Surg. 2018 Sep;12(3):487-492)
②参考文献3、4を参照。その他の研究結果を下記に示す。
・腹腔鏡手術とロボット支援手術の痛みについて比較。回復時のVAS疼痛スコアの平均値(2.5 vs 3.8)と回復室での時間
(109.1 vs 133.5分)は、ロボット支援手術の方が有意に少なかった。( J Robot surg. 2016;10:239–44)
2b

ガイドライン等での位置づけ

ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の 日本内視鏡外科学会の次々回のガイドライン改定時に触れる予定
改訂の見込み等を記載する。)
である。

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