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資料3-1 リツキシマブ(遺伝子組換え)[2.5MB] (61 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00042.html
出典情報 医薬・生活衛生局が実施する検討会 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第68回 7/4)《厚生労働省》
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(公知申請への該当性に係る企業見解の様式)
要望番号;IV-168
傷害作用等の作用メカニズムによって、標的細胞である CD20 陽性 B 細胞を傷害する。自己
抗体が関与する疾患においては、自己抗体産生 B 細胞を傷害、除去することで治療効果を発
揮する。
AIHA は、赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体が後天的に産生され、抗原抗体反応の結
果、赤血球が傷害を受け、赤血球寿命が著しく短縮(溶血)することによって生じる免疫性
溶血性貧血の総称である 1)。自己抗体の出現につながる病因の詳細は不明であるが、温式
AIHA では抗赤血球自己抗体が体温近くである 37℃で、冷式 AIHA(CAD 及び PCH)の場合
は体温以下の低温条件でそれぞれ自己赤血球と結合し、凝集、溶血、あるいは抗グロブリン
血清の添加によって凝集を引き起こす 1)。AIHA は抗体の性状のほか、臨床的表現型、好発年
齢等の種々の観点から異なる特徴を有する病態を包含するが、温式 AIHA、冷式 AIHA で自
己抗体(温式抗体または冷式抗体)の出現は共通である。したがって、本剤による B 細胞傷
害は温式抗体及び冷式抗体の産生を抑制し、AIHA に対する治療効果が期待される。
国内外の診療ガイドラインでは、ファーストライン治療である副腎皮質ホルモン薬に抵抗
性を示す温式 AIHA に対するセカンドライン治療として、CAD に対してはファーストライン
治療として本剤がそれぞれ推奨されており 1), 15)、温式 AIHA 患者のうち、新規に診断された
重症例や副腎皮質ステロイド薬の長期投与を避ける必要がある患者等に対するファーストラ
イン治療 47), 48), 57), 58), 59)での本剤使用が示されている。さらに、海外の臨床試験、国内の症例
報告、総説及びメタ・アナリシス等では、本剤の温式 AIHA 及び CAD に対する有効性及び安
全性が報告されている。PCH については、現在ではわずかに小児の感染後性と成人の特発性
病型を認めるにとどまっており 1)、2000 年以降の国内報告では多くの症例が支持療法(安静、
保温、輸液)により改善傾向を示したことが報告されている 60)。PCH は温式 AIHA 及び CAD
と比較して症例数が少なく、国内外の診療ガイドラインにおいてもその治療に関する記述は
限られているが、その中で、症例数は限定されているものの、本剤が副腎皮質ホルモン薬で
効果不十分の PCH に対して有効であったとの報告がある 61)。成人・小児共に当該病型につい
ては今後も発現する可能性があることが予測され、PCH に対する副腎皮質ホルモン薬治療に
抵抗性を示す症例の治療として、本剤が使用される可能性が考えられる。
以上より、効能・効果については、病型を限定することなく「自己免疫性溶血性貧血」と
設定し、効能又は効果に関連する注意にて、
「診療ガイドライン等の最新の情報を参考に、本
剤の投与が適切と判断される温式又は冷式 AIHA 患者に使用する」旨を記載することが適切
と考える。
(2)用法・用量について
AIHA に関する国内外の診療ガイドラインでは、温式 AIHA 及び CAD に対して要望された
用法及び用量である「1 回あたり 375 mg/m2 を 1 週間間隔で 4 回投与」が推奨されている 1), 15)。
また、学会より提出された要望書に示されているとおり、国内外からの臨床試験の報告や症
例報告においても、多くの場合に当該用法・用量が使用されており、有効性及び安全性が認
められていることが報告されている。更に、当該用法・用量は本剤の既承認である CD20 陽

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