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資料3-1 リツキシマブ(遺伝子組換え)[2.5MB] (125 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00042.html
出典情報 医薬・生活衛生局が実施する検討会 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第68回 7/4)《厚生労働省》
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(公知申請への該当性に係る企業見解の様式)
要望番号;IV-169
の報告があり(別表参照)
、臨床現場で成人の AIHA 患者に対して本剤が使用されている実態
が確認されている。
以上より、国内外の診療ガイドラインにおいて本剤の使用が推奨されていること、海外の
比較試験等の研究にて成人の AIHA 患者に対する本剤の有効性及び安全性が報告されてお
り、メタ・アナリシス/システマティックレビューや総説で本剤に関する報告があり、さら
に教科書に成人 AIHA 患者に対する本剤使用の記載があること、国内で成人の AIHA 患者に
対する本剤使用の報告があることから、本剤は国内外において成人の AIHA 患者に対する治
療選択肢の 1 つとして使用されていると考えられ、公知申請は妥当であると考える。

8.効能・効果及び用法・用量等の記載の妥当性について
(1)効能・効果について
本剤は、遺伝子組換え技術により創製されたマウス(可変部領域)とヒト(定常部領域)
のキメラ型の抗 CD20 モノクローナル抗体(IgG1κ)であり、ヒト成熟 B 細胞の細胞表面に発
現している CD20 に特異的に結合し、補体依存性細胞傷害作用、抗体依存性細胞介在性細胞
傷害作用等の作用メカニズムによって、標的細胞である CD20 陽性 B 細胞を傷害する。自己
抗体が関与する疾患においては、自己抗体産生 B 細胞を傷害、除去することで治療効果を発
揮する。
AIHA は、赤血球膜上の抗原と反応する自己抗体が後天的に産生され、抗原抗体反応の結
果、赤血球が傷害を受け、赤血球寿命が著しく短縮(溶血)することによって生じる免疫性
溶血性貧血の総称である 1)。自己抗体の出現につながる病因の詳細は不明であるが、温式
AIHA では抗赤血球自己抗体が体温近くである 37℃で、冷式 AIHA(CAD 及び PCH)の場合
は体温以下の低温条件でそれぞれ自己赤血球と結合し、凝集、溶血、あるいは抗グロブリン
血清の添加によって凝集を引き起こす 1)。AIHA は抗体の性状のほか、臨床的表現型、好発年
齢等の種々の観点から異なる特徴を有する病態を包含するが、温式 AIHA、冷式 AIHA で自
己抗体(温式抗体または冷式抗体)の出現は共通である。したがって、本剤による B 細胞傷
害は温式抗体及び冷式抗体の産生を抑制し、AIHA に対する治療効果が期待される。
国内外の診療ガイドラインでは、ファーストライン治療である副腎皮質ホルモン薬に抵抗
性を示す温式 AIHA に対するセカンドライン治療として、CAD に対してはファーストライン
治療として本剤がそれぞれ推奨されており 1), 10)、温式 AIHA 患者のうち、新規に診断された
重症例や副腎皮質ステロイド薬の長期投与を避ける必要がある患者等に対するファーストラ
イン治療 43), 44), 50), 51), 52)での本剤使用が示されている。さらに、海外の臨床試験、国内の症例
報告、総説及びメタ・アナリシス等では、本剤の温式 AIHA 及び CAD に対する有効性及び安
全性が報告されている。PCH については、現在ではわずかに小児の感染後性と成人の特発性
病型を認めるにとどまっており 1)、2000 年以降の国内報告では多くの症例が支持療法(安静、
保温、輸液)により改善傾向を示したことが報告されている 53)。PCH は温式 AIHA 及び CAD
と比較して症例数が少なく、国内外の診療ガイドラインにおいてもその治療に関する記述は

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