資料3-1 リツキシマブ(遺伝子組換え)[2.5MB] (52 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198856_00042.html |
出典情報 | 医薬・生活衛生局が実施する検討会 医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議(第68回 7/4)《厚生労働省》 |
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要望番号;IV-168
4)Wintrobe’s Clinical Hematology (15th ed)49)
これまでの症例報告から、リツキシマブが CAD に対するファーストライン治療に位置づけ
られており、最も有効性が高く、最もよく立証されている用法・用量は悪性リンパ腫に対す
る用法・用量(375 mg/m2 を週 1 回、4 週間投与)であると記載されている。再発時のリツキ
シマブ再投与も有効であり、小児患者では 2 回投与で有効性が得られたことが示されている。
また、リツキシマブが無効な CAD を対象としたリツキシマブとフルダラビンの併用療法につ
いても報告があるが、患者数が限定されており、フルダラビンが grade 3 又は grade 4 の好中
球減少症を誘発し、感染症の発現率を上昇させることが示されている。結論として、リツキ
シマブは CAD に対して有効で忍容性が高く、高い奏効率が得られる薬剤であるが、必ずしも
CR や持続的な寛解が得られるわけではなく、難治性患者においてはフルダラビン又はベンダ
ムスチンとの併用も選択肢であると示されている。
また、温式 AIHA のセカンドライン治療として本剤が記載されており、難治性 AIHA や Evans
症候群に対する有効性が報告されており、標準的な用法・用量は悪性リンパ腫に対する用法・
用量(375 mg/m2 を週 1 回、4 週間投与)であると記載されている。小児の難治性 AIHA に対
するリツキシマブ投与では 87%の奏効率が得られていること、治療が奏効した 23%の患者で
生じた再発については、リツキシマブ再投与によって再度寛解が得られることが示されてい
る。これまでに副作用はほぼ報告されていないが、投与に関連した稀な副作用が認められて
いると記載されている。
5)Nathan and Oski's hematology and oncology of infancy and childhood (8th ed)50)
標準治療が奏効しなかった小児の難治性 AIHA 患者を対象としたリツキシマブの 3 つのコ
ホート研究では、リツキシマブ 375 mg/m2 を週 1 回 4~6 週間(中央値 4 週間)投与したとこ
ろ、90%を超える患者で CR を認め、寛解が 7~28 ヵ月間(中央値 16 ヵ月)持続したことが
示されている。再発した 3 例全例がリツキシマブの再投与を受けたところ、再び寛解したこ
とも示されている。その他多くの症例報告では、そのほとんどで CR が認められていたこと
が記載されている。
また、小児の難治性 AIHA に対してリツキシマブを投与する際は早期の導入を考慮すべき
であり、副腎皮質ステロイド薬が奏効するも副作用を認める場合にもリツキシマブの投与を
検討すべきとしている。
安全性については、稀に重症 infusion reactions や感染症等が報告されていること、リツキシ
マブ投与後にはより若年齢で一過性の低ガンマグロブリン血症が生じ得るが、IVIg にて管理
可能であることが示されている。
6)Nelson textbook of pediatrics (21st ed)51)
リツキシマブは、標準治療に抵抗性を示す慢性温式 AIHA 及び CAD に対する治療として有
効であるとの記載がある。
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