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令和6年度 結果報告書(令和7年5月14日掲載) (59 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40123.html
出典情報 緊急避妊薬のスイッチOTC化に係る環境整備のための調査事業 結果報告書(5/14)《厚生労働省》
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場合がある(実際に海外では「モーニングアフターピル」と呼ばれ、翌朝に購入・服用すること
も多い)ことにも留意して、販売側に求める対応可能時間を検討する必要がある。

➂ 販売時のプライバシーの確保について
本調査事業では、協力薬局に「プライバシー確保が可能な販売施設(個室等)を有する」こと
を求めていたが、現状では個室を有する薬局が限られていることから、個室は必須とせずに、各
薬局がプライバシーを確保するための工夫を行うことによって対応することとしていた。実際、
面談を「個室ではない場所」のみで実施した薬局は約 3 割であり、間仕切りの設置、対応時間の
工夫、環境音楽等により工夫が行われていた(表 48)。協力薬局への事後アンケート結果において
は、
「プライバシーが確保できないことがあった」と回答した薬局は 5 施設(1.5%)あった(表
55)が、服用者アンケートにおいては、プライバシーへの配慮に「とても満足」が約 85%、
「やや
不満」
「かなり不満」は 1%未満であり(表 24)
、協力薬局が講じたプライバシー確保策において
問題になったケースは極めて少ないと考えられた。なお、服用者アンケートにおいて、他のお客
さんがいない時間に対応してもらえた、個室で対応してもらった等によりプライバシーが確保さ
れたとの声もあった。また、プライバシー確保の受け止めについては個人差が大きいため、配慮
に係る要望を確認して対応することも必要と考えられた。なお、仮にスイッチ OTC 化された場
合には薬店(医薬品の店舗販売業)でも販売できることになるが、薬店においても、本事業で薬
局が講じたプライバシー確保の対策と同等の対策を行う必要があることに留意する必要がある。

(2) 販売プロトコルへの対応
① 「妊娠の可能性」への対応
令和 5 年度事業における販売プロトコルに関して、約半数の薬剤師が改善すべき項目として挙
げた「緊急避妊薬販売に係るチェックリスト」における服用時点での「妊娠の可能性」の判断に
係る項目について、その内容を変更した。変更前後での「妊娠の可能性」の判断結果(表 13)
は、
「あり」が減少し、
「不明」が増加した。これは、「現時点で妊娠していないことが確実とは
いえない人(薬剤師による追加の説明が必要)」を明確にした変更が影響したと考えられ、
「妊娠
の可能性」の判断に係る項目変更により、薬剤師の判断がより的確に行われるようになったこと
が推察できた。なお、変更前後での販売可否判断結果の数値には変化がみられなかった(表
16)


➁ 服用 3 週間後の妊娠の有無の確認について
令和 5 年度事業においては、薬剤師から服用3週間後に産婦人科医を受診するよう指導してい
たが、受診した人が約 14%と低かったこと、また、本剤の避妊効果は 100%ではなく、服用後に
出血があったとしても生理とは限らないにも関わらず生理と勘違いした結果、望まない妊娠に気
付かずに中絶の機会を失うことを避けるため、令和 6 年度事業においては、
「服用 3 週間後の妊娠
の有無の確認」を手順に追加し、薬剤師が服用者に予定する確認方法を聞いて記録するとともに、
服用者には服用 3〜5 週間後のアンケートにて確認の有無と方法を回答してもらった。
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