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持続可能な社会保障制度の構築(財政各論Ⅱ) (26 ページ)
出典
| 公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20260428zaiseia.html |
| 出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/28)《財務省》 |
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調剤薬局に対する量的規制
○ 調剤薬局(保険調剤の主体)が一貫して増加を続ける中、小規模乱立の提供体制や医療機関近隣への群集といった業界構造に
変化は見られない。
○ 旧薬事法上の薬局距離規制に対する違憲判決以降、薬局への量的規制については行われてこなかったのが実情であるが、一方で、
医療保険財政の観点からの病床規制を合憲とした事例も見られ、規制の目的・手法に鑑み、量的規制に合理性が認められる可能
性もあると考えられる。例えば、薬局の開業そのものへの制約ではない保険調剤への参入規制の導入や、単純な距離規制ではない
一定地域内の密集性に着目した規制ならば、検討の余地があるのではないか。
◆薬局数の推移
◆ 旧薬事法による薬局距離規制違憲判決
(施設数/10万人)
(施設数(万))
約63%増加
6.0
5.6
4.9
5.0
5.1
5.2
4.7
3.9
43.7
4.0
38.7
36.8
34.9
3.0
5.9
31.0
32.0
39.6
40.6
6.0
6.1
45.4
46.2
60
55
5.3 5.3
4.4
4.0
5.8
6.2 6.3
47.0
48.3
41.6 41.4
人口10万人あたり薬局数(右軸)
49.9
51.1
50
45
40
35
30
25
2.0
✓ 薬局の営業に対しては、かつて旧薬事法による薬局距離規制が存在したが、最高裁の違
憲判決(最大判昭和50年4月30日)を受け、撤廃された。その後、薬局に対する立地面に着
目した量的規制は行われず、門前薬局等に対する診療報酬上の対応にとどまってきた。
◆(参考)旧薬事法による薬局距離規制への違憲判決(最大判昭和50年4月30日)の主なポイント
本件規制は、「主として国民の生命及び健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のた
めの規制措置」であり、その必要性が全くないとはいえないというだけでは足りず、このような制限を施
さなければ右措置による職業の自由の制約と均衡を失しない程度において国民の保健に対する危
険を生じさせるおそれのあることが、合理的に認められることが必要。
流通機構の欠陥から生じる経済上の弊害は、「流通の合理化」や「不当な取引方法による弊害」
防止等の、経済政策的問題として別途に検討されるべきであり、適正配置規制が、間接的には、
無薬局地域または過少薬局地域への薬局の進出促進、分布の適正化を助長する機能を何程か
は果たしうることを否定できないにしても、そのために設置場所の地域的制限のような強力な職業の
自由の制限措置をとることは、目的と手段の均衡を著しく失するものであり、立法府の判断は、その
合理的裁量の範囲を超えている。
(出所)石川健治「薬事法違憲判決」(2019年11月憲法判例百選第7版)を参照し作成。
◆ 薬局に対する量的規制の可能性
20 ✓ 旧薬事法による薬局距離規制への違憲判決(最大判昭和50年4月30日)は、医薬品の安全
性確保等の消極的警察的な目的のために、単純な距離制限という薬局開設自体への大
きな制約を課すことの合理性を認めなかったもの。例えば、保険財政上の必要性から、診療
薬局総数(左軸)
報酬上の措置により薬局に対する量的規制を行うことまでは否定されないのではないか。
10 ✓ 保険財政上の必要性に鑑み量的規制が認められた例として、不必要又は過剰な医療費
1.0
を発生させ、医療保険の運営の効率化を阻害するおそれがあること等を理由に、医療法上
5
の病院開設中止勧告に従わず病床過剰地域で開設した病院に対して保険医療機関の
指定を拒否したことを合憲とした例が存在(最一小判平成17年9月8日)。当該判決で広範な
0
0.0
立法裁量が認められた理由について、当該処分が開業の自由そのものを制約するものでな
1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024
く、保険給付への参入資格のみを問題にしていることが挙げられうるとの指摘があり(原田大樹
(年度末)
「保険医療機関指定拒否処分と憲法22条」(2025年2月社会保障判例百選第6版))、医療保険財政の
(出所)厚生労働省「衛生行政報告例」、総務省「人口推計」に基づき作成。1994年及び1996年は年末時点。
(注1)2010年の薬局数には宮城県及び福島県の一部地域が含まれていない。
観点からの医療分野における量的規制を検討する上で一定の示唆を有するのではないか。
(注2)2024年度末の薬局数63,203に対し、診療報酬請求を行った保険薬局数は60,661であり、約96%が保険調剤を
15
実施(厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」(令和7年10月21日時点で公表しているデータ)、厚生労働省
「令和6年社会医療診療行為別統計」に基づく)
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○ 調剤薬局(保険調剤の主体)が一貫して増加を続ける中、小規模乱立の提供体制や医療機関近隣への群集といった業界構造に
変化は見られない。
○ 旧薬事法上の薬局距離規制に対する違憲判決以降、薬局への量的規制については行われてこなかったのが実情であるが、一方で、
医療保険財政の観点からの病床規制を合憲とした事例も見られ、規制の目的・手法に鑑み、量的規制に合理性が認められる可能
性もあると考えられる。例えば、薬局の開業そのものへの制約ではない保険調剤への参入規制の導入や、単純な距離規制ではない
一定地域内の密集性に着目した規制ならば、検討の余地があるのではないか。
◆薬局数の推移
◆ 旧薬事法による薬局距離規制違憲判決
(施設数/10万人)
(施設数(万))
約63%増加
6.0
5.6
4.9
5.0
5.1
5.2
4.7
3.9
43.7
4.0
38.7
36.8
34.9
3.0
5.9
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5.3 5.3
4.4
4.0
5.8
6.2 6.3
47.0
48.3
41.6 41.4
人口10万人あたり薬局数(右軸)
49.9
51.1
50
45
40
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2.0
✓ 薬局の営業に対しては、かつて旧薬事法による薬局距離規制が存在したが、最高裁の違
憲判決(最大判昭和50年4月30日)を受け、撤廃された。その後、薬局に対する立地面に着
目した量的規制は行われず、門前薬局等に対する診療報酬上の対応にとどまってきた。
◆(参考)旧薬事法による薬局距離規制への違憲判決(最大判昭和50年4月30日)の主なポイント
本件規制は、「主として国民の生命及び健康に対する危険の防止という消極的、警察的目的のた
めの規制措置」であり、その必要性が全くないとはいえないというだけでは足りず、このような制限を施
さなければ右措置による職業の自由の制約と均衡を失しない程度において国民の保健に対する危
険を生じさせるおそれのあることが、合理的に認められることが必要。
流通機構の欠陥から生じる経済上の弊害は、「流通の合理化」や「不当な取引方法による弊害」
防止等の、経済政策的問題として別途に検討されるべきであり、適正配置規制が、間接的には、
無薬局地域または過少薬局地域への薬局の進出促進、分布の適正化を助長する機能を何程か
は果たしうることを否定できないにしても、そのために設置場所の地域的制限のような強力な職業の
自由の制限措置をとることは、目的と手段の均衡を著しく失するものであり、立法府の判断は、その
合理的裁量の範囲を超えている。
(出所)石川健治「薬事法違憲判決」(2019年11月憲法判例百選第7版)を参照し作成。
◆ 薬局に対する量的規制の可能性
20 ✓ 旧薬事法による薬局距離規制への違憲判決(最大判昭和50年4月30日)は、医薬品の安全
性確保等の消極的警察的な目的のために、単純な距離制限という薬局開設自体への大
きな制約を課すことの合理性を認めなかったもの。例えば、保険財政上の必要性から、診療
薬局総数(左軸)
報酬上の措置により薬局に対する量的規制を行うことまでは否定されないのではないか。
10 ✓ 保険財政上の必要性に鑑み量的規制が認められた例として、不必要又は過剰な医療費
1.0
を発生させ、医療保険の運営の効率化を阻害するおそれがあること等を理由に、医療法上
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の病院開設中止勧告に従わず病床過剰地域で開設した病院に対して保険医療機関の
指定を拒否したことを合憲とした例が存在(最一小判平成17年9月8日)。当該判決で広範な
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立法裁量が認められた理由について、当該処分が開業の自由そのものを制約するものでな
1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016 2018 2020 2022 2024
く、保険給付への参入資格のみを問題にしていることが挙げられうるとの指摘があり(原田大樹
(年度末)
「保険医療機関指定拒否処分と憲法22条」(2025年2月社会保障判例百選第6版))、医療保険財政の
(出所)厚生労働省「衛生行政報告例」、総務省「人口推計」に基づき作成。1994年及び1996年は年末時点。
(注1)2010年の薬局数には宮城県及び福島県の一部地域が含まれていない。
観点からの医療分野における量的規制を検討する上で一定の示唆を有するのではないか。
(注2)2024年度末の薬局数63,203に対し、診療報酬請求を行った保険薬局数は60,661であり、約96%が保険調剤を
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実施(厚生労働省「令和6年度衛生行政報告例」(令和7年10月21日時点で公表しているデータ)、厚生労働省
「令和6年社会医療診療行為別統計」に基づく)
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