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医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月) (80 ページ)

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出典情報 医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月)(3/27)《日本医療機能評価機構》
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【1】アレルギーのある食物の提供(医療安全情報No.69)


再発・類似事例の分析

(6)まとめ
「アレルギーのある食物の提供」(医療安全情報No.69)について、第67回報告書の集計期間後に報
告された再発・類似事例を取り上げた。事例の概要では、発生段階、登録されていたアレルギー情報
と誤って提供した食事、食材の視認の可否と患者の摂取状況、患者への影響などを示し、主な事例を
紹介した。さらに、医療機関から報告された事例の背景・要因と再発防止策をまとめて示した。
「調理・調乳」の段階で発生した事例が大半であった第67回報告書に対し、今回報告された事例は
「献立作成」から「トレイへのセッティング」に至るまで様々な段階で発生していた。食事が患者に
提供されるまでには多くの職員が関わり、複数の確認工程を経ている。しかし、アレルギーのある食
材が元々視認できない形態の場合や調理によって視認できなくなった状態で混入した場合、その発見
は難しい。そのため、栄養部を中心に、医療機関内で「献立作成」「食札作成」「調理」「食事形態調
整」
「トレイへのセッティング」の各工程において、アレルギーのある食材が食事に混入する可能性
があることを念頭に確認手順を定め、遵守することが求められる。
事例の背景・要因として、栄養部におけるタイムプレッシャーに言及している事例も複数あった。
栄養部では工程に無理がないか見直すとともに、栄養部に食事をオーダする医師や看護師は食事オー
ダの締切時間を遵守するなど、栄養部に過度の負担を強いることのないよう組織全体で協力すること
も重要である。
今回報告された事例では「トレイへのセッティング」で発生したものが過半数を占め、そのうち
「食札の記載の見落とし」が5件あった。報告された医療機関の再発防止策には、食札へのアレルギー
情報の表示による情報共有の改善や、メニューへの食材表の添付、調理段階から代替食判別のための
食器色の変更といった工夫が挙げられていた。本事業の専門分析班の委員が所属している医療機関で
は、トレイの色を変えているところもあった。医療機関によってアレルギー情報の照合方法や代替食
の確認方法は異なると思われるが、自施設の状況に応じて参考としていただきたい。また、近年、給
食の外部委託も増えていると思われる。委託業者ともアレルギーに関する知識を共有し、協力する必
要がある。

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医療事故情報収集等事業

第 84 回 報 告 書