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医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月) (13 ページ)

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出典情報 医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月)(3/27)《日本医療機能評価機構》
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第84回報告書について

値で伝えるとともに、麻酔科医は理解した内容を復唱し、執刀医は復唱内容が合っているか確認
(チェックバック)するなど、互いの認識に齟齬が生じないようにする必要がある。また、実施
後には、麻酔科医が行った処置内容を改めて執刀医と共有するなど、医師間のコミュニケーショ
ンを強化することが重要である。手術中は迅速な対応が求められ、十分な説明や表現が困難な場
面もあり得る。同様の事例の発生を防止するためには、執刀医と麻酔科医との密接な連携が不可
欠であり、本場面でのコミュニケーションの取り方を検討しておくとよい。
執刀医となる医師は、一定の経験年数を有していると推測されるが、手術助手や麻酔科医が当
該手術の経験が浅いことが背景・要因に記載された事例があった。執刀医にとっては、手術の進
行上当然の対応であっても、チーム全員が同じ認識とは限らないことを念頭に置き、各ステップ
での確認を怠らないことが重要である。そして、術後にX線撮影を行った場合は、ドレーンの位
置だけでなく、患者に挿入されているチューブ・カテーテル類の走行を見て、胃管等の屈曲や切
断などがないか確認する必要がある。
今回報告された事例では、事例に関わった職種に「看護師」が記載されていたのは1件だけで
あった。これは、術中操作として胃管等を抜く場面に手術室看護師が直接関与していなかったた
めと考えられる。しかし、消化器手術において、胃管等を巻き込んで吻合・縫合した事例が発生
していることからも、手術室看護師を含むチーム全体でそのリスクを共有し、同様の事例の発生
を防止する方策について検討することは重要である。
図表Ⅰ-5

胃管等を巻き込んで吻合・縫合したことに気付いた時期と契機

気付いた時期

気付いた契機
切離断面に胃管やEDチューブを認めた。
麻酔科医に胃管の抜き差しを依頼したところ、抵抗があると

自動吻合器などの

報告があった。

作動直後

切離した腸管の内腔を確認したところ、本来ないはずの胃管
があった。
不明

術後1日目

6
4
15
3
2

抜管直前
麻酔覚醒時

件数

1
胃管を抜去しようとしたところ、抜けなかった。

術後2日目

1
3
1

術後、イレウス管からの排液がなく、注水もできないため、
腹部X線撮影・下部消化管内視鏡検査・イレウス管造影を
術後4日目

行ったところ、腸管の吻合部にイレウス管が縫合されている

1

ことがわかった。
イレウス管が抜去できず、X線透視検査をしたところ、吻合
部近傍でイレウス管が屈曲していた。

1

胃管を抜去した際に長さが短いことに気付き、腹部X線検査
術後14日目

を行ったところ、肛門側の空腸内に切離された胃管が残存し

1

ていることがわかった。
合計

医療事故情報収集等事業

第 84 回 報 告 書

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