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医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月) (35 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月)(3/27)《日本医療機能評価機構》 |
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2
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
②事例の内容
医療事故情報の報告が多かった「指示の未実施」の主な事例の内容と専門分析班の議論を紹介
する。
図表Ⅲ-1-5
No. 区分
検査に関する事例の内容
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
指示の未実施
乳腺内分泌外科に入院中の患者は、23 ・入院時、看護師は患者の眠剤 ・入院前の生活状況や睡眠状況な
どを、看護記録と患者コメント
による幻覚や異常行動、自宅
時 に 定 期 の マ イ ス リ ー 1錠 を 内 服 し
に記録し、多職種で共有できる
での転倒歴などの情報を得て
た。2時35分、物音がしたため看護師
記録していたが、注意が必要
レの前で倒れていた。患者は明らかな
な情報として認識できていな ・薬剤による副作用がある、また
は疑われたなどの情報を得た
かった。
外傷は見られないが、ふらつきが強
く、ろれつが回っていない状態で、打 ・医師、薬剤師など多職種で患
者の情報を共有できておら
撲した頭部の疼痛を訴えていた。リー
ら、多職種でカンファレンスを
行い、医師や薬剤師と薬剤につ
いて検討する。
ダー看護師が外科当直医師(整形外科)
ず、入院後も薬剤を継続して
と夜勤師長に、患者が転倒して頭部を
よいかどうか判断ができてい ・転倒転落アセスメントシートに
基づく評価が正しく行われてい
なかった。
打撲したことを電話で報告した。看護
師は医師にCT撮影について確認した ・転倒転落アセスメントが適切
にできておらず、リスクを予
が、医師からはCT撮影の指示はなく、
転倒転落パスで経過観察するよう指示
想した予防対策が立案できて
を受けた。4時10分、患者の左側頭部
いなかった。
が腫脹しているのを発見し、再度外科 ・院 内 の 転 倒 転 落 発 生 時 の マ
ニュアルに基づく行動がとれ
当直医師に電話で報告した。看護師は
医療事故情報
1
ようにする。
が訪室したところ、患者が個室のトイ
るか、受け持ち看護師以外の他
者が看護記録を見て内容や評価
時期について評価する。
・転倒転落発生時は、転倒転落初
期対応フローチャートを確認
し、医師や看護師長に報告する。
・医 師 の 指 示 が 転 倒 転 落 パ ス に
CT撮影について再度確認したが、医
ていなかった。
師の指示はなく、経過観察の指示を受
1)医 師は患者に頭痛の症状
則っていない場合は、根拠を確
けた。8時、病棟巡視に来た夜勤師長
があることは知っていた
認し、その後の対応について具
に頭部の腫脹について報告し、夜勤師
が、バイタルサインに異
体的な指示を医師に確認する。
長とともに患者の観察を実施した。8
常がないことから経過観 ・医師は転倒転落の報告を受けた
ら必ず診察し、判断根拠やその
察でよいと判断した。
時20分、乳腺内分泌外科の回診の際、
深夜の転倒とその経過について報告し
た。主治医の診察後、頭部CT撮影を行
い、頭部の皮下血腫と外傷性くも膜下
2)医 師は転倒転落初期対応
後の対応を診療録に記載する。
フローチャートを十分に ・転倒転落初期対応フローチャー
トと転倒転落パスの内容を見直
理解していなかった。
出血を確認した。この時、患者は意識
3)看 護師は転倒転落パスに
し、頭部打撲がある、または疑
清明であり、明らかな神経脱落症状は
おいて、頭痛の症状があ
われた場合のCT撮影の基準を明
なかった。8時32分、主治医から脳外
るときはCT撮影が必要で
確にする。
科へコンサルトしたところ、明日の退
あることを知っていたが、
院 は 延 期 し、MRI検 査 が 追 加 と な っ
医師の指示に従うしかな
た。8時42分、MRI検査を行ったとこ
いと思った。
ろ、出血範囲は限定しており、保存的
に経過観察することになった。
専門分析班の議論
○当該医療機関には転倒・転落に関するパスとフローチャートがあるようだが、両者の内容に齟齬があった
ために理解が難しく、対応が遅れた可能性も考えられる。
○転倒・転落のパスは、例えば「次の5つの症状のうち1つでも該当する場合はすぐにCT撮影を行う」など
のように明確に記載すると、誰が見ても共通の認識を持つことができる。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
– 30 –
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
②事例の内容
医療事故情報の報告が多かった「指示の未実施」の主な事例の内容と専門分析班の議論を紹介
する。
図表Ⅲ-1-5
No. 区分
検査に関する事例の内容
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
指示の未実施
乳腺内分泌外科に入院中の患者は、23 ・入院時、看護師は患者の眠剤 ・入院前の生活状況や睡眠状況な
どを、看護記録と患者コメント
による幻覚や異常行動、自宅
時 に 定 期 の マ イ ス リ ー 1錠 を 内 服 し
に記録し、多職種で共有できる
での転倒歴などの情報を得て
た。2時35分、物音がしたため看護師
記録していたが、注意が必要
レの前で倒れていた。患者は明らかな
な情報として認識できていな ・薬剤による副作用がある、また
は疑われたなどの情報を得た
かった。
外傷は見られないが、ふらつきが強
く、ろれつが回っていない状態で、打 ・医師、薬剤師など多職種で患
者の情報を共有できておら
撲した頭部の疼痛を訴えていた。リー
ら、多職種でカンファレンスを
行い、医師や薬剤師と薬剤につ
いて検討する。
ダー看護師が外科当直医師(整形外科)
ず、入院後も薬剤を継続して
と夜勤師長に、患者が転倒して頭部を
よいかどうか判断ができてい ・転倒転落アセスメントシートに
基づく評価が正しく行われてい
なかった。
打撲したことを電話で報告した。看護
師は医師にCT撮影について確認した ・転倒転落アセスメントが適切
にできておらず、リスクを予
が、医師からはCT撮影の指示はなく、
転倒転落パスで経過観察するよう指示
想した予防対策が立案できて
を受けた。4時10分、患者の左側頭部
いなかった。
が腫脹しているのを発見し、再度外科 ・院 内 の 転 倒 転 落 発 生 時 の マ
ニュアルに基づく行動がとれ
当直医師に電話で報告した。看護師は
医療事故情報
1
ようにする。
が訪室したところ、患者が個室のトイ
るか、受け持ち看護師以外の他
者が看護記録を見て内容や評価
時期について評価する。
・転倒転落発生時は、転倒転落初
期対応フローチャートを確認
し、医師や看護師長に報告する。
・医 師 の 指 示 が 転 倒 転 落 パ ス に
CT撮影について再度確認したが、医
ていなかった。
師の指示はなく、経過観察の指示を受
1)医 師は患者に頭痛の症状
則っていない場合は、根拠を確
けた。8時、病棟巡視に来た夜勤師長
があることは知っていた
認し、その後の対応について具
に頭部の腫脹について報告し、夜勤師
が、バイタルサインに異
体的な指示を医師に確認する。
長とともに患者の観察を実施した。8
常がないことから経過観 ・医師は転倒転落の報告を受けた
ら必ず診察し、判断根拠やその
察でよいと判断した。
時20分、乳腺内分泌外科の回診の際、
深夜の転倒とその経過について報告し
た。主治医の診察後、頭部CT撮影を行
い、頭部の皮下血腫と外傷性くも膜下
2)医 師は転倒転落初期対応
後の対応を診療録に記載する。
フローチャートを十分に ・転倒転落初期対応フローチャー
トと転倒転落パスの内容を見直
理解していなかった。
出血を確認した。この時、患者は意識
3)看 護師は転倒転落パスに
し、頭部打撲がある、または疑
清明であり、明らかな神経脱落症状は
おいて、頭痛の症状があ
われた場合のCT撮影の基準を明
なかった。8時32分、主治医から脳外
るときはCT撮影が必要で
確にする。
科へコンサルトしたところ、明日の退
あることを知っていたが、
院 は 延 期 し、MRI検 査 が 追 加 と な っ
医師の指示に従うしかな
た。8時42分、MRI検査を行ったとこ
いと思った。
ろ、出血範囲は限定しており、保存的
に経過観察することになった。
専門分析班の議論
○当該医療機関には転倒・転落に関するパスとフローチャートがあるようだが、両者の内容に齟齬があった
ために理解が難しく、対応が遅れた可能性も考えられる。
○転倒・転落のパスは、例えば「次の5つの症状のうち1つでも該当する場合はすぐにCT撮影を行う」など
のように明確に記載すると、誰が見ても共通の認識を持つことができる。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
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