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医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月) (11 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月)(3/27)《日本医療機能評価機構》 |
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第84回報告書について
る。パスに関連した医療事故情報やヒヤリ・ハット事例に着目し、背景・要因や再発防止策を共
有することは、医療機関においてパスをより安全に運用するために重要である。そこで、2025
年4月~9月に、ヒヤリ・ハット事例の今期のテーマとして「クリニカルパス/クリティカルパ
スに関連した事例」を収集し、医療事故情報と併せて総合的に分析することとした。
本テーマは2回の報告書にわたって取り上げることとしており、第83回報告書では、医療事故
情報とヒヤリ・ハット事例の概要を整理し、その中から薬剤に関連した事例について分析を行っ
た。本報告書では、パスの内容に関する事例のうち、食事・経管栄養・飲水に関する事例と検査
に関する事例を分析し、その他の主な事例を紹介した。また、パスの運用に関する事例のうち、
選択・入力の間違いに関する事例を取り上げて分析した。さらに、専門分析班で議論した内容を
もとに「クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例のポイント」をまとめて示した。
食事・経管栄養・飲水に関する事例では、医療事故情報とヒヤリ・ハット事例を合わせると、
「食事を中止する患者への食事の提供」が多く、医療事故情報では「摂食・嚥下機能の評価の不
足」が多かった。検査に関する事例のうち、医療事故情報では「指示の未実施」が多く、転倒後
のCT検査や肝生検後の腹部超音波検査などの実施が遅れた事例が報告されていた。パスの選択・
入力に関する事例は、手術に関連した「選択・入力の間違い」が多く、パスの選択、左右の入
力、関連する文書の選択といった様々な場面で事例が発生していた。
「クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例のポイント」で示したように、パスに記
載されていることだけを行うのではなく、パスは一つのツールであることを認識する必要があ
る。報告された事例から、パスに過度に依存せず、患者の状態を適切に評価し、状況に応じて対
応することが重要であることが改めて示唆された。また、パスは有用なツールである一方で、食
事や手術などの他のシステムと連携しておらず、情報の不一致が発生した事例が報告されてい
た。今後、パスと他の情報との整合性を人の目で確認する必要がないようなシステムの構築が望
まれる。
図表Ⅰ-4
クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例のポイント(一部抜粋)
○「看護師はパスの指示内容に違和感を覚えたがそのまま実施した」という事例が多い。このような
事例はパスに関連しない状況でも発生しているが、パスに記載されていることで正常性バイアスが
より働きやすくなり、
「これでよい」と思ってしまう可能性がある。疑問を感じた時には立ち止
まって考え、報告や相談、確認をすることが重要である。特に、疑問が解消していない状況での実
施は避け、確認ができてから対応することが重要である。
○いくつかの事例からは、
「パスに記載がないからやらない」という傾向が見受けられた。想定外の
ことが起きるのは当然であり、それに対して「パスに記載がないからやらない」のではなく、状況
に応じて適切にアセスメントを行い、対応することが医療の本質である。
○再発防止策として「パスの見直し」を挙げた事例が多く報告されていたが、パスに組み込んだから
といって安心してよいわけではない。パスは一つのツールであることを認識し、パスに組み込まれ
ていなくても、患者に必要なことはないか考え、実施することが基本である。
○パスを作成して使用するだけでなく、アウトカム評価を行い、分析結果を踏まえてパスを見直し、
改訂するというPDCAサイクルを継続的に回すことが大切である。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
–6–
る。パスに関連した医療事故情報やヒヤリ・ハット事例に着目し、背景・要因や再発防止策を共
有することは、医療機関においてパスをより安全に運用するために重要である。そこで、2025
年4月~9月に、ヒヤリ・ハット事例の今期のテーマとして「クリニカルパス/クリティカルパ
スに関連した事例」を収集し、医療事故情報と併せて総合的に分析することとした。
本テーマは2回の報告書にわたって取り上げることとしており、第83回報告書では、医療事故
情報とヒヤリ・ハット事例の概要を整理し、その中から薬剤に関連した事例について分析を行っ
た。本報告書では、パスの内容に関する事例のうち、食事・経管栄養・飲水に関する事例と検査
に関する事例を分析し、その他の主な事例を紹介した。また、パスの運用に関する事例のうち、
選択・入力の間違いに関する事例を取り上げて分析した。さらに、専門分析班で議論した内容を
もとに「クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例のポイント」をまとめて示した。
食事・経管栄養・飲水に関する事例では、医療事故情報とヒヤリ・ハット事例を合わせると、
「食事を中止する患者への食事の提供」が多く、医療事故情報では「摂食・嚥下機能の評価の不
足」が多かった。検査に関する事例のうち、医療事故情報では「指示の未実施」が多く、転倒後
のCT検査や肝生検後の腹部超音波検査などの実施が遅れた事例が報告されていた。パスの選択・
入力に関する事例は、手術に関連した「選択・入力の間違い」が多く、パスの選択、左右の入
力、関連する文書の選択といった様々な場面で事例が発生していた。
「クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例のポイント」で示したように、パスに記
載されていることだけを行うのではなく、パスは一つのツールであることを認識する必要があ
る。報告された事例から、パスに過度に依存せず、患者の状態を適切に評価し、状況に応じて対
応することが重要であることが改めて示唆された。また、パスは有用なツールである一方で、食
事や手術などの他のシステムと連携しておらず、情報の不一致が発生した事例が報告されてい
た。今後、パスと他の情報との整合性を人の目で確認する必要がないようなシステムの構築が望
まれる。
図表Ⅰ-4
クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例のポイント(一部抜粋)
○「看護師はパスの指示内容に違和感を覚えたがそのまま実施した」という事例が多い。このような
事例はパスに関連しない状況でも発生しているが、パスに記載されていることで正常性バイアスが
より働きやすくなり、
「これでよい」と思ってしまう可能性がある。疑問を感じた時には立ち止
まって考え、報告や相談、確認をすることが重要である。特に、疑問が解消していない状況での実
施は避け、確認ができてから対応することが重要である。
○いくつかの事例からは、
「パスに記載がないからやらない」という傾向が見受けられた。想定外の
ことが起きるのは当然であり、それに対して「パスに記載がないからやらない」のではなく、状況
に応じて適切にアセスメントを行い、対応することが医療の本質である。
○再発防止策として「パスの見直し」を挙げた事例が多く報告されていたが、パスに組み込んだから
といって安心してよいわけではない。パスは一つのツールであることを認識し、パスに組み込まれ
ていなくても、患者に必要なことはないか考え、実施することが基本である。
○パスを作成して使用するだけでなく、アウトカム評価を行い、分析結果を踏まえてパスを見直し、
改訂するというPDCAサイクルを継続的に回すことが大切である。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
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