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医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月) (33 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月)(3/27)《日本医療機能評価機構》 |
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【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
No. 区分
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
摂食・嚥下機能の評価の不足
患者は8日前、呼吸状態の悪化により ・入院時、看護師は窒息・誤嚥 ・入院時に、窒息・誤嚥スクリー
ニングシートのチェックを実施
スクリーニングシートで評価
施設から救急搬送され、心不全の増悪
し、評価する。
をしていなかった。
室ブロックのため、ペースメーカーが ・入院時のデータベースでは、 ・血管造影室などで鎮静剤を使用
する手術や検査の後は、帰室後
嚥下機能に問題なく、食事に
植え込まれていた。精査の結果、両心
の診断で入院となった。患者は高度房
室ペースメーカーにアップグレード
制限はないことが記載されて
2時間は禁食とし、飲水テスト
し、心室再同期療法を行うことになっ
いたため、常食を提供した。
などを実施し、嚥下に問題がな
た。 当 日、 手 術 開 始 時 よ り プ ロ ポ ・患者は、術後、血管造影室で
いことを確認してから食事の可
フォールで鎮静を行ったが、安静が保
は会話可能であった。
否を判断する。
てなかったため、何度かフラッシュを ・看護師は、帰室20分後に患者 ・提供する食事の肉は、ジャカー
ドを両面に行い、少し小さめに
が覚醒していることを確認
行い、手術終了までに20.33mLを投与
した。18時25分にHCUに帰室した際、
し、配膳した。
意識レベルはクリアで、受け答えもで ・パス上も、帰室後覚醒してい
きた。18時45分、担当看護師はベッ
れば食事摂取可能の指示と
ドを90度にギャッチアップした。患者
なっていた。
カットし、高齢者でも摂取しや
すいように工夫する。
の意識レベルはクリアであり、食事摂 ・看 護 師 は、 ベ ッ ド を90度 に
医療事故情報
3
取が可能と判断したため、配膳してそ
ギャッチアップし、自己摂取
の場を離れた。18時47分、SpO2 77%
できるようにセッティングし
を確認したため、担当看護師が訪室し
た。
た。患者は顔面蒼白で声掛けに反応が ・術 後、 嚥 下 評 価 を し な い ま
ま、食事摂取を開始した。パ
なかった。応援を呼び、吸引を行った
が引けず、SpO2は徐々に50%台まで低
スでは、飲水テストなどをす
下した。主治医に連絡し、18時49分、
ることにはなっていなかった。
酸素投与とバッグバルブマスクで換気 ・常 食 は お に ぎ り と 豚 肉 の ソ
テーであったが、豚肉は6cm
を開始した。18時53分、主治医が到
着し、頸動脈触知不可であったため、
×3cm程の大きさであり、硬
心臓マッサージを開始した。18時57
めであった。
分、病棟にいた医師が気管挿管を実施
した際、咽頭部に米粒の塊があり、マ
ギール鉗子で除去した。19時02分、
自 己 心 拍 が 再 開 し た。19時06分、
SpO2が低下傾向になったため、気管挿
管をし直した。その際、6cm程の肉片
が見えたため、再度マギール鉗子で除
去した。再挿管後、SpO2は99%まで
上昇した。
専門分析班の議論
○本事例で使用していたパスでは「帰室後覚醒していれば食事摂取可能」という記載であったが、「覚醒し
ている」とはどういう状態かを具体的に示すとよい。
○全身麻酔や鎮静の後に飲水テストを行うことは一般的であるが、
「当たり前」のことはパスに組み込まれ
ていない場合があることに留意する必要がある。
○例えば「帰室1時間後に飲水テストを行う」をパスに組み込むことも一案である。
○本事例ではギャッチアップ90度で食事摂取を開始しているが、鎮静後は誤嚥の可能性も考慮して、ベッド
上で嚥下しやすい体勢を指示に組み込んでおくとよい。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
– 28 –
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
No. 区分
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
摂食・嚥下機能の評価の不足
患者は8日前、呼吸状態の悪化により ・入院時、看護師は窒息・誤嚥 ・入院時に、窒息・誤嚥スクリー
ニングシートのチェックを実施
スクリーニングシートで評価
施設から救急搬送され、心不全の増悪
し、評価する。
をしていなかった。
室ブロックのため、ペースメーカーが ・入院時のデータベースでは、 ・血管造影室などで鎮静剤を使用
する手術や検査の後は、帰室後
嚥下機能に問題なく、食事に
植え込まれていた。精査の結果、両心
の診断で入院となった。患者は高度房
室ペースメーカーにアップグレード
制限はないことが記載されて
2時間は禁食とし、飲水テスト
し、心室再同期療法を行うことになっ
いたため、常食を提供した。
などを実施し、嚥下に問題がな
た。 当 日、 手 術 開 始 時 よ り プ ロ ポ ・患者は、術後、血管造影室で
いことを確認してから食事の可
フォールで鎮静を行ったが、安静が保
は会話可能であった。
否を判断する。
てなかったため、何度かフラッシュを ・看護師は、帰室20分後に患者 ・提供する食事の肉は、ジャカー
ドを両面に行い、少し小さめに
が覚醒していることを確認
行い、手術終了までに20.33mLを投与
した。18時25分にHCUに帰室した際、
し、配膳した。
意識レベルはクリアで、受け答えもで ・パス上も、帰室後覚醒してい
きた。18時45分、担当看護師はベッ
れば食事摂取可能の指示と
ドを90度にギャッチアップした。患者
なっていた。
カットし、高齢者でも摂取しや
すいように工夫する。
の意識レベルはクリアであり、食事摂 ・看 護 師 は、 ベ ッ ド を90度 に
医療事故情報
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取が可能と判断したため、配膳してそ
ギャッチアップし、自己摂取
の場を離れた。18時47分、SpO2 77%
できるようにセッティングし
を確認したため、担当看護師が訪室し
た。
た。患者は顔面蒼白で声掛けに反応が ・術 後、 嚥 下 評 価 を し な い ま
ま、食事摂取を開始した。パ
なかった。応援を呼び、吸引を行った
が引けず、SpO2は徐々に50%台まで低
スでは、飲水テストなどをす
下した。主治医に連絡し、18時49分、
ることにはなっていなかった。
酸素投与とバッグバルブマスクで換気 ・常 食 は お に ぎ り と 豚 肉 の ソ
テーであったが、豚肉は6cm
を開始した。18時53分、主治医が到
着し、頸動脈触知不可であったため、
×3cm程の大きさであり、硬
心臓マッサージを開始した。18時57
めであった。
分、病棟にいた医師が気管挿管を実施
した際、咽頭部に米粒の塊があり、マ
ギール鉗子で除去した。19時02分、
自 己 心 拍 が 再 開 し た。19時06分、
SpO2が低下傾向になったため、気管挿
管をし直した。その際、6cm程の肉片
が見えたため、再度マギール鉗子で除
去した。再挿管後、SpO2は99%まで
上昇した。
専門分析班の議論
○本事例で使用していたパスでは「帰室後覚醒していれば食事摂取可能」という記載であったが、「覚醒し
ている」とはどういう状態かを具体的に示すとよい。
○全身麻酔や鎮静の後に飲水テストを行うことは一般的であるが、
「当たり前」のことはパスに組み込まれ
ていない場合があることに留意する必要がある。
○例えば「帰室1時間後に飲水テストを行う」をパスに組み込むことも一案である。
○本事例ではギャッチアップ90度で食事摂取を開始しているが、鎮静後は誤嚥の可能性も考慮して、ベッド
上で嚥下しやすい体勢を指示に組み込んでおくとよい。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
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