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医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月) (61 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第84回報告書(2025年10月-12月)(3/27)《日本医療機能評価機構》 |
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事例紹介
○トリクロリールシロップ10%と誤って、粘膜焼灼に使用する25%トリクロロ酢酸を内服させた事例
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
生後1ヶ月の患者が聴性定常反応検査のた ・ 鎮 静 用 の ト リ ク ロ リ ー ル シ ロ ッ プ ・トリクロリールシロップ10%は定
数保管せず、個人処方することを
10%は個人処方しておらず、冷蔵庫
め家族と来院した。医師は、当日の体重
検討する。
に定数保管していた500mLガラス瓶
をもとに、検査前鎮静薬として「トリク
から、必要分を取って投与していた。 ・処置用の25%トリクロロ酢酸は、
外来で500mL容量の薬品ボトルを
示を出した。外来看護師は、患者に3度に ・処置用の25%トリクロロ酢酸は院内
保 管 せ ず、 月1回 の 交 換 に 合 わ せ
製剤であり、容量500mLの茶色の薬
分けて投与したが、吐き出してしまい、
ロリールシロップ10% 3.3mL投与」の指
入眠しなかった。付き添いで来院してい
品ボトルに入れて払い出され、外来
て、薬剤部から適切な量を小分け
た家族から、トリクロリールシロップの
の処置用棚に保管していた。
にして払い出す。
薬剤の色はオレンジ色ではなかったかと ・処置用の25%トリクロロ酢酸は、綿 ・薬剤のダブルチェック方法を再確
認する。
棒の先に少量付けて使用するため、
質問を受けた。投与した薬剤を確認した
ところ、粘膜焼灼に使用する処置用25%
処置1回で使用する量は僅かであり、
トリクロロ酢酸を投与したことに気付い
余った場合は保管して、期限を過ぎ
た。患児は気道管理のために気管挿管さ
れ、ICUへ入室となった。
ると廃棄していた。
・2つの薬剤名が類似しており、耳鼻咽
喉科外来では双方を「トリクロ」と
呼んでいた。
・外来看護師は、鎮静用薬剤を準備し
てダブルチェックする際に、薬液の
量は確認してもらったが、薬剤名は
確認していなかった。
○プライミングが終わっていない輸液ルートを患者に接続し、静脈内に空気が流入した事例
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
医師は、外来処置室で看護師に造影検査 ・看護師は、輸液ルートのプライミン ・看護師は、可能な限り輸液ルート
のプライミング作業を中断しない。
グ途中に他の患者の処置介助に呼ば
用の点滴指示を出した。看護師は、生理
食塩液のボトルに輸液ルートを接続し、
れ、作業を中断した。
薬液を滴下筒まで満たしたところで他の ・看護師は輸液ルートがプライミング
医師から処置介助に呼ばれた。看護師は
の途中であることを医師に伝えず、
プライミング途中の輸液ルートをトレイ
その場を離れた。
・作業を中断する場合は、関係者に
作業状況を伝えてからその場を離
れる。
・医師は輸液管理の手順に基づき、
内に置き、処置室を離れた。医師は、も ・造影検査用の点滴準備は看護師が行
輸液ルートを留置針に接続する前
う一人の医師とともに検査前の末梢静脈
うため、医師は輸液ルートの準備が
に、輸液ルートの先端まで薬液が
路を確保し、処置室に置いてあった生理
できていると思い込み、接続時に輸
満たされているか必ず確認する。
食塩液のボトルを点滴架台に掛け、輸液
液ルートの先端まで薬液が満たされ
ルートを接続した。医師が滴下を確認し
ているか確認しなかった。
たところ、滴下速度があまりに速いため
違和感を覚えた。処置室に戻った看護師
が、準備途中の輸液ルートは先端まで薬
液を満たしていなかったと報告したため、
医師は、滴下筒下部から輸液ルート先端
までの空気が血管内に流入したことに気
付いた。すぐに投与を中止し、約10分間、
医師が患者を観察し、症状の出現がない
ことを確認した。その後、患者を検査機
器前まで移動させたところ、患者に咳嗽、
SpO2 92%までの低下がみられた。患者は
夕方まで頭を挙げない状態でのベッド上
安静、翌朝まで経過観察が必要と判断さ
れ、入院となった。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
– 56 –
事例紹介
○トリクロリールシロップ10%と誤って、粘膜焼灼に使用する25%トリクロロ酢酸を内服させた事例
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
生後1ヶ月の患者が聴性定常反応検査のた ・ 鎮 静 用 の ト リ ク ロ リ ー ル シ ロ ッ プ ・トリクロリールシロップ10%は定
数保管せず、個人処方することを
10%は個人処方しておらず、冷蔵庫
め家族と来院した。医師は、当日の体重
検討する。
に定数保管していた500mLガラス瓶
をもとに、検査前鎮静薬として「トリク
から、必要分を取って投与していた。 ・処置用の25%トリクロロ酢酸は、
外来で500mL容量の薬品ボトルを
示を出した。外来看護師は、患者に3度に ・処置用の25%トリクロロ酢酸は院内
保 管 せ ず、 月1回 の 交 換 に 合 わ せ
製剤であり、容量500mLの茶色の薬
分けて投与したが、吐き出してしまい、
ロリールシロップ10% 3.3mL投与」の指
入眠しなかった。付き添いで来院してい
品ボトルに入れて払い出され、外来
て、薬剤部から適切な量を小分け
た家族から、トリクロリールシロップの
の処置用棚に保管していた。
にして払い出す。
薬剤の色はオレンジ色ではなかったかと ・処置用の25%トリクロロ酢酸は、綿 ・薬剤のダブルチェック方法を再確
認する。
棒の先に少量付けて使用するため、
質問を受けた。投与した薬剤を確認した
ところ、粘膜焼灼に使用する処置用25%
処置1回で使用する量は僅かであり、
トリクロロ酢酸を投与したことに気付い
余った場合は保管して、期限を過ぎ
た。患児は気道管理のために気管挿管さ
れ、ICUへ入室となった。
ると廃棄していた。
・2つの薬剤名が類似しており、耳鼻咽
喉科外来では双方を「トリクロ」と
呼んでいた。
・外来看護師は、鎮静用薬剤を準備し
てダブルチェックする際に、薬液の
量は確認してもらったが、薬剤名は
確認していなかった。
○プライミングが終わっていない輸液ルートを患者に接続し、静脈内に空気が流入した事例
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
医師は、外来処置室で看護師に造影検査 ・看護師は、輸液ルートのプライミン ・看護師は、可能な限り輸液ルート
のプライミング作業を中断しない。
グ途中に他の患者の処置介助に呼ば
用の点滴指示を出した。看護師は、生理
食塩液のボトルに輸液ルートを接続し、
れ、作業を中断した。
薬液を滴下筒まで満たしたところで他の ・看護師は輸液ルートがプライミング
医師から処置介助に呼ばれた。看護師は
の途中であることを医師に伝えず、
プライミング途中の輸液ルートをトレイ
その場を離れた。
・作業を中断する場合は、関係者に
作業状況を伝えてからその場を離
れる。
・医師は輸液管理の手順に基づき、
内に置き、処置室を離れた。医師は、も ・造影検査用の点滴準備は看護師が行
輸液ルートを留置針に接続する前
う一人の医師とともに検査前の末梢静脈
うため、医師は輸液ルートの準備が
に、輸液ルートの先端まで薬液が
路を確保し、処置室に置いてあった生理
できていると思い込み、接続時に輸
満たされているか必ず確認する。
食塩液のボトルを点滴架台に掛け、輸液
液ルートの先端まで薬液が満たされ
ルートを接続した。医師が滴下を確認し
ているか確認しなかった。
たところ、滴下速度があまりに速いため
違和感を覚えた。処置室に戻った看護師
が、準備途中の輸液ルートは先端まで薬
液を満たしていなかったと報告したため、
医師は、滴下筒下部から輸液ルート先端
までの空気が血管内に流入したことに気
付いた。すぐに投与を中止し、約10分間、
医師が患者を観察し、症状の出現がない
ことを確認した。その後、患者を検査機
器前まで移動させたところ、患者に咳嗽、
SpO2 92%までの低下がみられた。患者は
夕方まで頭を挙げない状態でのベッド上
安静、翌朝まで経過観察が必要と判断さ
れ、入院となった。
医療事故情報収集等事業
第 84 回 報 告 書
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