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医療事故情報収集等事業 第83回報告書 (77 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第83回報告書(12/25)《日本医療機能評価機構》 |
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【1】観血的医療行為前に休薬する薬剤に関連した事例(第44回報告書)−糖尿病治療薬−
■
再発・類似事例の分析
(7)まとめ
本報告書では、観血的医療行為前に休薬する薬剤に関連した事例について、第44回報告書集計期
間後の2016年1月以降に報告された事例を取りまとめ、このうち糖尿病治療薬の事例について分析
を行った。報告された糖尿病治療薬、観血的医療行為の種類、発生段階などを整理した。さらに、主
な事例を紹介し、医療機関から報告された事例の背景・要因と再発防止策をまとめて示した。
発生段階が「薬剤の把握」の事例では、内服薬の確認が漏れた事例の他にも、他の医療機関からの
紹介状に記載がなかった事例が報告されていた。休薬すべき薬剤が他の医療機関で処方されている場
合もあることを踏まえ、患者にお薬手帳を持参してもらい、確認していく必要がある。今後、マイナ
ンバーカードの健康保険証利用が拡大すれば、診療情報・薬剤情報が確認しやすくなることが期待さ
れる。将来的には、医療機関の間で患者の治療予定も共有できるシステムなども望まれる。発生段階
で最も多かった「休薬の判断」の事例では、その要因として観血的医療行為前に糖尿病治療薬の休薬
の必要性を認識していなかったことが多く挙げられていた。観血的医療行為を行う診療科に対し、抗
血栓薬以外に休薬する必要のある薬剤があることを周知しておくことは重要である。また、内服して
いる薬剤が糖尿病治療薬であると気付かなかった事例も報告されていた。糖尿病治療薬は種類が多様
である点や、一種類ではなく複数種類を内服している患者がいる点も要因として考えられる。
今回報告された事例は、休薬すべき時期は逸したものの、入院後の内服薬確認で休薬されていない
ことに気付き、観血的医療行為の延期または中止を検討できたものが多かった。しかし、予定してい
た治療の遅れや仕事を休むことなどによる社会生活への影響といった患者にとって不利益が生じた可
能性が考えられる。糖尿病治療薬は種類によって推奨される休薬期間が異なるため、休薬指示を出す
医師だけに限らず、薬剤師や看護師なども休薬する薬剤とその休薬期間を把握できるよう、医療機関
においては職員が確認しやすい方法で情報提供しておくとよい。一方で、休薬をしていないことに気
付かずに観血的医療行為を行った事例は、患者が乳酸アシドーシスを来す結果となった。入院前後の
内服薬について、継続・休薬を確認する仕組みを整備するとともに、観血的医療行為の前に休薬すべ
き糖尿病治療薬を継続するリスクを職員に周知することが重要である。
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
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