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医療事故情報収集等事業 第83回報告書 (57 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第83回報告書(12/25)《日本医療機能評価機構》 |
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【2】医師に血液検査のパニック値の連絡をしたが未対応となった事例
■
分析テーマ
(7)医療事故の再発防止に向けた提言
一般社団法人 日本医療安全調査機構では、2024年12月に医療事故の再発防止に向けた提言
第
4)
20号「血液検査パニック値に係る死亡事例の分析」 で、死亡に至った過程で血液検査パニック値
が関与していた事例を取り上げ、5つの提言を公表している。提言3【パニック値への対応】では、
「パニック値を報告された医師は、速やかにパニック値への対応を行い、記録する。また、医師がパ
ニック値へ対応したことを組織として確認する方策を検討することが望まれる」と記載されている。
本提言で取り上げられている事例についても参照いただきたい。
(8)まとめ
本テーマでは、血液検査の結果がパニック値であることを医師に連絡したが、医師が対応していな
かった7件の事例について分析を行った。事例の概要では、患者の外来/入院の区分や事例で報告さ
れたパニック値の検査項目を示した。事例の分析では、検査時の患者の状態と報告されたパニック値
や、未対応となった背景、患者への影響などを示した。さらに、主な事例を紹介し、医療機関から報
告された背景・要因と再発防止策をまとめて示した。患者の区分では、外来の事例が多く、その中に
は検査のためだけに来院した事例が報告されていた。診察の予定がない日に実施された血液検査の結
果がパニック値であった場合の対応については、あらかじめ院内で対応方針を整理し、外来のスタッ
フに周知しておく必要がある。
報告された事例はいずれもパニック値に対応しないまま外来診察を終了または退院しており、生命
が危ぶまれるほど危険な状態であるにもかかわらず対応が遅れたことで、患者への影響が大きくなっ
た可能性がある。患者が入院中であれば、医師だけでなく患者に関わる薬剤師や看護師なども検査値
を把握できるため、パニック値の有無と、対応されているかについても確認できるとよい。
電子カルテの検査結果画面において、パニック値が区別して表示されていなかった事例が報告され
ていた。他の検査結果と同じ表示では、緊急対応を要する検査値であることに気付くことができない
可能性もあるため、一目でパニック値であることがわかるような表示にしておくとよい。さらに、パ
ニック値である場合は、電子カルテを開いた際に「対応済」ボタンを押すまでポップアップが表示さ
れるようなアラート機能を搭載するなどの工夫が考えられる。
未対応となった背景を整理したところ、パニック値の連絡は行われていたが、報告を受けた側の医
師は、外来診察中などで多忙であり、報告を受けた記憶がなかった事例や、数値に対する危機感が共
有されなかった事例が報告されていた。臨床検査技師からの報告状況が詳細に記載された事例はな
かったが、臨床検査技師がパニック値であることを医師に報告する際、検査の数値だけでなく緊急対
応を要する検査値であることも伝えるなど、医師に確実に認識してもらえるような伝達の工夫が必要
である。また、パニック値の報告を受けた医師が外来主治医の忙しさに配慮して伝えていなかった事
例も報告されていた。パニック値は迅速かつ確実に対応する必要があるため、情報の共有は必須であ
ることを認識しておく必要がある。
報告された事例のうち、院内においてパニック値の報告後に対応したか確認する仕組みがあったの
は2事例のみで、医療安全管理室でカルテを確認し、パニック値への対応について記載がない場合は
医師に電話で連絡することになっている医療機関と、Hb5g/dL以下、グルコース40mg/dL以下、カ
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
– 52 –
【2】医師に血液検査のパニック値の連絡をしたが未対応となった事例
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分析テーマ
(7)医療事故の再発防止に向けた提言
一般社団法人 日本医療安全調査機構では、2024年12月に医療事故の再発防止に向けた提言
第
4)
20号「血液検査パニック値に係る死亡事例の分析」 で、死亡に至った過程で血液検査パニック値
が関与していた事例を取り上げ、5つの提言を公表している。提言3【パニック値への対応】では、
「パニック値を報告された医師は、速やかにパニック値への対応を行い、記録する。また、医師がパ
ニック値へ対応したことを組織として確認する方策を検討することが望まれる」と記載されている。
本提言で取り上げられている事例についても参照いただきたい。
(8)まとめ
本テーマでは、血液検査の結果がパニック値であることを医師に連絡したが、医師が対応していな
かった7件の事例について分析を行った。事例の概要では、患者の外来/入院の区分や事例で報告さ
れたパニック値の検査項目を示した。事例の分析では、検査時の患者の状態と報告されたパニック値
や、未対応となった背景、患者への影響などを示した。さらに、主な事例を紹介し、医療機関から報
告された背景・要因と再発防止策をまとめて示した。患者の区分では、外来の事例が多く、その中に
は検査のためだけに来院した事例が報告されていた。診察の予定がない日に実施された血液検査の結
果がパニック値であった場合の対応については、あらかじめ院内で対応方針を整理し、外来のスタッ
フに周知しておく必要がある。
報告された事例はいずれもパニック値に対応しないまま外来診察を終了または退院しており、生命
が危ぶまれるほど危険な状態であるにもかかわらず対応が遅れたことで、患者への影響が大きくなっ
た可能性がある。患者が入院中であれば、医師だけでなく患者に関わる薬剤師や看護師なども検査値
を把握できるため、パニック値の有無と、対応されているかについても確認できるとよい。
電子カルテの検査結果画面において、パニック値が区別して表示されていなかった事例が報告され
ていた。他の検査結果と同じ表示では、緊急対応を要する検査値であることに気付くことができない
可能性もあるため、一目でパニック値であることがわかるような表示にしておくとよい。さらに、パ
ニック値である場合は、電子カルテを開いた際に「対応済」ボタンを押すまでポップアップが表示さ
れるようなアラート機能を搭載するなどの工夫が考えられる。
未対応となった背景を整理したところ、パニック値の連絡は行われていたが、報告を受けた側の医
師は、外来診察中などで多忙であり、報告を受けた記憶がなかった事例や、数値に対する危機感が共
有されなかった事例が報告されていた。臨床検査技師からの報告状況が詳細に記載された事例はな
かったが、臨床検査技師がパニック値であることを医師に報告する際、検査の数値だけでなく緊急対
応を要する検査値であることも伝えるなど、医師に確実に認識してもらえるような伝達の工夫が必要
である。また、パニック値の報告を受けた医師が外来主治医の忙しさに配慮して伝えていなかった事
例も報告されていた。パニック値は迅速かつ確実に対応する必要があるため、情報の共有は必須であ
ることを認識しておく必要がある。
報告された事例のうち、院内においてパニック値の報告後に対応したか確認する仕組みがあったの
は2事例のみで、医療安全管理室でカルテを確認し、パニック値への対応について記載がない場合は
医師に電話で連絡することになっている医療機関と、Hb5g/dL以下、グルコース40mg/dL以下、カ
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
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