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医療事故情報収集等事業 第83回報告書 (36 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第83回報告書(12/25)《日本医療機能評価機構》 |
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2
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
③事例の内容
主な事例の内容と専門分析班の議論を紹介する。
図表Ⅲ-1-11
事例の内容(アレルギー・禁忌の薬剤の投与)
No. 区分
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
患者は甲状腺がんの術後1日目であっ ・ 電 子 カ ル テ に はNSAIDsが ・看護師は、薬剤を準備・投与する
際に、アレルギー情報の有無を必
アレルギーとして登録され
た。持参薬再開となったが、看護師は
ず確認する。
ていた。
患者より、鎮痛薬の錠剤が大きく、嚥
下時に痛みがあるため服薬困難である ・パスを適用した際に電子カ ・医師がパスを適用する際に、アレ
ルギー登録された薬剤をオーダで
ルテでアレルギーのチェッ
と言われた。看護師は、必要時指示の
きないようなシステムを構築する
クがされない仕組みであっ
1番目にあるロピオン静注50mgを定数
配置薬から準備し、ダブルチェックし
たため、医師は必要時指示
たうえで投与した。患者は既往歴にア
に組み込まれていたNSAIDs
スピリン喘息があり、アレルギー登録
を修正していなかった。
ことが望まれる。
がされており、カルテにもNSAIDs禁 ・看護師は、アレルギー登録
された薬剤があることを事
と記載されていた。看護師は事前にカ
医療事故情報
1
ルテを確認していたが、投与する際は
前に確認していたが、多重
失念していた。その後、医師より連絡
課題下の忙しい状況で失念
があり、アレルギー登録された薬剤を
した。
投与したことに気付いた。
専門分析班の議論
○本事例では、医師がパスを適用する際と看護師が薬剤を投与する際の二つの段階で確認ができていなかっ
たと考えられる。
○医師は、患者のアレルギー情報を確認しなかったか、あるいはパスにその薬剤が入っているのを知らな
かった可能性がある。
○看護師は、アレルギー登録された薬剤があることを事前に確認していたが、投与直前に確認しておらず、
失念していたのは残念であった。
○本事例ではパスを適用した際に電子カルテでアレルギーのチェックがされなかったが、アレルギーが登録さ
れている場合にパスを適用しようとすると、処方オーダ時と同様にアラートが出る仕組みを導入している医療
機関もある。
○NSAIDsなどのグループを設定してアレルギー登録ができる電子カルテのシステムであれば、パスの適用
時に制御できた可能性がある。個々の薬剤での設定しかできない電子カルテのシステムでは当該薬剤のア
レルギー登録がされていない限り制御できず、電子カルテの仕様や運用によって対策が異なる。
○日々の看護師業務を一覧にした帳票物(ワークシートや経過表など)にアレルギー情報を表示することも
一案である。
患者は人工股関節置換術後であった。 ・看護師は、パスの指示のみ ・患者に初めて使用する薬剤につい
てはDI情報を参照し、禁忌などの
を見て薬剤を準備した。
看護師は、パスの疼痛時指示に従っ
て、ロピオン静注50mgを準備した。 ・看護師はアスピリン喘息の
ヒヤリ・ハット事例
2
注意事項を必ず確認する。
先輩看護師より、患者はアスピリン喘
既往について把握できてい ・アレルギー情報を確認しておく。
息の既往があるため、ロピオン静注
なかった。
50mgは禁忌であることを指摘された。
専門分析班の議論
○パスに組み込まれている薬剤が禁忌となる疾患を除外基準にするという方法もある。しかし、委員の所属
する医療機関でこの方法を試行したところ除外はされず、期待した効果が得られなかった。
○医師はパスの適用基準/除外基準を見ていないことが多い。その要因として、電子カルテの画面では適用
基準/除外基準が表示されているスペースが小さい、スクロールしないと見えない、などの電子カルテの
仕様も考えられる。
○病棟薬剤師による監査に期待するという意見もあるが、人員体制などから限界があり、難しい場合もあ
る。むしろ、必要時指示に薬剤が禁忌となる疾患がない(例:喘息がない場合)といった使用条件を補記
して注意喚起を促すという方法もある。ただし、細かい使用条件はヒヤリ・ハットの要因となり得ること
から検討が必要である。
– 31 –
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
③事例の内容
主な事例の内容と専門分析班の議論を紹介する。
図表Ⅲ-1-11
事例の内容(アレルギー・禁忌の薬剤の投与)
No. 区分
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
患者は甲状腺がんの術後1日目であっ ・ 電 子 カ ル テ に はNSAIDsが ・看護師は、薬剤を準備・投与する
際に、アレルギー情報の有無を必
アレルギーとして登録され
た。持参薬再開となったが、看護師は
ず確認する。
ていた。
患者より、鎮痛薬の錠剤が大きく、嚥
下時に痛みがあるため服薬困難である ・パスを適用した際に電子カ ・医師がパスを適用する際に、アレ
ルギー登録された薬剤をオーダで
ルテでアレルギーのチェッ
と言われた。看護師は、必要時指示の
きないようなシステムを構築する
クがされない仕組みであっ
1番目にあるロピオン静注50mgを定数
配置薬から準備し、ダブルチェックし
たため、医師は必要時指示
たうえで投与した。患者は既往歴にア
に組み込まれていたNSAIDs
スピリン喘息があり、アレルギー登録
を修正していなかった。
ことが望まれる。
がされており、カルテにもNSAIDs禁 ・看護師は、アレルギー登録
された薬剤があることを事
と記載されていた。看護師は事前にカ
医療事故情報
1
ルテを確認していたが、投与する際は
前に確認していたが、多重
失念していた。その後、医師より連絡
課題下の忙しい状況で失念
があり、アレルギー登録された薬剤を
した。
投与したことに気付いた。
専門分析班の議論
○本事例では、医師がパスを適用する際と看護師が薬剤を投与する際の二つの段階で確認ができていなかっ
たと考えられる。
○医師は、患者のアレルギー情報を確認しなかったか、あるいはパスにその薬剤が入っているのを知らな
かった可能性がある。
○看護師は、アレルギー登録された薬剤があることを事前に確認していたが、投与直前に確認しておらず、
失念していたのは残念であった。
○本事例ではパスを適用した際に電子カルテでアレルギーのチェックがされなかったが、アレルギーが登録さ
れている場合にパスを適用しようとすると、処方オーダ時と同様にアラートが出る仕組みを導入している医療
機関もある。
○NSAIDsなどのグループを設定してアレルギー登録ができる電子カルテのシステムであれば、パスの適用
時に制御できた可能性がある。個々の薬剤での設定しかできない電子カルテのシステムでは当該薬剤のア
レルギー登録がされていない限り制御できず、電子カルテの仕様や運用によって対策が異なる。
○日々の看護師業務を一覧にした帳票物(ワークシートや経過表など)にアレルギー情報を表示することも
一案である。
患者は人工股関節置換術後であった。 ・看護師は、パスの指示のみ ・患者に初めて使用する薬剤につい
てはDI情報を参照し、禁忌などの
を見て薬剤を準備した。
看護師は、パスの疼痛時指示に従っ
て、ロピオン静注50mgを準備した。 ・看護師はアスピリン喘息の
ヒヤリ・ハット事例
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注意事項を必ず確認する。
先輩看護師より、患者はアスピリン喘
既往について把握できてい ・アレルギー情報を確認しておく。
息の既往があるため、ロピオン静注
なかった。
50mgは禁忌であることを指摘された。
専門分析班の議論
○パスに組み込まれている薬剤が禁忌となる疾患を除外基準にするという方法もある。しかし、委員の所属
する医療機関でこの方法を試行したところ除外はされず、期待した効果が得られなかった。
○医師はパスの適用基準/除外基準を見ていないことが多い。その要因として、電子カルテの画面では適用
基準/除外基準が表示されているスペースが小さい、スクロールしないと見えない、などの電子カルテの
仕様も考えられる。
○病棟薬剤師による監査に期待するという意見もあるが、人員体制などから限界があり、難しい場合もあ
る。むしろ、必要時指示に薬剤が禁忌となる疾患がない(例:喘息がない場合)といった使用条件を補記
して注意喚起を促すという方法もある。ただし、細かい使用条件はヒヤリ・ハットの要因となり得ること
から検討が必要である。
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医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書