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医療事故情報収集等事業 第83回報告書 (53 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第83回報告書(12/25)《日本医療機能評価機構》 |
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2
【2】医師に血液検査のパニック値の連絡をしたが未対応となった事例
■
分析テーマ
No.
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
入院の事例
【入院当日】
10:30
化学療法の目的で入院した患者
・今回の事例は、化学療法の副作用・ ・化学療法時に副作用のリスクの
ある患者については、患者の希
合併症である骨髄抑制から重症の細
に、担当看護師が採血を実施し、検査科へ
菌性肺炎を発症し、そこを契機に高
望 が あ っ て も、 一 定 期 間 の 入
提出した。13:15
浸透圧高血糖症候群を発症したこと
院・経過観察を検討する。
臨床検査技師から主治
パニック値であることを報告した(当院の
で、腎不全も合併しており、代謝性 ・電子カルテの検査結果の画面
で、パニック値は黄色で明示す
アシドーシスが急激に進行したと考
グ ル コ ー ス の パ ニ ッ ク 値 は500mg/dL以
える。
医へ電話にて、グルコースが518mg/dLで
上)
。臨床検査技師は、電子カルテに医師 ・化学療法については、血糖値が高い
ことを認識したとしても、実施せざ
に報告した旨の記録を行った。しかし、主
治医は対応していなかった。17:25
主治
目でパニック値であることがわ
かるようにした。
・パニック値の報告の際、臨床検
医が診察し、採血結果・X線画像を確認し ・抗がん剤の投与や、グルコースのパ
ニック値への対応が行われていな
たが、グルコースのパニック値には気付か
査技師は検査オーダ医師(不在
ず、抗がん剤の投与は可能と判断した。
かったことで、血糖コントロールが
値の項目とその数値を報告す
17:30
不十分となった。
る。報告時、臨床検査技師は検
薬剤師が化学療法の投与基準から
時は病棟看護師長)へパニック
の逸脱がないか血液検査データを確認し ・電子カルテの検査結果の画面では、
基準より低値であれば青色、高値で
た。薬剤師はグルコースが高値であること
査オーダ医師へ必ず復唱を求
を認識したがパニック値とは思わず、一時
あればピンク色の2種類の表示で、
値の項目とその数値を必ず復唱
的なものだと考え、医師や看護師へ情報提
パニック値であることの表示はな
する。
供しなかった。担当看護師は、入院当日の
く、多職種でパニック値の情報共有
検査結果を確認していなかった。
【入院翌日:化学療法実施当日】
3
るを得ない状態であった。
るようにシステムを変更し、一
ができていなかった。
・当日のグルコース値は、検査基準値
主治医が末梢静脈路を確保し、腎障害を考
範囲より高値としてピンク色で表示
慮してカルボプラチンを2段階減量して投
されていた。患者のグルコース値は
与した。
以前から高値であったため、長期間
【化学療法実施1日目】
ピンク色で表示されていた。またグ
10:30
主治医が診察し、発熱はなく、全
ルコースの項目の上下に表示されて
身状態良好で食欲もあり、他に化学療法の
いた検査項目も高値でピンク色の表
副作用の出現がないことを確認した。患者
示がされており、画面上ではグル
の希望を踏まえ、翌日の退院を許可した。
コース値がパニック値であることが
【化学療法実施2日目・退院日】
わかりにくかった。
担当看護師は患者に退院処方(デ ・患者のパニック値の報告があった
際、主治医は外来担当日で他の患者
カドロン錠4mg 0.5錠分1朝食後2日分)を
10:00
手渡した。その後、患者は退院した。
の対応中であったため、臨床検査技
【退院3日後】
師からの連絡を聞き漏らした、また
2:47 家族が自宅で倒れている患者を発見
は連絡を認識できなかった可能性が
し、救急要請した。4:15
あった。
当院へ救急搬送
された。その後、血液ガス分析を行ったと ・現状では、パニック値の報告後、対
応したかどうかを確認する仕組みや
ころ、代謝性アシドーシスが著明であり、
腎不全と診断し、輸液投与を開始した。
5:25
体制はない。
入院し、治療を継続したが、その
後、患者は死亡した。
【その後】
入院後24時間以内での死亡のため、医療
安全担当者が、患者の病状や状況を確認し
た際に、入院日にグルコースのパニック値
が報告されていたが、対応していなかった
ことが判明した。後日、主治医へ確認した
ところ、連絡を受けた記憶がなかった。
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
– 48 –
め、検査オーダ医師はパニック
【2】医師に血液検査のパニック値の連絡をしたが未対応となった事例
■
分析テーマ
No.
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
入院の事例
【入院当日】
10:30
化学療法の目的で入院した患者
・今回の事例は、化学療法の副作用・ ・化学療法時に副作用のリスクの
ある患者については、患者の希
合併症である骨髄抑制から重症の細
に、担当看護師が採血を実施し、検査科へ
菌性肺炎を発症し、そこを契機に高
望 が あ っ て も、 一 定 期 間 の 入
提出した。13:15
浸透圧高血糖症候群を発症したこと
院・経過観察を検討する。
臨床検査技師から主治
パニック値であることを報告した(当院の
で、腎不全も合併しており、代謝性 ・電子カルテの検査結果の画面
で、パニック値は黄色で明示す
アシドーシスが急激に進行したと考
グ ル コ ー ス の パ ニ ッ ク 値 は500mg/dL以
える。
医へ電話にて、グルコースが518mg/dLで
上)
。臨床検査技師は、電子カルテに医師 ・化学療法については、血糖値が高い
ことを認識したとしても、実施せざ
に報告した旨の記録を行った。しかし、主
治医は対応していなかった。17:25
主治
目でパニック値であることがわ
かるようにした。
・パニック値の報告の際、臨床検
医が診察し、採血結果・X線画像を確認し ・抗がん剤の投与や、グルコースのパ
ニック値への対応が行われていな
たが、グルコースのパニック値には気付か
査技師は検査オーダ医師(不在
ず、抗がん剤の投与は可能と判断した。
かったことで、血糖コントロールが
値の項目とその数値を報告す
17:30
不十分となった。
る。報告時、臨床検査技師は検
薬剤師が化学療法の投与基準から
時は病棟看護師長)へパニック
の逸脱がないか血液検査データを確認し ・電子カルテの検査結果の画面では、
基準より低値であれば青色、高値で
た。薬剤師はグルコースが高値であること
査オーダ医師へ必ず復唱を求
を認識したがパニック値とは思わず、一時
あればピンク色の2種類の表示で、
値の項目とその数値を必ず復唱
的なものだと考え、医師や看護師へ情報提
パニック値であることの表示はな
する。
供しなかった。担当看護師は、入院当日の
く、多職種でパニック値の情報共有
検査結果を確認していなかった。
【入院翌日:化学療法実施当日】
3
るを得ない状態であった。
るようにシステムを変更し、一
ができていなかった。
・当日のグルコース値は、検査基準値
主治医が末梢静脈路を確保し、腎障害を考
範囲より高値としてピンク色で表示
慮してカルボプラチンを2段階減量して投
されていた。患者のグルコース値は
与した。
以前から高値であったため、長期間
【化学療法実施1日目】
ピンク色で表示されていた。またグ
10:30
主治医が診察し、発熱はなく、全
ルコースの項目の上下に表示されて
身状態良好で食欲もあり、他に化学療法の
いた検査項目も高値でピンク色の表
副作用の出現がないことを確認した。患者
示がされており、画面上ではグル
の希望を踏まえ、翌日の退院を許可した。
コース値がパニック値であることが
【化学療法実施2日目・退院日】
わかりにくかった。
担当看護師は患者に退院処方(デ ・患者のパニック値の報告があった
際、主治医は外来担当日で他の患者
カドロン錠4mg 0.5錠分1朝食後2日分)を
10:00
手渡した。その後、患者は退院した。
の対応中であったため、臨床検査技
【退院3日後】
師からの連絡を聞き漏らした、また
2:47 家族が自宅で倒れている患者を発見
は連絡を認識できなかった可能性が
し、救急要請した。4:15
あった。
当院へ救急搬送
された。その後、血液ガス分析を行ったと ・現状では、パニック値の報告後、対
応したかどうかを確認する仕組みや
ころ、代謝性アシドーシスが著明であり、
腎不全と診断し、輸液投与を開始した。
5:25
体制はない。
入院し、治療を継続したが、その
後、患者は死亡した。
【その後】
入院後24時間以内での死亡のため、医療
安全担当者が、患者の病状や状況を確認し
た際に、入院日にグルコースのパニック値
が報告されていたが、対応していなかった
ことが判明した。後日、主治医へ確認した
ところ、連絡を受けた記憶がなかった。
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
– 48 –
め、検査オーダ医師はパニック