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医療事故情報収集等事業 第83回報告書 (44 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第83回報告書(12/25)《日本医療機能評価機構》 |
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2
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
No. 区分
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
虫垂炎の患者に膿瘍ドレナージ術を実施し ・看護師、主治医、薬剤師によ ・正しく処方オーダが出され
ヒヤリ・ハット事例
5
た。術後2日目より、パスに基づき抗菌薬を
るオーダの確認が不足してい
内服(朝昼夕食後)投与へ切り替えることに
た。
ているか確認する。
なっていたが、同系統の抗菌薬の注射薬オー
ダも出ていた。重複に気付かず、内服薬と注
射薬を投与した。
専門分析班の議論
○詳細な経緯は不明であるが、
主治医は患者の状態から抗菌薬の注射薬投与日数を延長していた可能性がある。
○薬剤師が注射薬と内服薬の重複に気付くことができればよいが、注射薬と内服薬のオーダ履歴画面や処方箋
が異なることから気付きにくく、他の医療機関でも起こり得る事例である。
(4)まとめ
本報告書では、クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例について、2024年1月~2025
年9月に報告された医療事故情報44件と、2025年4月~9月に報告されたヒヤリ・ハット事例53件の
概要を整理した。さらに、医療事故情報、ヒヤリ・ハット事例ともに報告が多かった薬剤に関する事
例について分析した。薬剤に関する事例では、医療事故情報の報告が多かった「アレルギー・禁忌の
薬剤の投与」と「腎機能障害がある患者に適さない薬剤の投与」を取り上げて分析し、主な背景・要
因、医療機関から報告された改善策、主な事例を専門分析班の議論とともに示した。また、その他の
主なヒヤリ・ハット事例として、「投与量間違い」「無投与」「重複投与」の事例を紹介した。
「アレルギー・禁忌の薬剤の投与」は、疼痛時指示の薬剤や抗菌薬などが報告されており、アレル
ギー・禁忌の情報が電子カルテに登録されていたが投与を防ぐことができなかった事例が多かった。
医療機関によって電子カルテシステムの仕様は様々であるが、パスの指示に関してアレルギー・禁忌
のアラートの仕組みがない場合には、医師がパスを適用する際や看護師が薬剤を投与する前に、アレ
ルギー・禁忌の情報を確認することが必要である。「腎機能障害がある患者に適さない薬剤の投与」
については、パスを適用する時点で患者の状態を確認し、適用の可否を判断することが重要である。
また、パスを作成する際や見直す際には、薬剤師が関わって薬剤に関する除外基準について検討して
おくことが望ましい。医療機関において、医療安全部門とパスの担当部門が連携し、より安全なパス
の作成・運用に向けて取り組むことが期待される。
本テーマは、次回の第84回報告書で引き続き取り上げることとしている。
(5)参考文献
1.一 般社団法人日本クリニカルパス学会 学術・出版委員会監修.総説クリニカルパス.サイエン
ティスト社.2023年11月.
– 39 –
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書
【1】クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例
■
分析テーマ
No. 区分
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
虫垂炎の患者に膿瘍ドレナージ術を実施し ・看護師、主治医、薬剤師によ ・正しく処方オーダが出され
ヒヤリ・ハット事例
5
た。術後2日目より、パスに基づき抗菌薬を
るオーダの確認が不足してい
内服(朝昼夕食後)投与へ切り替えることに
た。
ているか確認する。
なっていたが、同系統の抗菌薬の注射薬オー
ダも出ていた。重複に気付かず、内服薬と注
射薬を投与した。
専門分析班の議論
○詳細な経緯は不明であるが、
主治医は患者の状態から抗菌薬の注射薬投与日数を延長していた可能性がある。
○薬剤師が注射薬と内服薬の重複に気付くことができればよいが、注射薬と内服薬のオーダ履歴画面や処方箋
が異なることから気付きにくく、他の医療機関でも起こり得る事例である。
(4)まとめ
本報告書では、クリニカルパス/クリティカルパスに関連した事例について、2024年1月~2025
年9月に報告された医療事故情報44件と、2025年4月~9月に報告されたヒヤリ・ハット事例53件の
概要を整理した。さらに、医療事故情報、ヒヤリ・ハット事例ともに報告が多かった薬剤に関する事
例について分析した。薬剤に関する事例では、医療事故情報の報告が多かった「アレルギー・禁忌の
薬剤の投与」と「腎機能障害がある患者に適さない薬剤の投与」を取り上げて分析し、主な背景・要
因、医療機関から報告された改善策、主な事例を専門分析班の議論とともに示した。また、その他の
主なヒヤリ・ハット事例として、「投与量間違い」「無投与」「重複投与」の事例を紹介した。
「アレルギー・禁忌の薬剤の投与」は、疼痛時指示の薬剤や抗菌薬などが報告されており、アレル
ギー・禁忌の情報が電子カルテに登録されていたが投与を防ぐことができなかった事例が多かった。
医療機関によって電子カルテシステムの仕様は様々であるが、パスの指示に関してアレルギー・禁忌
のアラートの仕組みがない場合には、医師がパスを適用する際や看護師が薬剤を投与する前に、アレ
ルギー・禁忌の情報を確認することが必要である。「腎機能障害がある患者に適さない薬剤の投与」
については、パスを適用する時点で患者の状態を確認し、適用の可否を判断することが重要である。
また、パスを作成する際や見直す際には、薬剤師が関わって薬剤に関する除外基準について検討して
おくことが望ましい。医療機関において、医療安全部門とパスの担当部門が連携し、より安全なパス
の作成・運用に向けて取り組むことが期待される。
本テーマは、次回の第84回報告書で引き続き取り上げることとしている。
(5)参考文献
1.一 般社団法人日本クリニカルパス学会 学術・出版委員会監修.総説クリニカルパス.サイエン
ティスト社.2023年11月.
– 39 –
医療事故情報収集等事業
第 83 回 報 告 書