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提案書13(2402頁~2600頁) (191 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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②現在の診療報酬上の取扱い
・対象とする患者
・医療技術の内容
・点数や算定の留意事項

現在の「K939 画像等手術支援加算 1 ナビゲーションによるもの(2,000点)」の対象は、K055-2、K055-3、K080の1、K081の1、K082の1、
K082-3の1、K131-2、K134-2、K136、K140からK141-2まで、K142(6を除く)、K142-2の1及び2のイ、K142-3、K151-2、K154-2、K158、K161、
K167、K169からK172まで、K174の1、K191からK193まで、K235、K236、K313、K314、K340-3からK340-7まで、K342、K343、K350からK365まで、
K511の2、K513の2からK513の4まで、K514の2、K514-2の2、K695、K695-2及びK697-4に掲げる術式が明記されている。
さらに「K939 画像等手術支援加算 2 実物大臓器立体モデルによるもの(2,000点)」の対象は、K055-2、K055-3、K136、K142の6、K142-2、
K151-2、K162、K180、K227、K228、K236、K237、K313、K314の2、K406の2、K427、K427-2、K429、K433、K434及びK436からK444-2までに掲げる術
式が明記されている。
技術内容および留意事項として、以下の事項が明記されている。(1)画像等手術支援加算は、当該技術の補助により手術が行われた場合に算定
するものであり、当該技術が用いられた場合であっても、手術が行われなかった場合は算定できない。(2)ナビゲーションによるものとは、手
術前又は手術中に得た画像を3次元に構築し、手術の過程において、3次元画像と術野の位置関係をリアルタイムにコンピューター上で処理するこ
とで、手術を補助する目的で用いることをいう。(3)実物大臓器立体モデルによるものとは、手術前に得た画像等により作成された実物大臓器
立体モデルを、手術を補助する目的で用いることをいう。


診療報酬区分(再掲)
診療報酬番号(再掲)

939 1、939 2

医療技術名

画像等手術支援加算

1 ナビゲーションによるもの、2 実物大臓器立体モデルによるもの

腎部分切除術は小径の腎臓がんに対する根治治療となりうる術式であり、その非再発率は腎全摘術と同等であると国内外の学会のガイドラインに
明記されている(参考文献4)。さらに腎全摘術に比較して、患者の腎機能は温存されるため、CKD慢性腎疾患の進行および血液透析の導入を回避
治癒率、死亡率やQOLの改善等の長期予 することができる。さらに腎機能が温存されることによって、厳格な食事制限・生活制限は不要となり、患者のQOLも高く維持できる。
後等のアウトカム
しかし、一般的に腎部分切除術の合併症頻度は腎全摘よりも高い(約19%)(参考文献5)。今回提案する画像ナビゲーションおよび実物大臓器立
体モデルを用いて手術を支援することによって、周術期合併症の減少と術後の腎機能低下を極力回避できる(参考文献1,2,3)。

③再評価の根
拠・有効性

ガイドライン等での位置づけ

④普及性の変化
※下記のように推定した根拠

年間対象者数の
変化

年間実施回数の
変化等

令和元年社会医療診療行為別統計によると、令和元年(2019年)は、画像等手術支援加算K939 1およびK939 2の実施回数は、それぞれ年間86,508
回と1,260回(合計87,768回)、全国で実施されたと推計される。
一方、平成27年(2015年)の日本泌尿器科学会専門医教育施設における腎部分切除術の手術件数は、開腹2,218件、鏡視下2,586件、小切開483件
(合計5,287件)。2016年4月から保険適応となったロボット支援手術は1,551件。両者の合計は6,838件。そのうち実際にナビゲーションもしくは
実物大臓器立体モデル作成を行う複雑な症例を10%と仮定すると、年間約700回の増加と推定する。
さらに、平成27年(2015年)の日本泌尿器科学会専門医教育施設における腎臓がんに対する根治的腎全摘術の手術件数は、開腹3,128件、鏡視下
6,225件、小切開312件(合計9,665件)。そのうち、ナビゲーションもしくは実物大臓器立体モデル作成を行い、腎部分切除に変更できる症例を
5%と仮定すると、年間約500回の増加と推定する。

見直し前の症例数(人)

87,768

見直し後の症例数(人)

87,768+700+500=88,968

見直し前の回数(回)

87,768

見直し後の回数(回)

87,768+700+500=88,968

⑤医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

腎癌診療ガイドライン2017年版(日本泌尿器科学会編)では、腎部分切除術は根治的腎摘
ガイドライン等での記載あり(右欄に詳細を記載す
除術と同等の制癌性であり、腎機能温存の観点からは有用であり、推奨されると記載あ
る。)
り。

3次元画像の作成は、汎用画像診断装置ワークステーションを使用して作成するため、その操作に精通した知識と技術が必要である。実物大立体
モデルの作成についても同様に、精度の高い3Dプリンタを使用するため、その操作に精通した知識と技術が必要である。
手術(腎部分切除術等)は、専門性が高くかつ難易度の高い手術である。当該技術に習熟した医師による実施が求められる。

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体 泌尿器科を標榜する施設
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門 2名以上の医師(1名以上の専門医)、1名以上の看護師
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の 腎癌診療ガイドライン2017年版(日本泌尿器科学会編)(参考文献4)
要件)

⑥安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

腎部分切除術の合併症頻度は全体で19%、その内訳は尿漏(5.5%)、急性腎不全(1.3%)、腎周囲膿瘍(1.1%)、気胸(1.1%)、後腹膜血腫
(0.8%) (参考文献5)

⑦倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

問題なし

⑧点数等見直し
の場合

⑨関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(当該医療
技術を含む)

見直し前
見直し後
その根拠

特になし
特になし
特になし

区分

区分をリストから選択

番号
技術名

特になし
特になし

具体的な内容

特になし
減(-)

プラスマイナス

⑩予想影響額

予想影響額(円)

2,376,000,000

その根拠

【予想される当該技術に係る年間医療費の増加額】=【画像等手術支援加算2,000点×10円/点(20,000円)】×【適応拡大となった場合の年間
実施回数の増加分(1,200回)】=24,000,000円
【当該技術の保険収載に伴い減少すると予想される医療費】=2,400,000,000円
当該技術の保険収載に伴い、腎全摘除から腎部分切除(腎温存手術)に変更して透析導入を回避できる患者数を、前述のごとく年間500人と推計
する。一方、血液透析患者の医療費は患者一人当たり月400,000円、年間4,800,000円。つまり、年間4,800,000×500人=24億円の医療費減少とな
る。
24,000,000-2,400,000,000=-2,376,000,000円

備考

特になし

⑪算定要件の見直し等によって、新たに使用される医薬
品、医療機器又は体外診断薬

汎用画像診断装置ワークステーション
ノンメディカルシステムズ)など

⑫その他

特になし

Synapse Vincent (富士フィルム社)、ZIOSTATION2(ザイオソフト株式会社)、AZE Virtual Place(キヤ

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