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提案書13(2402頁~2600頁) (190 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険既収載技術用)
整理番号

367201

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

「K939 画像等手術支援加算 1 ナビゲーションによるもの(2,000点) 2 実物大臓器立体モデルによるもの(2,000点)」の腎部分切除術
(K773、K773-2、K773-3、K773-4、K773-5、K773-6、K769、K769-2、K769-3)への適応拡大
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
24泌尿器科

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

00なし
関連する診療科(2つまで)
00なし

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した
医療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)
「実績あり」の
場合、右欄も記
載する

提案当時の医療技術名

令和4年度

「K939 画像等手術支援加算 1 ナビゲーションによるもの(2,000点) 2 実物大臓器立体モデルによるもの(2,000点)」の腎部分切除術
(K773、K773-2、K773-3、K773-4、K773-5、K769、K769-2、K769-3)への適応拡大



追加のエビデンスの有無
診療報酬区分
診療報酬番号

再評価区分(複数選択可)


939 1、939 2
1-A

算定要件の見直し(適応)

1-B

算定要件の見直し(施設基準)

該当する場合、リストから○を選択

1-C

算定要件の見直し(回数制限)

該当する場合、リストから○を選択

2-A

点数の見直し(増点)

該当する場合、リストから○を選択

2-B

点数の見直し(減点)

該当する場合、リストから○を選択



項目設定の見直し

該当する場合、リストから○を選択



保険収載の廃止

該当する場合、リストから○を選択



新規特定保険医療材料等に係る点数

該当する場合、リストから○を選択



その他(1~5のいずれも該当しない)

該当する場合、リストから○を選択

「6

提案される医療技術の概要(200字以内)



その他」を選んだ場合、右欄に記載

術前のCT画像から3次元画像を編集し、さらに3Dプリンタで実物大の臓器立体モデルを作成する技術である。この技術によって、術者は切除すべ
き腫瘍と温存すべき正常な腎実質・血管・腎杯との複雑な位置関係を把握しやすくなる。より綿密な手術計画を立てることができる。術前に作成
した3次元画像・立体モデルと実際の手術所見を確かめながら操作することで、難度の高い手術を成功に導く技術である。

文字数: 188

再評価が必要な理由

「K939 画像等手術支援加算 1ナビゲーションによるもの、および2実物大臓器立体モデルによるもの」は、算定できる術式が指定されている。
これらは整形外科、脳神経外科、形成外科、肺外科、肝臓外科の術式で認められているが、泌尿器科の術式では現在認められていない。近年、泌
尿器科の難度の高い手術、とくに腎部分切除術などの鏡視下手術およびロボット支援手術において、ナビゲーションシステムおよび実物大臓器立
体モデルの有効性が世界的にも認知されており、その適応拡大が望まれる。適応拡大を要望する術式は、以下の8術式(①②③④⑤の対象疾患は
悪性腫瘍、⑥⑦⑧の対象疾患は良性腫瘍)である。①K773 腎(尿管)悪性腫瘍手術、②K773-2腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術、③K773-3腹腔
鏡下小切開腎(尿管)悪性腫瘍手術、④K773-4腎腫瘍凝固・焼灼術(冷凍凝固によるもの)、⑤K773-5腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支
援機器を用いるもの)、⑥K773-6腹腔鏡下尿管悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの)、⑦K769腎部分切除術、⑧K769-2腹腔鏡下腎
部分切除、⑨K769-3腹腔鏡下小切開腎部分切除術。

【評価項目】

①再評価すべき具体的な内容
(根拠や有効性等について記載)

(ここから)外保連試案データ--------------------------外保連試案費用(人件費+償還できない材料等):165,860円
外保連試案2022掲載ページ:360-361
外保連試案ID(連番):E61-1-1480
技術度:C 医師(術者含む):1 看護師:1 その他:1 所要時間(分):120
------------------------------------------------------------------(ここまで)
ナビゲーションシステムおよび実物大臓器立体モデルを用いた術前シミュレーションは、すでに整形外科、脳神経外科、形成外科、肺外科、肝臓
外科の手術で診療報酬点数が認められている。令和元年社会医療診療行為別統計によると、令和元年(2019年)は、ナビゲーションによるものは
年間約86,508回、実物大臓器立体モデルによるものは年間約1,260回、全国で実施されたと推計される。近年、泌尿器科の難度の高い手術におい
ても、その有効性が示されている。とくに小径の腎臓がんに対する標準的治療である腎部分切除術においては、国内外からその有効性を示す報告
が多数ある。
腎臓がんの根治的治療は腎全摘術であるが、腎全摘術は患者の総腎機能を確実に低下させ、多くの症例では手術直後からCKD慢性腎疾患のGrade3b
(GFR44未満)以上に悪化してしまう。これらの患者は将来的な透析導入予備群となる。そのため、近年のガイドラインでは、小径の腎臓がんで
あれば腎部分切除術で腎機能温存を試みるべきであると明記されるようになった。
一方、腎部分切除術は入念な手術計画と慎重な手術操作を必要とする難度の高い手術である。今回提案するナビゲーションおよび実物大臓器立体
モデルによる手術支援は、切除すべき腫瘍と温存すべき正常な腎実質・血管・腎杯の複雑な位置関係に関する術者の理解を補助し、手術操作の精
度を向上させることができる。とくに鏡視下手術において、その有効性は示されており、出血や尿漏といった術直後の合併症が減少することに
よって、輸血実施率と入院期間は減少し、結果的に手術に関連する医療費の削減も期待できる。そして、腎機能を温存できる症例が増えることに
よって、晩年に透析導入が必要となる患者数(透析予備群)は減少し、将来的な医療費の削減も期待できる。年々増え続ける透析患者数の足止め
の一役を担う技術である。
教育的観点においても、若手医師のトレーニングおよび患者自身の手術に対する理解の補助となり、十分なインフォームド・コンセントを得られ
る効果が期待できる。

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