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提案書13(2402頁~2600頁) (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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医療技術評価提案書(保険未収載技術用)
整理番号

※事務処理用

提案される医療技術名
申請団体名

357101
てんかんに対する機能的定位脳手術(破壊術)
一般社団法人

日本てんかん学会

主たる診療科(1つ)
提案される医療
技術が関係する
診療科

29脳神経外科
12神経内科

関連する診療科(2つまで)
22小児科

提案される医療技術又は提案される医療技術に類似した医
療技術の提案実績の有無



過去に提案した年度
(複数回提案した場合は、直近の年
度)

リストから選択

「実績あり」の
場合、右欄も記 提案当時の医療技術名
載する
追加のエビデンスの有無



提案される医療技術の概要
(200字以内)

薬剤抵抗性てんかんの患者に対して、定位的に複数の刺入経路から凝固用プローブを脳内に刺入し、てんかん病巣を温熱凝
固で破壊する手技。視床下部過誤腫や異所性灰白質、深部の皮質形成異常など、開頭手術では到達が難しい病変が対象とな
る。不随意運動症の治療として視床や基底核を対象に実施される従前の機能的定位脳手術(破壊術)に比べて穿刺の経路と
凝固数が多く、時間と労力を要する。

文字数: 182
対象疾患名

保険収載が必要な理由
(300字以内)

薬剤抵抗性てんかん

近年、てんかん外科の領域では低侵襲手術の導入が盛んとなってきている。診断技術の向上により、脳深部のてんかん焦点
が同定される機会が増えたことや、定位的頭蓋内脳波や脳深部刺激療法など定位的手技の応用が拡大していることが背景に
ある。機能的定位脳手術(破壊術)は、従来から不随意運動症に対して視床や基底核を対象に実施されてきた。しかし、て
んかんに対する焦点破壊術は治療対象となる部位が大きく、複数の刺入経路と凝固破壊巣を要するため、従来よりも時間と
労力を要する。したがって、てんかんに対する機能的定位脳手術は、別個に保険収載されることが望まれる。

文字数: 269
【評価項目】
①提案される医療技術の対象
・疾患、病態、症状、年齢等

てんかんのうち、薬物療法に抵抗性で、発作の原因となる部位が外科的治療の対象となりうるもの。あらゆる年齢層が対象
となりうる。

②提案される医療技術の内容
・方法、実施頻度、期間等
(具体的に記載する)

方法: 全身麻酔下ないし局所麻酔下に頭蓋を穿頭し、脳神経外科手術用ナビゲーションユニットもしくは定位手術ロボッ
トを用いて定位的に脳を穿刺して、ラジオ波発生装置等の熱凝固装置を用いて病巣を熱凝固する。病巣の範囲に応じて、穿
刺と凝固を複数回にわたって繰り返す。
頻度: 当該患者に対して原則一回。

③対象疾患に対
して現在行われ
ている医療技術
(当該医療技術
が検査等であっ
て、複数ある場
合は全て列挙す
ること)

区分



番号
医療技術名

154-2
顕微鏡使用によるてんかん手術

既存の治療法・検査法等の内容

全身麻酔下に開頭し、手術用顕微鏡を用いて、てんかんの原因となる病巣を切除する(焦点切除術、側頭葉切除術)。

④有効性・効率性
・新規性、効果等について③との比較
・長期予後等のアウトカム

研究結果
⑤ ④の根拠と
なる研究結果等

視床下部過誤腫や異所性灰白質、内側側頭葉、島皮質に存在する皮質形成異常など、脳の深部に存在するために従来の開頭
手術では到達困難であった部位に対し、低侵襲かつ正確な手術を行うことができる。開頭手術よりも麻痺や視野障害などの
合併症が低減する。もしくは、これまで治療困難であった症例に対して新たにてんかん外科治療の機会を与え、てんかんの
予後を改善する。視床下部過誤腫に対する治療においては、長期的に良好な予後が得られる事が報告されている。
視床下部過誤腫に対する定位温熱凝固術では、本邦より多数の症例の治療報告例がある(Epilepsia, 2021; 62: 26972706)。笑い発作に対して約90%、その他のてんかん発作に対して約80%の発作消失率であり、従来の脳神経外科治療(開頭
手術、内視鏡手術、ガンマナイフなど)の発作消失率(50-60%)に比較して高い治療効果を認めている。
島皮質てんかんに対する定位温熱凝固術では,発作消失率が53%と比較的良好であり、永続する神経合併症は5%であった
(Epilepsia, 2019; 60: 1565-1579)。一方、開頭手術で同部位を選択的に切除することは原則として困難であり、永続す
る神経合併症(麻痺)が最大40%程度に報告されている(J Neurosurg Pediatr 26: 543-551, 2020)。
システマティックレビューにおいて、同手技は内側側頭葉(34%)と島回(13%)に用いられることが多く、良好な発作転帰(発
作消失もしくは前兆のみ)が62%に得られ、永続する神経合併症率は2%とされている(Seizure 102: 113-119, 2022)。
4

ガイドライン等での位置づけ

現在改訂中で2024年発行予定の定位・機能神経外科ガイドライン
ガイドライン等での記載なし(右欄にガイドライン等の
第4版にて、「難治性てんかんに対する機能的定位脳手術(破壊
改訂の見込み等を記載する。)
術)の有効性」が収載される見込みである。

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