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提案書13(2402頁~2600頁) (125 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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「画像等手術支援加算 術中MRIによるもの」について
【技術の概要】 手術室に設置したMRIを用い、脳腫瘍摘出術中にMRI
を行う。残存腫瘍の位置や範囲、周囲組織との関係を正確に評価可能と
なる。従来の術中ナビゲーションでは脳変形によって克服困難であった誤
差を修正でき、様々な合併症の術中同定も可能とする。術中MRIは、摘出
率の向上のみならず、手術治療に高い安全性をもたらす技術である。

【対象疾患】脳腫瘍摘出術全般が適応であるが、特に神経膠腫など
脳内の浸潤腫瘍や下垂体腫瘍などの頭蓋底部腫瘍に対する手術が良
い適応である。日本脳神経外科学会統計によると、2017年度グリオーマ
手術件数3,392件、下垂体腺腫手術件数517件である。

A: 開頭後、脳はすでに変位し(➡)ているが、術中MRIで正確
に腫瘍範囲を同定(赤線の内側)。
B: 腫瘍摘出の進行に伴い、大きく変化する脳の変位および変
形による残存腫瘍の位置の変化と範囲を、術中MRIで正確に
評価同定することにより、腫瘍は全摘された。

<グリオーマの術中MRI画像>

【既存の治療法との比較】境界不鮮明な神経膠腫や狭術野の下垂体腫瘍では術後MRIで意図しない残存を認めるこ
とがあるが、術中MRIによって術中に残存腫瘍を確認し最大限の摘出が可能になり、術中出血や予想外の合併症も同定す
ることが可能となる。また、開頭後脳組織は大気圧や髄液の排出によって容易に変形変位するため従来の術前MRIを元にし
たこの脳の偏位が手術ナビゲーションは誤差となるが、術中MRIを元にしたナビゲーションはその誤差が小さく、リアルタイム
に実際の脳や病変、残存腫瘍、重要組織の位置を正確に知ることができる。これらにより、腫瘍摘出術の向上や合併症の
頻度の減少と安全性の向上、良好な予後が示されている。

【診療報酬上の取扱】第10部

手術

K169 K171-2 術中MRI加算

3,990点

【要望理由と概要】令和4年改訂において、術中MRI装置の一般的名称が永久磁石式全身用MR装置となり、超電導式全
身用MR装置は含まれなかった(保医発0304第11号「特定診療報酬算定医療機器の定義」) 。令和3年12月に保険収載された企
業からの永久磁石式全身用MR装置に関するC2保険適応書が反映された。全国的に全機種(永久磁石式18施設、超電導式16
施設)が稼働していることに鑑み、超電導磁石式全身用MR装置も含めた定義として、超電導磁石式全身用MR装置も定義とし
て加える一般的名称の改訂を要望する。
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