よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (74 ページ)

公開元URL
出典情報 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。



【1】透析前の体重測定の誤り(医療安全情報No.122)


再発・類似事例の分析

(3)事例の内容
主な事例を紹介する。
図表Ⅳ-1-12
No.

事例の内容
事例の詳細

事例の背景・要因

再発防止策

実際の体重よりも多かったことにより過除水となった事例
右シャルコー関節で入院中の患者が、9時20 ・もともと使用していた車椅子用体重 ・ドライウェイトからの増加が
普段と比べて多い場合は、体
計が故障し、修理が完了していな
分に透析室へ入室した。入室後、チェア用体
重を再測定する。
かったため、臨時でチェア用体重計
重計で体重測定を行ったところ、92.3kgと
表示され、そこからバルキー固定に使用して

・今後、チェア用体重計を使用

を使用した。

いる包帯300g分を引いた92.0kgを透析前体 ・患者は右足の術後でふらつきがあっ
たため、チェア用体重計に乗る際に
重と設定した。ドライウェイトから5.2kg増
加しており、普段より多いため患者に確認す

3名の看護師が見守っており、測定

ると、
「これくらい増えることもある。増加

時に人やものが触れていた可能性が

が多い時は1200mL/hで除水し、30分追加

ある。

しない。

することもある。
」と返答があった。サテラ ・体重増加が多かったが、患者からの
情報とサマリの記載から、測定した
イトクリニックのサマリにも、体重増加は
3.0~5.5kgと記載があったため、再測定せ

体重が正しいと判断した。

ず、総除水量を5300mLと設定し、10時20 ・入院中は普段と食事摂取量が異なる
可能性があり、サテライトクリニッ
分、透析を開始した。透析中の血圧低下で除

1

水速度を緩めたこと、静脈圧が高く、予定時

クに通院している時の体重増加量と

間まで透析を行えなかったことから、開始後

入院中の体重増加量は同量ではない

3時間43分、総除水量2880mLの時点で終了

可能性があることを考えなかった。

した。返血・補液分の約200mLを戻し、終 ・透析実施前のタイムアウトで体重増
加が多いことを他のスタッフと共有
了時の体重を開始前と同様にチェア用体重計
で測定したところ、86.3kgと表示された。

しなかった。

包帯300g分を除いた終了時の体重は89.0kg ・透析中に血圧低下があったが、除水
速度が普段より速いためだと思い込
になるはずであったが、86.0kg(車椅子用
体重計で85.9kg、スケールベッドの体重で

み、過除水の可能性に気付かなかっ

86.2kg)であった。いずれも終了時の予定

た。

体重と約3kgの差があり、ドライウェイトよ
り800g過除水となったことがわかった。患
者に、透析前の体重が誤っていたこと、過除
水になってしまったことを説明し、謝罪し
た。透析当番医に経緯と終了時のバイタルサ
インは異常がないことを報告し、患者は病棟
へ帰室した。週明けにシャント血管の狭窄が
わかり、経皮的血管形成術を施行することに
なった。

– 69 –

医療事故情報収集等事業

第 85 回 報 告 書