よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (10 ページ)

公開元URL
出典情報 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第85回報告書について



事例の分析

(1)分析テーマ
報告書の「Ⅲ−2

分析テーマ」では、①テーマに該当するヒヤリ・ハット事例を収集し、医療

事故情報と総合して行う分析や、②報告書の分析対象期間(2025年10月~2026年3月)に報告さ
れた医療事故情報の中からテーマを設定し、過去の報告事例と併せて行う分析を行うこととしてい
る。
本報告書では、②のテーマとして、
「注射薬の投与間隔間違いに関連した事例」「入院中の患者が
義歯を誤飲・誤嚥した事例」を取り上げて分析を行った。なお、①のテーマとして、2025年10月
~2026年3月に「職種経験1年未満の看護師の薬剤に関連した事例」をテーマに設定してヒヤリ・
ハット事例を収集しており、第86回報告書から掲載予定である。
次に、分析テーマの概要を紹介する。
1)注射薬の投与間隔間違いに関連した事例
近年、週1回投与や月1回投与をはじめ、半年に1回、さらには年1回投与といった長時間作用
性の注射薬が増加している。その背景として、長期にわたり慢性疾患の管理を必要とする患者が
増え、継続的かつ確実な治療が求められていることが挙げられる。また、製剤技術の進歩によ
り、少ない投与回数で効果を維持できる薬剤の開発が可能となったことも背景の一つである。
これらの注射薬は、患者にとって通院回数や自己管理の負担が軽減され、治療の継続性が向上
するという利点がある。一方、投与間隔が長いことにより、前回投与日が把握されにくく、予定
より早期の再投与や投与忘れなどの投与間隔間違いが起こるリスクがある。本事業には、これら
の注射薬の投与間隔間違いの事例が報告されている。
本報告書の分析対象期間(2025年10月~2026年3月)に、前立腺がんの治療の際、24週ごと
に投与するリュープリンPRO注射用キット22.5mgを前回から1ヶ月後に投与した事例が報告さ
れた。そこで、1週間以上投与間隔を空ける注射薬に関連した事例を過去に遡って検索し、投与
間隔間違いについて分析した。
事例の概要では、報告された薬剤、入院・外来の患者区分、事例に関わった職員の職種と職種
経験年数などを整理した。発生段階は、医師による処方・指示の間違いが15件中12件と最も多
く、その他に投与日の調整の間違いや保険薬局における調剤間違いの事例が報告されていた。事
例の分析では、発生段階のうち報告が多かった処方・指示間違いの事例を取り上げ、報告された
薬剤と処方・指示を誤った内容や、発見の契機を示した。さらに、主な事例を紹介し、事例の背
景・要因、医療機関から報告された再発防止策を整理した。また、その他の事例として、保険薬
局における調剤間違いの事例を紹介した。
報告された薬剤は、週1回から24週に1回までの投与間隔のものがあり、薬効も多様であっ
た。これらの薬剤は、投与日の正確な把握が必要であることから、投与前に前回の投与記録や次
回の予定を確認し、投与した際には必ずカルテに記載することが重要である。
投与間隔が短くなった事例は、薬剤師・看護師が発見した事例や、患者の家族からの質問など

–5–

医療事故情報収集等事業

第 85 回 報 告 書