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医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (55 ページ)

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出典情報 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》
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【2】入院中の患者が義歯を誤飲・誤嚥した事例


分析テーマ

No.

事例の詳細

事例の背景・要因

再発防止策

偶発的に義歯の誤飲・誤嚥に気付いた
80歳代の患者は、18日前から誤嚥性肺炎で入院 ・各勤務帯で義歯の確認が不十 ・各勤務帯で義歯を確認し、記
録する。
分であった。
し、7日前からミキサー食が開始となった。3日前、
肺の評価のために胸部X線検査を行い、異常所見は ・患者が自分で義歯を装着して ・患者が義歯を誤飲する可能性
をアセスメントする。
誤飲した可能性がある。
が保管されていることを確認した。前日、日勤帯看 ・患者はアルツハイマー型認知 ・ベッド周囲の環境を整備す
る。
症であった。
護師Aは上下部分義歯があることを確認したが、夜
なかった。2日前、日勤帯看護師Aは上下部分義歯

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勤帯看護師Bは翌朝まで義歯の確認はしなかった。 ・義歯専用のケースではなく、
透明な検体容器に水を入れて
事例発生当日の9時頃、肺炎の評価のために胸部X
線検査を行った際に、食道に義歯のような人工物を

保管していたため、患者から

認めた。上部消化管内視鏡で観察した結果、部分義

義歯が見える状態であった。

歯が食道に引っ掛かっている状態であった。無理に ・患者の手が届くところに義歯
が入った容器を置いていた。
引くと食道が裂ける可能性があったため、義歯を胃
内に落とし、腹腔鏡下手術で摘出した。
70歳代の患者は化学療法中で、経口摂取量の低下に ・病棟看護師は患者の義歯の有 ・入院時には、義歯などの患者
の装着物の確認を徹底し、記
無や数について正確に把握で

よる腎障害で加療中であった。嚥下機能が低下して

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おり、誤嚥性肺炎を併発していた。入院12日目に嚥

きておらず、記録もしていな

下機能評価のため耳鼻咽喉科を受診したところ、咽

かった。

録に残す。
・意識レベルがクリアでない患

頭に義歯があることが判明した。外来処置室での摘 ・吸引時や口腔ケア時に口腔内

者や、義歯などの自己管理が

出は困難であり、ICUへ入室して鎮静下で異物除去

の観察を行っていたが、各勤

できない患者に関しては、各

の処置が施行された。

務帯での義歯の装着の有無は

勤務帯での確認を徹底する。

確認しておらず、いつ誤飲し
たかは把握できなかった。
患者が義歯を誤飲したと医療者に伝えた
8時頃、40歳代の統合失調症の患者から看護師に、 ・患者の義歯使用は、基本情報 ・認知機能障害や意識障害下で
誤飲が生じた際など、患者か
として把握していたが、具体
らの聴取ができない場合もあ
的な形状については受け持ち
んだ」と報告があった。腹痛などの自覚症状はなかっ

「朝食摂取時に誤って食事と一緒に差し歯を飲み込

た。8時40分、看護師は病棟医に報告した。8時50

看護師しか把握しておらず、

るため、基本情報として、義

分、病棟医が患者に飲み込んだものの形状を尋ね、

全ての病棟スタッフが把握し

歯についての情報収集を行っ

歯3本分の義歯であることを確認した。病棟医から

ているわけではなかった。

ておく。

患者に、飲み込んだ義歯の所在確認のためX線検査 ・患者は義歯を適切に管理でき ・義歯の誤飲は、自然排出でき
ることもあるが、嵌頓、穿孔
る程度の生活能力・認知機能
が必要であることを説明した。9時頃、胸腹部X線検
などの重篤な合併症が生じる
を有しており、特段の支援の
査を実施し、胃内に義歯が確認され、消化器内科医
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師にコンサルトした。消化器内科医師は、義歯はあ

必要はなかったため、義歯の

リスクもあるため、発見した

る程度の大きさがあり両端が鉤状であることから、

詳細の情報共有はしていな

際にはできるだけ早期に検査

消化管内で引っかかり、潰瘍や穿孔をきたす可能性

かった。

し、消化器内科などに相談す

る。
があるため早期に内視鏡下で摘出することを勧め ・患者は「差し歯」と表現した
ため、当初は小さく自然排出 ・単純X線検査は迅速に実施で
た。しかし、当院には処置用のデバイスがないこと、
き る が、 誤 飲 し たものの材
が容易なものを想定していた
内視鏡室と手術室の位置関係や人員などの体制か
ら、合併症が生じた際に対応が困難であることから

が、実際には嵌頓や穿孔のリ

質、誤飲からの時間経過など

院内での処置は困難であると判断され、他院で処置

スクのある義歯であった。

によっては、形状や場所の特

することとなった。帰院後、歯科医師と摂食・嚥下

定のためにCT検査の実施を

障害看護認定看護師から義歯の使用禁止が指示さ

検討する。

れ、食事形態がきざみ食に変更された。

医療事故情報収集等事業

第 85 回 報 告 書

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