よむ、つかう、まなぶ。
医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (59 ページ)
出典
| 公開元URL | |
| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
2
【2】入院中の患者が義歯を誤飲・誤嚥した事例
■
分析テーマ
(7)まとめ
本テーマでは、入院中の患者が取り外し可能な義歯を誤飲・誤嚥した事例30件について分析した。
事例の概要では、患者の年齢や性別、患者への影響などを示した。事例の分析では、誤飲・誤嚥した
義歯が発見された部位や、義歯を摘出するために実施した処置・対応を整理した。さらに、義歯を誤
飲・誤嚥していることが判明した契機で事例を分類し、分析した。
誤飲・誤嚥した義歯は消化管内視鏡を使用して摘出した事例が多かった。多くの医療機関は自施設
で摘出処置を行っていたが、自施設では摘出処置が行えず他施設へ紹介して摘出処置を行った事例も
報告されており、患者への影響は大きいことが示唆される。
患者が義歯を誤飲・誤嚥していることが判明した契機で最も多かったのは、義歯の紛失に気付き、
誤飲・誤嚥を疑って検査した事例であった。医療者が義歯の紛失に気付いた場面は、食事摂取後の口
腔ケア時が多く、食事中に義歯が何らかの要因で外れてしまい飲み込んでしまった可能性が考えられ
る。医療者は、患者が装着している義歯が患者に適合しているか、破損やぐらつきの有無がないかな
どを十分に確認する必要がある。また、紛失に気付いた時点で誤飲・誤嚥を疑い、速やかに検査を行
うことも必要である。時間の経過とともに義歯が摘出困難な状況になり、より患者への侵襲が大きく
なる可能性がある。判明した契機で次に多かったのは、偶発的に義歯の誤飲・誤嚥に気付いた事例
で、患者の状態確認のために撮影した胸部X線画像に義歯が写っていたことから誤飲・誤嚥が判明し
ていた。偶発的に判明した事例の多くは、義歯を紛失していること自体に医療者が気付いておらず、
義歯の管理状況が不十分であった可能性が考えられる。取り外しのできる義歯は、定期的に装着状況
や所在の確認を行うことが重要である。
事例の背景・要因は、入院時の患者基本情報として、義歯の形状、数などの情報が正確でなかった
ことや、記録が不十分であったことなど、情報の収集内容や医療者間での情報共有が不十分であった
ことが報告されていた。また、医療者は、患者が義歯を誤飲・誤嚥することを想定していなかったと
いう報告もあった。医療者は患者が義歯を誤飲・誤嚥するリスクを認識し、正確な情報収集と情報共
有の方法を明確にし、実践する必要がある。
患者の病状に伴い、食事摂取状況の変化や食事形態の変更があった場合、それに合わせて義歯の装
着の可否もその都度検討する必要がある。入院時の患者基本情報の記録を行うとともに、患者の状況
に応じて変更した対応を正確に記録して共有することや、管理方法などについて看護計画に適時反映
することが必要である。今一度、入院時における患者の義歯の情報収集方法や、入院中の患者の義歯
の確認方法などを見直し、義歯の誤飲・誤嚥の防止につながるような手順の検討を行っていただきた
い。
(8)参考文献
1.厚生労働省.令和6年歯科疾患実態調査結果の概要.令和7年12月修正版.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17b.html(参照2026-04-10)
医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書
– 54 –
【2】入院中の患者が義歯を誤飲・誤嚥した事例
■
分析テーマ
(7)まとめ
本テーマでは、入院中の患者が取り外し可能な義歯を誤飲・誤嚥した事例30件について分析した。
事例の概要では、患者の年齢や性別、患者への影響などを示した。事例の分析では、誤飲・誤嚥した
義歯が発見された部位や、義歯を摘出するために実施した処置・対応を整理した。さらに、義歯を誤
飲・誤嚥していることが判明した契機で事例を分類し、分析した。
誤飲・誤嚥した義歯は消化管内視鏡を使用して摘出した事例が多かった。多くの医療機関は自施設
で摘出処置を行っていたが、自施設では摘出処置が行えず他施設へ紹介して摘出処置を行った事例も
報告されており、患者への影響は大きいことが示唆される。
患者が義歯を誤飲・誤嚥していることが判明した契機で最も多かったのは、義歯の紛失に気付き、
誤飲・誤嚥を疑って検査した事例であった。医療者が義歯の紛失に気付いた場面は、食事摂取後の口
腔ケア時が多く、食事中に義歯が何らかの要因で外れてしまい飲み込んでしまった可能性が考えられ
る。医療者は、患者が装着している義歯が患者に適合しているか、破損やぐらつきの有無がないかな
どを十分に確認する必要がある。また、紛失に気付いた時点で誤飲・誤嚥を疑い、速やかに検査を行
うことも必要である。時間の経過とともに義歯が摘出困難な状況になり、より患者への侵襲が大きく
なる可能性がある。判明した契機で次に多かったのは、偶発的に義歯の誤飲・誤嚥に気付いた事例
で、患者の状態確認のために撮影した胸部X線画像に義歯が写っていたことから誤飲・誤嚥が判明し
ていた。偶発的に判明した事例の多くは、義歯を紛失していること自体に医療者が気付いておらず、
義歯の管理状況が不十分であった可能性が考えられる。取り外しのできる義歯は、定期的に装着状況
や所在の確認を行うことが重要である。
事例の背景・要因は、入院時の患者基本情報として、義歯の形状、数などの情報が正確でなかった
ことや、記録が不十分であったことなど、情報の収集内容や医療者間での情報共有が不十分であった
ことが報告されていた。また、医療者は、患者が義歯を誤飲・誤嚥することを想定していなかったと
いう報告もあった。医療者は患者が義歯を誤飲・誤嚥するリスクを認識し、正確な情報収集と情報共
有の方法を明確にし、実践する必要がある。
患者の病状に伴い、食事摂取状況の変化や食事形態の変更があった場合、それに合わせて義歯の装
着の可否もその都度検討する必要がある。入院時の患者基本情報の記録を行うとともに、患者の状況
に応じて変更した対応を正確に記録して共有することや、管理方法などについて看護計画に適時反映
することが必要である。今一度、入院時における患者の義歯の情報収集方法や、入院中の患者の義歯
の確認方法などを見直し、義歯の誤飲・誤嚥の防止につながるような手順の検討を行っていただきた
い。
(8)参考文献
1.厚生労働省.令和6年歯科疾患実態調査結果の概要.令和7年12月修正版.
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/62-17b.html(参照2026-04-10)
医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書
– 54 –