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医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (44 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》 |
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【1】注射薬の投与間隔間違いに関連した事例
■
分析テーマ
(5)まとめ
本テーマでは、1週間以上投与間隔を空ける注射薬を対象として、投与間隔間違いの事例15件につ
いて分析を行った。事例の概要では、報告された薬剤、入院・外来の患者区分、事例に関わった職員
の職種と職種経験年数などを整理した。発生段階は、医師による処方・指示の間違いが15件中12件
と最も多く、その他に投与日の調整の間違いや保険薬局における調剤間違いの事例が報告されてい
た。事例の分析では、発生段階のうち報告が多かった処方・指示間違いの事例を取り上げ、報告され
た薬剤と処方・指示を誤った内容や、発見の契機を示した。さらに、主な事例を紹介し、事例の背
景・要因、医療機関から報告された再発防止策を整理した。また、その他の事例として、保険薬局に
おける調剤間違いの事例を紹介した。
報告された薬剤は、週1回から24週に1回までの投与間隔のものがあり、薬効も多様であった。こ
れらの薬剤は、投与日の正確な把握が必要であることから、投与前に前回の投与記録や次回の予定を
確認し、投与した際には必ずカルテに記載することが重要である。
投与間隔が短くなった事例は、薬剤師・看護師が発見した事例や、患者の家族からの質問などによ
り気付いた事例が報告されていた。処方・指示を出す医師以外の職種が発見することが多かったこと
から、治療に関わる多職種で薬剤の知識を持ち、投与間隔を確認することは重要な取り組みである。
特に、薬剤師による投与間隔の確認ができる体制を整備することが望まれる。一方、投与間隔が長く
なった事例は、患者に症状の出現や悪化などの影響が出たことが契機となった事例が多かった。投与
間隔間違いは患者に重大な影響を及ぼすおそれがあることを改めて認識する必要がある。
事例の背景・要因では、薬剤に関する知識不足が入院の事例で多く挙げられていた。入院前は他の
診療科で投与されていた薬剤であっても、入院中は主治医が処方・指示を出すことがある。また、骨
粗鬆症や骨転移に対しては、様々な診療科で対応し、薬剤を投与することがある。日常的に取り扱う
ことが少ない薬剤については、医師は処方・指示する際、看護師は準備する際に、添付文書を確認す
ること、疑問点がある場合には薬剤師へ相談・確認することが必要である。さらに、外来から入院へ
の移行や入院中の転科・転棟など、診療の場が移る際に情報共有を適切に行うことが重要である。
また、投与間隔が表示されたカードや、投与日を記載してお薬手帳に貼付するシールなど、患者向
け資材を活用することも有効な取り組みの一つである。そのためには、投与日や投与間隔に関する情
報共有の重要性を患者にわかりやすく説明し、これらの資材を医療機関や保険薬局に持参するよう促
して協力を得ることが、患者の医療への参加という観点からも重要である。
1週間、1ヶ月、1年など投与間隔が長い薬剤は、患者の通院の負担を軽減し、服薬管理がしやすい
という利点があり、今後さらに増えていく可能性が高い。これらの薬剤を用いて適切な治療を行うた
めには、多職種が薬剤の特性を理解するとともに、投与のスケジュールを共有できる体制を構築する
ことが望ましい。加えて、製薬企業においても、投与間隔間違いを防止するための周知や、製品や包
装の表示の工夫、患者向け資材の充実などが期待される。
– 39 –
医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書
【1】注射薬の投与間隔間違いに関連した事例
■
分析テーマ
(5)まとめ
本テーマでは、1週間以上投与間隔を空ける注射薬を対象として、投与間隔間違いの事例15件につ
いて分析を行った。事例の概要では、報告された薬剤、入院・外来の患者区分、事例に関わった職員
の職種と職種経験年数などを整理した。発生段階は、医師による処方・指示の間違いが15件中12件
と最も多く、その他に投与日の調整の間違いや保険薬局における調剤間違いの事例が報告されてい
た。事例の分析では、発生段階のうち報告が多かった処方・指示間違いの事例を取り上げ、報告され
た薬剤と処方・指示を誤った内容や、発見の契機を示した。さらに、主な事例を紹介し、事例の背
景・要因、医療機関から報告された再発防止策を整理した。また、その他の事例として、保険薬局に
おける調剤間違いの事例を紹介した。
報告された薬剤は、週1回から24週に1回までの投与間隔のものがあり、薬効も多様であった。こ
れらの薬剤は、投与日の正確な把握が必要であることから、投与前に前回の投与記録や次回の予定を
確認し、投与した際には必ずカルテに記載することが重要である。
投与間隔が短くなった事例は、薬剤師・看護師が発見した事例や、患者の家族からの質問などによ
り気付いた事例が報告されていた。処方・指示を出す医師以外の職種が発見することが多かったこと
から、治療に関わる多職種で薬剤の知識を持ち、投与間隔を確認することは重要な取り組みである。
特に、薬剤師による投与間隔の確認ができる体制を整備することが望まれる。一方、投与間隔が長く
なった事例は、患者に症状の出現や悪化などの影響が出たことが契機となった事例が多かった。投与
間隔間違いは患者に重大な影響を及ぼすおそれがあることを改めて認識する必要がある。
事例の背景・要因では、薬剤に関する知識不足が入院の事例で多く挙げられていた。入院前は他の
診療科で投与されていた薬剤であっても、入院中は主治医が処方・指示を出すことがある。また、骨
粗鬆症や骨転移に対しては、様々な診療科で対応し、薬剤を投与することがある。日常的に取り扱う
ことが少ない薬剤については、医師は処方・指示する際、看護師は準備する際に、添付文書を確認す
ること、疑問点がある場合には薬剤師へ相談・確認することが必要である。さらに、外来から入院へ
の移行や入院中の転科・転棟など、診療の場が移る際に情報共有を適切に行うことが重要である。
また、投与間隔が表示されたカードや、投与日を記載してお薬手帳に貼付するシールなど、患者向
け資材を活用することも有効な取り組みの一つである。そのためには、投与日や投与間隔に関する情
報共有の重要性を患者にわかりやすく説明し、これらの資材を医療機関や保険薬局に持参するよう促
して協力を得ることが、患者の医療への参加という観点からも重要である。
1週間、1ヶ月、1年など投与間隔が長い薬剤は、患者の通院の負担を軽減し、服薬管理がしやすい
という利点があり、今後さらに増えていく可能性が高い。これらの薬剤を用いて適切な治療を行うた
めには、多職種が薬剤の特性を理解するとともに、投与のスケジュールを共有できる体制を構築する
ことが望ましい。加えて、製薬企業においても、投与間隔間違いを防止するための周知や、製品や包
装の表示の工夫、患者向け資材の充実などが期待される。
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医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書