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医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (13 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》 |
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第85回報告書について
可能な義歯を誤飲・誤嚥した事例(歯科治療中は除く)を過去に遡って検索し、分析した。
事例の概要では患者の年齢や性別、患者への影響などを示した。事例の分析では、義歯が誤
飲・誤嚥されていた部位や、摘出するために実施した処置・対応を整理し、義歯を誤飲・誤嚥し
ていることが判明した契機別に分析した。
誤飲・誤嚥した義歯は消化管内視鏡を使用して摘出した事例が多かった。多くの医療機関は自
施設で摘出処置を行っていたが、自施設では摘出処置が行えず他施設へ紹介して摘出処置を行っ
た事例も報告されており、患者への影響は大きいことが示唆される。
患者が義歯を誤飲・誤嚥していることが判明した契機で最も多かったのは、義歯の紛失に気付
き、誤飲・誤嚥を疑って検査した事例であった。医療者が義歯の紛失に気付いた場面は、食事摂
取後の口腔ケア時が多く、食事中に義歯が何らかの要因で外れてしまい飲み込んでしまった可能
性が考えられる。医療者は、患者が装着している義歯が患者に適合しているか、破損やぐらつき
の有無がないかなどを十分に確認する必要がある。また、紛失に気付いた時点で誤飲・誤嚥を疑
い、速やかに検査を行うことも必要である。時間の経過とともに義歯が摘出困難な状況になり、
より患者への侵襲が大きくなる可能性がある。判明した契機で次に多かったのは、偶発的に義歯
の誤飲・誤嚥に気付いた事例で、患者の状態確認のために撮影した胸部X線画像に義歯が写って
いたことから誤飲・誤嚥が判明していた。偶発的に判明した事例の多くは、義歯を紛失している
こと自体に医療者が気付いておらず、義歯の管理状況が不十分であった可能性が考えられる。取
り外しのできる義歯は、定期的に装着状況や所在の確認を行うことが重要である。
事例の背景・要因は、入院時の患者基本情報として、義歯の形状、数などの情報が正確でな
かったことや、記録が不十分であったことなど、情報の収集内容や医療者間での情報共有が不十
分であったことが報告されていた。また、医療者は、患者が義歯を誤飲・誤嚥することを想定し
ていなかったという報告もあった。医療者は患者が義歯を誤飲・誤嚥するリスクを認識し、正確
な情報収集と情報共有の方法を明確にし、実践する必要がある。
患者の病状に伴い、食事摂取状況の変化や食事形態の変更があった場合、それに合わせて義歯
の装着の可否もその都度検討する必要がある。入院時の患者基本情報の記録を行うとともに、患
者の状況に応じて変更した対応を正確に記録して共有することや、管理方法などについて看護計
画に適時反映することが必要である。今一度、入院時における患者の義歯の情報収集方法や、入
院中の患者の義歯の確認方法などを見直し、義歯の誤飲・誤嚥を防止につながるような手順の検
討を行っていただきたい。
医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書
–8–
可能な義歯を誤飲・誤嚥した事例(歯科治療中は除く)を過去に遡って検索し、分析した。
事例の概要では患者の年齢や性別、患者への影響などを示した。事例の分析では、義歯が誤
飲・誤嚥されていた部位や、摘出するために実施した処置・対応を整理し、義歯を誤飲・誤嚥し
ていることが判明した契機別に分析した。
誤飲・誤嚥した義歯は消化管内視鏡を使用して摘出した事例が多かった。多くの医療機関は自
施設で摘出処置を行っていたが、自施設では摘出処置が行えず他施設へ紹介して摘出処置を行っ
た事例も報告されており、患者への影響は大きいことが示唆される。
患者が義歯を誤飲・誤嚥していることが判明した契機で最も多かったのは、義歯の紛失に気付
き、誤飲・誤嚥を疑って検査した事例であった。医療者が義歯の紛失に気付いた場面は、食事摂
取後の口腔ケア時が多く、食事中に義歯が何らかの要因で外れてしまい飲み込んでしまった可能
性が考えられる。医療者は、患者が装着している義歯が患者に適合しているか、破損やぐらつき
の有無がないかなどを十分に確認する必要がある。また、紛失に気付いた時点で誤飲・誤嚥を疑
い、速やかに検査を行うことも必要である。時間の経過とともに義歯が摘出困難な状況になり、
より患者への侵襲が大きくなる可能性がある。判明した契機で次に多かったのは、偶発的に義歯
の誤飲・誤嚥に気付いた事例で、患者の状態確認のために撮影した胸部X線画像に義歯が写って
いたことから誤飲・誤嚥が判明していた。偶発的に判明した事例の多くは、義歯を紛失している
こと自体に医療者が気付いておらず、義歯の管理状況が不十分であった可能性が考えられる。取
り外しのできる義歯は、定期的に装着状況や所在の確認を行うことが重要である。
事例の背景・要因は、入院時の患者基本情報として、義歯の形状、数などの情報が正確でな
かったことや、記録が不十分であったことなど、情報の収集内容や医療者間での情報共有が不十
分であったことが報告されていた。また、医療者は、患者が義歯を誤飲・誤嚥することを想定し
ていなかったという報告もあった。医療者は患者が義歯を誤飲・誤嚥するリスクを認識し、正確
な情報収集と情報共有の方法を明確にし、実践する必要がある。
患者の病状に伴い、食事摂取状況の変化や食事形態の変更があった場合、それに合わせて義歯
の装着の可否もその都度検討する必要がある。入院時の患者基本情報の記録を行うとともに、患
者の状況に応じて変更した対応を正確に記録して共有することや、管理方法などについて看護計
画に適時反映することが必要である。今一度、入院時における患者の義歯の情報収集方法や、入
院中の患者の義歯の確認方法などを見直し、義歯の誤飲・誤嚥を防止につながるような手順の検
討を行っていただきたい。
医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書
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