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医療事故情報収集等事業 第85回報告書 (54 ページ)
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| 出典情報 | 医療事故情報収集等事業 第85回報告書(6/30)《日本医療機能評価機構》 |
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2
【2】入院中の患者が義歯を誤飲・誤嚥した事例
■
分析テーマ
(4)事例の詳細
主な事例を紹介する。
図表Ⅲ-2-17
事例の詳細
No.
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
義歯の紛失に気付き、誤飲・誤嚥を疑って検査した
80歳代の患者は救急搬送され、低ナトリウム血症 ・看護師は初めて当該患者を受 ・初めて受け持つ患者の情報を
あらかじめ情報収集してお
け持ったため、患者のADL、
と尿路感染症疑いのため入院加療となった。患者は
入院翌日の昼から食事開始となった。入院4日目の
理解力、認識力についての確
12時20分、食前に看護師が患者の左上側部分義歯
認が不足していた。
を装着した。その後、看護師は患者にエプロンを装 ・食事の摂取の状況や嚥下の状
態、食事の摂取状態について
着し、スプーンをセッティングして退室した。13
時20分、看護師は、患者の口腔ケアをする際に、
の検温表に観察項目として
「義歯」「補聴器」などを追加
し、必ず各勤務帯で所在を確
観察をしていなかった。
認する。
装着していた部分義歯がないことに気付いた。患者
1
く。
・介助が必要な患者は、カルテ
に尋ねたが応答はなく、他のスタッフと患者の周辺
・義歯の装着、食事のセッティ
を探したが見つからなかった。その後、患者が咽頭
ング後に食事の摂取状況、嚥
痛を訴えた。看護師は救命科医師に報告し、胸部・
下の状況を確認してから退室
腹部X線写真を撮影することになった。救命科医師
する。
が患者の頚部食道のあたりに金具とみられる異物が
写っていることを発見した。救命科医師は、消化器
内科、消化器外科にコンサルトを行い、頚部CT撮
影を行った。その後、上部消化管内視鏡にて摘出し
た。
60歳代の患者は、NPPV(マスク)装着中でADLは ・看護師B、Cは義歯の装着の ・義歯の有無など、管理状況を
各勤務帯の担当看護師が看護
有無や、義歯ケースの中を確
全介助であった。食事の際は上下の部分義歯を装着
記録に記載する。
認しなかった。
していた。部分義歯は食事前に看護師が装着し、食
後も看護師が外して義歯ケースに保管していた。食 ・病棟内で部分義歯の取り扱 ・NPPV(マスク)使用中の患
者が義歯を装着する場合は食
い、保管方法などの基準がな
事を摂取しない時は部分義歯を装着しないことも
事時のみとし、食事時以外は
かった。
あった。看護師Aは、2日前の準夜帯で上下の部分
ケースで保管する。
義歯を外し、義歯ケースに入れた。翌日の深夜帯の ・部分義歯の有無は、電子カル
テのプロファイルに記載され ・患者の生活習慣や要望をよく
受け持ち看護師Bは、患者が朝食を食べないため部
確認し、患者に合わせて義歯
ていたが、日々の確認や管理
分義歯を装着しなかった。その際、義歯ケース内に
義歯があるか確認しなかった。日勤帯の受け持ち看
状況が記録されていなかっ
の管理を支援できるよう方法
護師Cは、上の部分義歯を装着していることを確認
た。
を整える。
したが、下の部分義歯を装着しているかは確認して ・NPPV(マスク)使用中であ ・上記の内容を、どのタイミン
グで誰が行うのかを明文化
り、部分義歯が外れた際に押
いなかった。また、義歯ケース内の確認もしなかっ
し、全ての看護師が共通理解
し込まれる危険があった。
た。事例発生当日、看護師Aは10時に患者の下の部
2
を持ったうえで業務を行える
分義歯がないことに気付いた。その後、複数の看護
師で病室内を探したが見つからず、看護師Aは担当
よう全体周知期間を設ける。
医に経緯を報告した。担当医は胸部X線検査を実施
・今後、同様の事例が発生した
したが、画像では確認できなかった。リハビリテー
場合は、検索のために撮像範
ション科へ状況を確認したり、栄養管理室へ部分義
囲を口部から胸腹部の範囲と
歯が誤って食事のトレイに載って下げられていな
してX線検査を行う。
かったかなど問い合わせたりしたが、所在は不明で
あった。担当医からは、2日後までに見つからなけ
れば3日後にCT検査を実施する旨の指示が出た。部
分義歯は見つからなかったため、3日後、頚部~骨
盤のCT検査を実施した。その結果、食道入り口付
近に部分義歯が確認できた。部分義歯は喉頭鏡下で
確認できたが、当院での摘出は困難と判断された。
担当医より家族に説明した上で、三次救急医療機関
の耳鼻咽喉科を受診し、喉頭鏡下で部分義歯を摘出
した。
– 49 –
医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書
【2】入院中の患者が義歯を誤飲・誤嚥した事例
■
分析テーマ
(4)事例の詳細
主な事例を紹介する。
図表Ⅲ-2-17
事例の詳細
No.
事例の詳細
事例の背景・要因
再発防止策
義歯の紛失に気付き、誤飲・誤嚥を疑って検査した
80歳代の患者は救急搬送され、低ナトリウム血症 ・看護師は初めて当該患者を受 ・初めて受け持つ患者の情報を
あらかじめ情報収集してお
け持ったため、患者のADL、
と尿路感染症疑いのため入院加療となった。患者は
入院翌日の昼から食事開始となった。入院4日目の
理解力、認識力についての確
12時20分、食前に看護師が患者の左上側部分義歯
認が不足していた。
を装着した。その後、看護師は患者にエプロンを装 ・食事の摂取の状況や嚥下の状
態、食事の摂取状態について
着し、スプーンをセッティングして退室した。13
時20分、看護師は、患者の口腔ケアをする際に、
の検温表に観察項目として
「義歯」「補聴器」などを追加
し、必ず各勤務帯で所在を確
観察をしていなかった。
認する。
装着していた部分義歯がないことに気付いた。患者
1
く。
・介助が必要な患者は、カルテ
に尋ねたが応答はなく、他のスタッフと患者の周辺
・義歯の装着、食事のセッティ
を探したが見つからなかった。その後、患者が咽頭
ング後に食事の摂取状況、嚥
痛を訴えた。看護師は救命科医師に報告し、胸部・
下の状況を確認してから退室
腹部X線写真を撮影することになった。救命科医師
する。
が患者の頚部食道のあたりに金具とみられる異物が
写っていることを発見した。救命科医師は、消化器
内科、消化器外科にコンサルトを行い、頚部CT撮
影を行った。その後、上部消化管内視鏡にて摘出し
た。
60歳代の患者は、NPPV(マスク)装着中でADLは ・看護師B、Cは義歯の装着の ・義歯の有無など、管理状況を
各勤務帯の担当看護師が看護
有無や、義歯ケースの中を確
全介助であった。食事の際は上下の部分義歯を装着
記録に記載する。
認しなかった。
していた。部分義歯は食事前に看護師が装着し、食
後も看護師が外して義歯ケースに保管していた。食 ・病棟内で部分義歯の取り扱 ・NPPV(マスク)使用中の患
者が義歯を装着する場合は食
い、保管方法などの基準がな
事を摂取しない時は部分義歯を装着しないことも
事時のみとし、食事時以外は
かった。
あった。看護師Aは、2日前の準夜帯で上下の部分
ケースで保管する。
義歯を外し、義歯ケースに入れた。翌日の深夜帯の ・部分義歯の有無は、電子カル
テのプロファイルに記載され ・患者の生活習慣や要望をよく
受け持ち看護師Bは、患者が朝食を食べないため部
確認し、患者に合わせて義歯
ていたが、日々の確認や管理
分義歯を装着しなかった。その際、義歯ケース内に
義歯があるか確認しなかった。日勤帯の受け持ち看
状況が記録されていなかっ
の管理を支援できるよう方法
護師Cは、上の部分義歯を装着していることを確認
た。
を整える。
したが、下の部分義歯を装着しているかは確認して ・NPPV(マスク)使用中であ ・上記の内容を、どのタイミン
グで誰が行うのかを明文化
り、部分義歯が外れた際に押
いなかった。また、義歯ケース内の確認もしなかっ
し、全ての看護師が共通理解
し込まれる危険があった。
た。事例発生当日、看護師Aは10時に患者の下の部
2
を持ったうえで業務を行える
分義歯がないことに気付いた。その後、複数の看護
師で病室内を探したが見つからず、看護師Aは担当
よう全体周知期間を設ける。
医に経緯を報告した。担当医は胸部X線検査を実施
・今後、同様の事例が発生した
したが、画像では確認できなかった。リハビリテー
場合は、検索のために撮像範
ション科へ状況を確認したり、栄養管理室へ部分義
囲を口部から胸腹部の範囲と
歯が誤って食事のトレイに載って下げられていな
してX線検査を行う。
かったかなど問い合わせたりしたが、所在は不明で
あった。担当医からは、2日後までに見つからなけ
れば3日後にCT検査を実施する旨の指示が出た。部
分義歯は見つからなかったため、3日後、頚部~骨
盤のCT検査を実施した。その結果、食道入り口付
近に部分義歯が確認できた。部分義歯は喉頭鏡下で
確認できたが、当院での摘出は困難と判断された。
担当医より家族に説明した上で、三次救急医療機関
の耳鼻咽喉科を受診し、喉頭鏡下で部分義歯を摘出
した。
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医療事故情報収集等事業
第 85 回 報 告 書