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提案書18(3402頁~3601頁) (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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※患者数及び実施回数の推定根拠等

令和2年度分のNDBデータより、がん患者指導管理料イが110,600回、がん患者指導管理料ロが146,839回算定である。
2021年透析導入件数 40,511件(透析医学会統計調査より)
ALS患者数 10,514人(令和2年度の特定医療費(指定難病)医療受給者証所持者数より)
胃瘻造設数 53,495件(入院52,661件・外来834件)令和2年度NDBデータより

⑦医療技術の成熟度
・学会等における位置づけ
・難易度(専門性等)

・倫理的意思決定のスキルは専門看護師のコアコンピテンシーの一つである。すべての看護師は倫理的意思決定支援の実践
者であるが、専門看護師は倫理的な実践環境作りの促進、指導的な役割を期待されており、これまでにACPの支援も多数
行っている。
・専門看護師教育では(公開分59大学院/159カリキュラム)ACP・意思決定支援(80カリキュラム)、倫理調整(全カリキュ
ラム)が実施されている。

・施設基準
(技術の専門性
等を踏まえ、必
要と考えられる
要件を、項目毎
に記載するこ
と)

施設の要件
(標榜科、手術件数、検査や手術の体
制等)
人的配置の要件
(医師、看護師等の職種や人数、専門
性や経験年数等)
その他
(遵守すべきガイドライン等その他の
要件)

施設基準は下記の人員の届出をした施設
専門看護師(3,155人 2022年12月現在)、ACPファシリテーター研修修了者・E-FIELD研修修了者および医師の届出
上記届出人員を含む、院内のACP支援チームの形成
人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン

⑧安全性
・副作用等のリスクの内容と頻度

人生や死への直面化により、心的負担感が生じる対象者もあるため、対象者との信頼関係構築を図ることが必須となる。

⑨倫理性・社会的妥当性
(問題点があれば必ず記載)

ACPを推進することにより、本人の意向を尊重するという自律尊重の点で医の倫理が保たれる。また高齢社会の日本におい
て死亡者の増加は必至であり、(最期まで)本人の意向を尊重した生き方を医療者と共有して治療・ケアを受けることがで
きること、無益な医療を削減することにおいて、本対応は社会的妥当性がある。


妥当と思われる診療報酬の区分
⑩希望する診療
報酬上の取扱い

点数(1点10円)
その根拠

300点
現行のがん患者指導管理料は200点であり、対応の性質や回数設定も類似することに加え、多対象疾患を抱える対象者への
介入を考慮して設定

区分
関連して減点
や削除が可能と
考えられる医療
技術(③対象疾
患に対して現在
行われている医
療技術を含む)

B001-31
腎代替療法指導管理料 500 点

具体的な内容

1 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、慢性
腎臓病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)であって、入院中の患者以外の患者に対して、当該患者の同意を得
て、看護師と共同して、患者と診療方針等について十分に話し合い、その内容を文書等により提供した場合に、患者1 人に
つき2 回に限り算定する。
2 1 回の指導時間は30 分以上でなければならないものとする。

プラスマイナス
予想影響額(円)
予想影響額



番号
技術名

その根拠

増(+)
600,000,000円
対象疾患を限定しないため、200,000回/年を想定している。がん110,600回、透析導入40,511件、ALS診断数10,514人、胃瘻
造設53,495件を中心に概算で影響額を算出。
300点×10円×20万回=600,000,000円
今後、ACPが進めば、希望しない治療や延命処置などの費用の削減も見込める。
特になし

備考
⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機
器又は体外診断薬
特になし
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
保障)への収載状況

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

2)調べたが収載を確認できない

台湾:「病人自主権利法施行細則」「医療の事前指示書相談サービスを提供する医療機関管理方法」では、ACP支援を提供
する医療機関の条件として、①ACPが行える病院として市政府が指定する病院評価に合格した一般病床200床以上の病院であ
ること、②明確に分離されたACP支援を実施するスペースを設置していること等が規定され、ACP支援を行うチームやスタッ
フに関する条件として、①医者と2年以上の実務経験を有する看護師もしくは心理学者・ソーシャルワーカーを設置するこ
と、②衛生福利部が提供するACPトレーニングプログラムを受講すること、③ACP支援を完了するまでの記録を保管すること
等の規定が行われ、その他ACP支援の料金について各病院が市政府との相談により設定すること等の規定が設けられた。

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い
⑭その他

1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。

d. 届出はしていない
特になし

⑮当該申請団体以外の関係学会(共同提案学会名、関連団
なし
体名)、代表的研究者等
1)名称
2)著者
3)雑誌名、年、月、号、ページ

ACPのプロセスと内容、そして支援
近藤まゆみ
がん看護,2017,22(7),671-674

4)概要

院内のACP推進プロジェクトでの事例検討19例よりACPの全体像を示すプロセス図をミニマムコンセンサスで作成。ACPを意
識したがん医療の流れと、プロセスに沿った患者や家族の状況や体験、および医療者の視点や支援におけるポイントを示
し、4局面のACPの内容を表現した。病気(STAGEⅣ)が診断され治療を考える時期はACPを開始する時期であり、医療者が
<先行きの見通しについて伝える>ことと、患者が<先行きの見通しを知る>ことは患者が自分の今後をイメージし、自分
はどうしたいのかを考えるうえで、重要である。この最初の時期にACPをどのように始めたかによって、その後の病気との
向き合う姿勢や意思決定のあり方が変わる。治療を変更しながら継続する時期は、ゲノム医療などの発展に伴って治療の考
え方はさらにむずかしくなっている。少なくとも選択できる治療が少なるなる時期には、家族を本格的に巻き込む。治療の
継続か中止かを考える時期には、治療の意味付けはさまざまであり、その人の生き方や価値が反映される。人の思いや価値
は変化するという柔軟な支援が求められる。療養方法を考える時期にいたるまでに、多くのACPに関する対話を重ねる。

⑯参考文献1

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