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提案書18(3402頁~3601頁) (108 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190899_00011.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 診療報酬調査専門組織・医療技術評価分科会(令和5年度第1回 11/20)《厚生労働省》
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減(-)

プラスマイナス

予想影響額

予想影響額(円)

70,600,000,000円

その根拠

① 本技術の費用:150,000円/件
1)認知症又はMCIの病因がADか非ADかの鑑別が困難な患者(症状や年齢が非定型な患者を含む)
② ADと非ADの鑑別の件数は後述のDMTの処方判断に含まれる。
③ ADと非ADの鑑別診断の対象となった約1.6万人について、診断困難例のうち約27.2%は非ADと報告されていることから、
約4,400人が非ADとなる。
④ アルツハイマー型認知症の年間薬剤費は58,558円/年(アリセプト先発品・後発品、メマンチン併用・非併用例の平均1
日薬剤費より算出)
⑤ 非ADの患者は④の治療費が不必要となることから、年間で③×④=約2.6億円の削減となる
2)DMTの処方を判断する必要がある患者
⑥ 本技術の年間患者数…MCI患者約2.7万人、軽度認知症患者約3.7万人の計6.4万件
⑦年間当たりの費用は①×⑥=約96億円
⑧ ⑥のうちアミロイドPET陽性の割合はMCIで約55%、認知症で約70%と報告されており、レカネマブの投与対象となるのは
それぞれ約1.5万人、約2.6万人の計約4.1万人。
⑨ アミロイドPET陰性は⑥-⑧=約2.3万人
⑩ DMTのうちレカネマブについては、開発企業であるエーザイ社が米国における年間薬剤費を26,500ドルに設定したと公表
されている。仮に、この価格を採用すると、1ドル130円として年間約345万円/人
⑪ 本技術により⑨のアミロイドPET陰性の患者へのDMTの投与を避けることができる。従って、年間で⑨×⑩=約799億円の
削減となる
以上より、⑦-(⑤+⑪)=約706億円の削減が見込まれる。

備考

特になし

⑪提案される医療技術において使用される医薬品、医療機 医薬品:アミヴィッド静注(フロルベタピル(18F)注射液)、ビザミル静注(フルテメタモル(18F)注射液)
器又は体外診断薬
医療機器:放射性医薬品合成設備 FASTlab(フルテメタモル合成用)、放射性医薬品合成設備 MPS200Aβ、放射性薬剤自動
合成装置 Synthera+([18F]FBB 合成用)(いずれも一般名は放射性医薬品合成設備)
(主なものを記載する)
⑫提案される医療技術の海外における公的医療保険(医療
1)収載されている
1)を選択した場合は、下の欄に詳細を記載。
保障)への収載状況

※ 該当する場合、国名、制度名、保険適用上の特徴
(例:年齢制限)等

1)米国:アミロイドイメージング・タスクフォースのガイドラインでは、非定型又は若年性認知症に対する使用が推奨さ
れており、メディケア/メディケイドにおいて、CED(Coverage with Evidence Development)プログラムのもと、エビデン
ス構築のための治験参加者に限り保険償還されている。
2)スペイン:フルテメタモルについては国の給付パッケージに組み込まれている。
3)イタリア:クラスCの保険償還。診断薬の費用については医療機関の予算から資金提供する必要がある。
4)フランス:アミロイドPET検査は特定の条件下で保険償還される予定(2023年3月)
5)オランダ・ノルウェー:フルテメタモルは、DRG方式のような償還パッケージに基づいて医療機関の予算から償還され
る。
6)スウェーデン:診断手順のすべてがDRG方式の償還パッケージに含まれる。
7)デンマーク・フィンランド・スロベニア:全額保険償還される。
8)オーストリア:医療機関予算からの償還。医療機関で使用される放射性医薬品に対する個別の償還ないが、DRG方式では
なく、診断手順(PET、SPECT等)のために年間予算に診断薬は含まれる。
9)チェコ・クロアチア:保険償還される、ただし,数に制限のある手続き。
10)スイス:アミロイドPET検査は特定の条件下で保険償還される。
d. 届出はしていない

⑬提案される医療技術の先進医療としての取扱い

⑭その他

1)本技術等を用いて脳内アミロイドの蓄積が確認された被験者を対象に、レカネマブのほか、ドナネマブ(イーライリ
リー社)の検証的第Ⅲ相試験の結果が2023年第2四半期に予定されている。これらの開発が成功すれば、脳内アミロイドの
蓄積減少、かつ臨床症状の進行抑制によりQOLの向上、雇用機会の増加、介護費用の削減、医療費用の削減等が期待でき
る。
2)提案に当たって、DMT関連企業及びアミロイドPET診断薬関連企業と情報共有等を行った。

⑮当該申請団体以外の関係学会、代表的研究者等

特になし

2)著者

Systematic Review and Aggregated Analysis on the Impact of Am yloid PET Brain Imaging on the Diagnosis,
Diagnostic Confidence, and Management of Patients being Evaluated for Alzheimer's Disease.
Enrico R Fantoni et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

J Alzheimers Dis. 2018;63(2):783-796.

1)名称
⑯参考文献1

2)著者

2017年1月までのEmbaseおよびMedlineで系統的文献検索を元に、Amyloid PETを主要バイオマーカーとした主要研究(7件)
の研究のうち1,142人を対象として、AD診断の31.3%が変更されたことが報告されている。(p783-796)
Assessment of the Incremental Diagnostic Value of Florbetapir F 18 Imaging in Patients With Cognitive
Impairment: The Incremental Diagnostic Value of Amyloid PET With [18F]-Florbetapir (INDIA-FBP) Study
Marina Boccardi et al. Incremental Diagnostic Value of Amyloid PET With [18F]-Florbetapir (INDIA-FBP) Working
Group

3)雑誌名、年、月、号、ページ

JAMA Neurol. 2016 Dec 1;73(12):1417-1424.

4)概要
1)名称

⑯参考文献2

2)著者

228名の認知症患者 (事前の診断でADと診断できる確信度が15~85%のundetermined群)を対象に、FlorbetapirのPETを実
施し、陽性113名、陰性116名であった。そして、診断の変更が54.6%にあり、診断確信度が21.6%上昇した。AChoE阻害剤/メ
マンチン処方がPET陽性症例の17.7%で増加、PET陰性症例の23.3%で減少した。(p1417,p1420-1422)
Association of Amyloid Positron Emission Tomography With Subsequent Change in Clinical Management Among
Medicare Beneficiaries With Mild Cognitive Impairment or Dementia
Gil D. Rabinovici et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

JAMA. 2019 Apr 2;321(13):1286-1294.

4)概要
1)名称
⑯参考文献3

2)著者

米国の595の医療施設で登録された病因不明の認知症患者又はMCI(合計で16,008名)を対象にした多施設共同研究(IDEAS
study)の中間解析。解析を終えた11,409人(登録者総数の71.3%)の患者のうち2860人(25.1%)でADから非ADへと診断
が変更され、11,409人中1201人(10.5%)で非ADからADへと変更された 。(p1286,p1290-1291)
A more precise diagnosis by means of amyloid PET contributes to delayed institutionalization, lower mortality,
and reduced care costs in a tertiary memory clinic setting
Ingrid S van Maurik et. al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

Alzheimers Dement. 2022 Nov. Online ahead of print.

4)概要

オランダにおいて、認知症の診断フローにアミロイドPETを追加した患者群と追加しなかった患者群について、傾向スコア
をマッチさせ比較したところ、診断後の数年間において、アミロイドPETの実施により入院率、死亡率、医療費の低下が認
められ、長期的な疾患経過に対して有益であることが示唆された。

1)名称

Lecanemab in Early Alzheimer's Disease

2)著者

van Dyck CH et al.

3)雑誌名、年、月、号、ページ

N Engl J Med. 2022 Nov. Online ahead of print.

4)概要

DMTであるレカネマブの第Ⅲ相試験において、本技術又は脳脊髄液検査により脳内アミロイド病理が確認された患者におい
て、複数の認知機能・全般症状の指標で一貫した認知機能低下抑制効果が示されており、また処方期間と共にプラセボに比
べて認知機能低下効果が大きくなり、認知症の進行を一定期間遅らせることが示唆されることが報告されている。

4)概要
1)名称
⑯参考文献4

⑯参考文献5

※⑮については、1.の「主たる申請団体」および「上記以外の申請団体」以外に、提案される医療技術に関する研究、会合、論文発表等を実施している学会等
の関連団体や研究者等の名称を記載すること。

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