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参考資料3 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(素案) (専門研究委員会(第2回)令和4年3月7日 資料2) (53 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/117/siryo/mext_00002.html
出典情報 薬学教育モデル・コア・カリキュラム改訂に関する専門研究委員会(第3回 5/30)《文部科学省》
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D

臨床に繋がる医療薬学

<学修目標>
本領域の学修は、薬学教育モデル・コア・カリキュラムにおける「A 薬剤師として求められる
基本的な資質・能力」を発揮するために、「B 社会と薬学」、「C 科学的根幹としての基礎薬学」
で学んだ成果を、「E 衛生薬学・公衆衛生薬学」の疾病予防、公衆衛生、及び「F 臨床薬学」に
おける責任ある薬物治療の実践につなげることを目標とする。
「F 臨床薬学」において、薬物治療を個別最適化するためには、患者ごとに異なる特性に十分
な注意を払った上で薬物治療を選択、実施、評価する必要がある。そのためには、本領域で疾患
の病態生理と薬物の作用のメカニズムを関連付けて系統的に理解する必要がある。また、根拠に
基づく医療を提供するために、薬物の有効性・安全性の情報を評価する共に、患者の持つ特性の
評価に基づく薬物動態を理解した上で、適切な用法・用量・剤形を選択する必要がある。
従って、「D 臨床に繋がる医療薬学」では、「F 臨床薬学」において患者情報に応じた薬の選択、
用法・用量の設定及び医薬品情報に基づく有効性・安全性や治療ガイドラインを考慮した適切な
薬物治療を実践するために、薬理・病態、治療ガイドライン、医薬品情報、薬物動態、製剤に関
する基本的事項を修得する。
また、「E 衛生薬学・公衆衛生薬学」に関連する疾患、医薬品や環境物質を理解し、薬剤師の
もう一つの重要な使命である予防、衛生に繋がる基本事項を修得する。
D 領域は以下の 6 つの中項目で構成する。
1)D 領域を学修する際の基礎となる薬理学の基本事項、症状が表れる病態・生理学・生化学的
な背景、医薬品の安全性
2)「D-2 薬物治療に繋がる薬理・病態」:医薬品の作用と病態との関連性
3)「D-3 医療における意思決定に必要な医薬品情報」
:患者情報と医薬品情報の活用法
4)「D-4 薬の生体内運命」:薬物動態の基本と解析法
5)「D-5 製剤化のサイエンス」:将来に向けた効果的な製剤設計
6)「D-6 個別最適化をめざした調剤」:剤型の特徴と、患者の状態に適した調剤に必要な基本事

<評価の指針>
「D 臨床に繋がる医療薬学」の評価は、「B 社会と薬学」と「C 科学的根幹としての基礎薬学」
における学習との関連性をもとに、
「E 衛生薬学・公衆衛生薬学」や「F 臨床薬学」につながる
学修と、「G 薬学研究」に発展させるための観点を考慮して実施する。そのため、
「D 臨床に繋が
る医療薬学」では、以下の 6 項目を学修目標への到達を評価するための指針とする。
1.薬物の薬理作用と作用メカニズムを、病態とその発症メカニズムと関連させて説明する。
2.各臓器に起こる病態について、解剖学的な観点、生理学的な観点から全身に与える影響につ
いて説明する。
3.薬物の薬理作用と作用メカニズムを、有害反応(副作用)の発現メカニズムと関連させて説
明する。
4.医薬品及び疾患に関する適切な情報を入手、評価し、患者情報と照らし合わせて、薬物治療
の方針を決定する。
5.最適な薬物療法を実施するために、医薬品の生体内運命と患者の特性を理解し、最適な剤
型・投与方法を選択する。
6.個々の患者の多様な状態に合わせて、適切な調剤を行う。

D-1 薬の作用と体の変化

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