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資料1 人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ) (47 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20260423zaiseia.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》
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実質賃金の伸び悩みと企業の分配構造

成長戦略

○ 我が国では、労働生産性が上昇する一方、実質賃金は横ばいで推移。その要因をみると、諸外国対比、労働分配要因の押し下
げが大きいのが特徴的。また、「デフレーターギャップ要因」の押し下げは、輸入価格上昇が輸出価格に転嫁されず、交易条件が
悪化してきたことを示しているが、家計が直面する価格が上昇する一方で賃金は抑制され、交易条件悪化のコストを家計が負担する
もとで、価格転嫁の必要性は乏しかったと考えられる。他方、欧州の資源輸入国では労働生産性の伸びに応じて実質賃金が上昇。
○ 実質賃金伸び悩みの背景として、企業の分配構造をみると、近年の企業収益の伸びに比べ、人件費の伸びは限定的。大企業を
中心に、コーポレートガバナンス改革により資本効率・株主価値の向上を志向してきた結果、配当や自社株買いを通じた株主還元が
増加。また、中小企業では現預金が積み上がっている。
○ 長期にわたり続いた需給ギャップがようやく解消しつつある中、成長投資・危機管理投資による供給力強化と同時に、こうした分配
構造を是正し、実質賃金上昇による継続的な需要拡大を実現しなければ、再び需給不均衡を招く可能性には留意すべき。
(2012年度=100)
300

180

260

配当金

160

中堅企業

140

中小企業

120

200

100

180

80

160

60

140
120

40

-30

100

20

80

0

日本

アメリカ

時間当たり実質労働生産性要因
デフレーターギャップ要因

イギリス

労働時間要因
その他

ドイツ

フランス

労働分配要因
賃金

(出所)OECD Data Explorer
(注)デフレーターギャップ要因は、GDPデフレーターと民間最終消費デフレーターの相対比の変化であ
り、押し下げ方向での寄与は、民間最終消費デフレーターが相対的に上昇したことを示す。

2012
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
2022
2023
2024

-20

(出所)財務省「法人企業統計調査」
(注)金融保険業を除くベース。大企業は資本金10億円以上、中堅企業は資本金1億円以上10億円未満、
中小企業は資本金1億円未満。

2024

-10

2022

-0.3

2020

11.9

2018

220

経常利益

2014

240

2012

20

人件費

2010

22.4

大企業

280

2008

26.9

30

0

※社会保障国民会議 第1回有識者会議
(2026年3月24日)より

200(兆円)

2006

38.4

40

◆現預金残高

2004

(%)
50

10

◆企業収益と分配

2016

◆一人当たり実質賃金の寄与度分解
(1996~2000年と2016~2020年の二時点間における賃金の変動)

46