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資料1 人口減少社会の中での総合的な国力の強化(財政各論Ⅰ) (43 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/20260423zaiseia.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/23)《財務省》
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医療提供の効率化を支える報酬体系の構築

医療・介護

○ 人口減少社会であっても質の高い医療が持続的に提供されるよう、診療報酬の在り方も見直していく必要。特に、医療従事者の持続
的な賃上げと保険料負担の抑制の両立のためには、医療現場の省力化・効率化と「一人あたり賃金」の向上の好循環が実現していく
ことが重要であり、それを支える診療報酬体系を構築していくという視点が重要。
○ 現在の診療報酬体系は、ストラクチャー評価やプロセス評価を基礎としており、出来高払いが中心となっていることから、個々の医療機関
で見れば、手厚い人員配置の下で、より多くの医療を提供することが合理的な選択となってしまっている。
○ 2026年度診療報酬改定で導入された配置基準の柔軟化は一定の変化の兆しではあるが、「量の競争」による過剰な診療行為や検
査を誘発しかねない診療報酬体系の構造的課題は残されたまま。アウトカム評価を中心に据えた上で報酬の包括払い化を進めること
で、医療の質を確保しつつ、できるだけ少ない人員で医療を提供することに対して適切に評価できる報酬体系に転換すべき。
2026年度診療報酬改定における配置基準柔軟化の措置

医療を評価するための3つの観点

 2026年度改定では、+3.09%のうち+1.70%を財源に幅広い職種の賃上げ措置
を実施。それと併せ、以下のような職員配置基準の緩和措置が新たに導入された。
① ICT機器の導入による業務効率化を行った上で適切に患者の看護を行うことができ
る体制がある場合、一定の入院料を対象に看護職員配置基準を1割まで柔軟化
② 平時から看護職員確保に取り組んでいるにも関わらず、やむを得ない事情で一時的
に人員確保ができない場合、一定期間は1割以内の配置不足を許容(一時的な
離職等による人員不足に備えた余剰人員確保の必要がなくなると期待される)
③ 医療クラークの事務を評価する「医師事務作業補助体制加算」の算定に際し、生成
AIを活用した文書作成補助システムでの業務効率化を条件に医師事務作業補助
者1人を1.2人(音声入力・RPA・患者向け説明動画も活用の場合1.3人)に換算

 医療の質の評価には、①ストラクチャー、②プロセス、③アウトカムの3つの評価軸があると
される。うちストラクチャー及びプロセスは、それぞれ医療提供体制の整備度合い及び診療
行為の過程を評価するもの。最終的な医療の「質」との関連性は間接的であるが、客観
的かつ定量的な計測可能性が高く、診療報酬上の評価基準の基本となっている。
 アウトカムは、医療提供が患者に及ぼした影響に着目するため、直接的な質の評価だが、
客観的・定量的計測が難しいとされ、診療報酬の評価上はほとんど採用されていない。

◆日本の医療提供体制の特徴(課題)と改革の方向

①ICT等の活用による業務効率化を要件とした看護職員配置基準緩和のイメージ(1病棟50床の場合)
看護職員
約35人※

看護職員配置
(7対1)

《3人分程度緩和》
看護職員
約32人※

ICTによる効率化分

ICT等による業務効率化

看護職員配置
(7対1)

②やむを得ない事情によって一時的に人員確保ができない場合の看護職員配置基準柔軟化のイメージ
8月

9月

報告(9月)

※有効な求人票を添付

10月

11月

1日当たり勤務する看護要員の数について
最長3か月、1割以内の減少が許容される

12月

1月

2月

11月に一時的な変動から回復

(元の入院料が算定できる期間)

③医師事務作業補助体制加算に係る生成AI等の活用による人数換算の見直しのイメージ(一般病床150床の病院の場合)
医師事務作業
補助者配置
(15対1)

医師事務
作業補助者

10人



※標準的な労働時間の常勤職員を雇用した場合の数

生成AI等による業務効率化
1.2人換算の場合
1.3人換算の場合

9人
8人

で算定可能に

【現状】

ストラクチャー
評価中心
※医療を提供する体制
を評価

出来高払い
※個々の診察・検査
・治療・投薬を
積み上げて評価

【目指すべき方向】

アウトカム
評価中心
※生活の質や満足
度の改善を評価

包括払い

※疾患等に応じて
定額で評価
(サブスクリプション)

・より多くの人員でより多くの診療を行うことが ・患者に提供される医療の質を的確に評価し、
最適となるインセンティブ構造(量の競争) 「量の競争」から「質の競争」へ
・できるだけ少ない人員で質の高い医療を提 ・より効率的な人員体制で医療を提供する
ことが最適解となるインセンティブ構造へ42
供しようとする努力を阻害するおそれ