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地方創生2.0基本構想(案) (24 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/yusikishakaigi/dai10/gijisidai.html
出典情報 新しい地方経済・生活環境創生会議(第10回 6/3)《内閣官房》
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果は必ずしも十分でなく、地方の生産性は伸び悩んだ。また、かつて活発だった
アジアへの工場移転は、近年では鈍化傾向にあるが、一部では依然として低コ
ストを求めた海外展開が行われている。
地方創生 2.0 では、異なる分野や領域に属する要素同士を従来にはなかった
形で組み合わせる「新結合」の視点を重視する。新結合は単なる足し算ではな
く、掛け算として異質な要素同士が交わることで、想像を超えた新たな価値を
創出するものであり、画期的な商品やサービスを生み出し、地域の所得と雇用
の増大や、地域の課題解決につながる可能性を秘めているものである。
これまでの地方創生においては、農林水産業や商工業、観光業など、各省庁に
よる産業ごとの政策体系の下、都道府県や市町村を主体として、民間事業者や
大学等と連携しながら、現場の主体的な取組を後押しする政策が展開されてき
た。また、全国各地の文化芸術、自然環境などについては、主に維持保全を目的
とする観点からの政策が採られてきたが、人口減少や東京一極集中により、地
域の様々な分野で人材の不足、円滑な承継・発展の困難などが生じ、地域が持つ
様々な特性の持続可能性がリスクに晒されている。
こうした中、足元の 2025 年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の開催やイン
バウンドの増加等を契機として、我が国の多様な食や伝統産業の豊かさや、文
化芸術やスポーツ、自然環境、アニメ・映画等のコンテンツの価値が国内外で評
価され、地域資源を活かした高付加価値型の産業・事業の創出や、新たな海外マ
ーケットの開拓への期待が高まっている。また、地方のゆとりある土地や豊か
な水資源等を求めて、GX・DXやイノベーション拠点の地方への立地ニーズ
が生じており、地域経済の活性化や地域の魅力的な仕事づくりにつながること
が期待される。
このような動きに適切に対応していくためには、これまでの地域の産業・事
業ごとの最適化から、文化芸術や自然環境、スポーツ等が生み出す新たな価値
も活かしながら、地域の産業・事業全体として最適化するなど、コストカット型
から高付加価値型の経済への転換が求められる。そして、これを実現するのが
「新結合」という考え方である。
様々な「新結合」を全国各地で生み出すことにより、地方経済に活力を創出
し、我が国の潜在的な成長力を引き出していく「地方イノベーション創生構想」
を推進する。具体的には、①地域の食や伝統産業に、文化芸術、スポーツ、コン
テンツやスタートアップを組み合わせるなど、関係省庁が連携した支援により、
地域資源を最大限活用した高付加価値化を図る「施策の新結合」、②若者・女性
や産官学金労言士など、地域内外の様々な関係者が連携・協働する「主体の新結
合」、③地域の若者・女性などの活躍促進に加え、地域外の新たな人材を呼び込
む「人材の新結合」、そして、④イノベーションの果実であるAI・デジタル技
術等の新しい技術を組み合わせる「技術の新結合」に重点的に取り組む。
これらの「新結合」の取組について、各地の産業基盤、交通ネットワーク等も
活かし、広域的に連携しながら面的に展開することにより、相乗効果の高い、よ
りダイナミックな取組を地方から生み出していく。

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