よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


地方創生2.0基本構想(案) (23 ページ)

公開元URL https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_chihousousei/yusikishakaigi/dai10/gijisidai.html
出典情報 新しい地方経済・生活環境創生会議(第10回 6/3)《内閣官房》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

地方創生 2.0 では、若者や女性にも選ばれる地域づくりを、地域に関わる政
策の基本的な姿勢・視点として重視する。
若い世代の男女の意識が着実に変わり、男女ともに働き、ともに子育てをす
る「共働き・共育て」の感覚が一般化してきている一方で、地域社会の中には、
「男は仕事・女は家庭」などといったアンコンシャス・バイアスが残っていると
指摘されている。こうした「若い世代の変化した意識」と、
「職場を含む地域社
会」との間のギャップが、若者や女性の地方からの転出行動につながっている
面がある。
こうした問題は、男性の家事育児時間の少なさ(女性への家事育児負担の集
中)や、低所得男性の婚姻率の低さ等を通じ、我が国の少子化につながる要因と
もなっている。
地方には、都市部では得がたい多様で恵まれた自然環境、ゆとりある生活空
間、そして季節の移ろいを身近に感じられる東京圏にはない「豊かさ」がある。
さらに、東京圏に比べ、食料費や家賃などの基礎支出や通勤・通学時間が相対的
に少ないといった特徴もある 13。
こうした強みがありながら、若年層、とりわけ若年女性の地方からの人口流
出に歯止めがかからない状況を打開するには、地方の強みを活かしつつ、若い
世代の行動や意識の変化を直視し、地方が抱える弱みを克服していくための大
胆かつ地域に根差した着実な取組が必要となる。そのため、地方創生に取り組
む際には、議論や検討の場に、若者や女性の参画を確保し、当事者である若者や
女性の視点を取り入れることが重要である。また、将来にわたって若者や女性
にも選ばれる地方となり続けるためには、今の若者世代だけでなく、地域社会
を担っていくこどもたちにも目を向けて考える必要がある。
若者や女性にも選ばれる地域づくりとは、若者や女性のためにのみ必要なも
のではなく、性別や世代にかかわらず、誰もが活躍できる可能性と選択肢を確
保するものである。
若者や女性の活躍推進は、地域社会の多様性を高め、変化への対応力や新た
な価値創出を促す原動力となる。多様な視点や経験を持つ人材の参画は、地域
産業やサービスの革新、持続可能な成長力の強化にも直結する。

(3)異なる要素の連携と「新結合」
地方創生 1.0 では、地方における「しごと」づくりの観点から、企業誘致や産
業の活性化等により、安定した雇用を創出することを目指した。しかし、地方で
は、人手不足の深刻化やそれに伴う専門人材の不足に対し、それを補う省庁間
の連携や様々な主体間の連携を促す仕組み、中小企業の輸出支援等の取組の効

13

例えば、都道府県別に、住民の可処分所得から食費・家賃等の基礎支出を差し引くと、東京都の中
間層の世帯は他地域に比べ経済的に豊かであるとは言えず(全国 25 位)
、さらに通勤時間を費用換算
して差し引くと全国 40 位となる試算(国土交通省「国土審議会推進部会地域生活圏専門委員会とり
まとめ報告書(案) 参考資料」
(2025 年 5 月 28 日)
)もある。

20