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【参考資料2】精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究報告書 (77 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58633.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第7回 6/9)《厚生労働省》
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令和6年度 障害者総合支援事業費補助金(障害者総合福祉推進事業)
精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究 報告書

8.4.1. 医師
医師については、精神科医と腎臓医との壁やつながりのなさをいかに克服できるかが課
題である。具体的には地域であれば開業医同士の連携について医師会など既存の職能集団
の活用は有用な選択肢だろう。また、必要に応じて精神障害にも対応した地域包括ケアシス
テムにおける協議の場を、行政が主体となって積極的に本観点で利用することも考えられ
る。
大学病院やいわゆる総合病院においては診療科の縦割りが問題となることがあるが、透
析のみならず、精神身体合併症についてはその縦割りが患者の不利益に直結することがあ
り、病院長や診療科長によるイニシアチブが期待される。また、本観点において好事例を収
集することもまた意味のあることであろう。

8.4.2. 看護師
「看護のできない患者はいない」と中井 (2004)が述べているように、精神科領域におい
て看護職はなくてはならない存在である。入院下では交代制ではあるが、24 時間患者の生
活に寄り添い、地域では訪問看護や地域精神保健活動として患者の生活場面に直接かかわ
り、外来診療では患者の機微な変化に気づきながらそれを適切に医師へ伝えることが求め
られている。
看護師の専門性としては、これまで専門看護師や認定看護師、特定行為の可能な看護師の
養成が進んできており、身体面でのより高度な看護や医学的アセスメントが看護師により
行われ始めている (厚生労働省, 2025)。精神科単科病院を想定すると、限られた検査機器や
人員配置の中で、身体的な変化を的確にとらえ、アセスメントすることは大変高度な技術で
あることが想定される。よって、透析のみならず精神身体合併症の観点において、専門性の
高い看護師の活用についても検討される必要がある。
また、看護師のキャリア・臨床経験としてのいわゆる総合病院精神科に目を向けると、病
院や地域によって役割は大いに異なるものの、身体面と精神面の両面について知識や技術
を有する看護師が必要にかられて養成される職業場面である。この観点において、看護師の
卒後教育の要としての総合病院精神科は活用され得るものであるため、今後の調査研究が
必要な領域であると考えられる。

8.4.3. 医師・看護師以外のコメディカル
精神身体合併症においては、地域との調整の観点において精神保健福祉士は必要不可欠
である。また、精神保健福祉士を核として病院間や病院-診療所間のネットワークの構築が
あれば、それぞれの医療機関の役割に応じた相談が円滑に進むことは想像に難くない。
同観点においては、薬剤師についても要の存在である。なぜならば、精神身体合併症にお

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