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【参考資料2】精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究報告書 (58 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58633.html
出典情報 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第7回 6/9)《厚生労働省》
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令和6年度 障害者総合支援事業費補助金(障害者総合福祉推進事業)
精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究 報告書

1) 母親ら原告の主張
(1) A 子は、国立 B 病院で糖尿病を治療していたが精神科治療が必要となり、精神科と糖
尿病の治療ができる C 病院へ転院し治療していた。しかし、糖尿病がさらに悪化し、
尿路感染症や水腎症となり、泌尿器の専門治療のできる D 医院に転院した。医師の紹
介により 1991 年 7 月、第三次救急医療機関の指定を受け、精神科ベッドがある県立
E 病院を受診した。透析担当医の診察があったが、血液検査などをしないまま C 病院
へ返された。
(2) その後も症状が改善せず、7 月 17 日に内科医が診察し、県立 E 病院へ入院した。し
かし、透析担当医は血液透析の適応がないとして 19 日に C 病院に帰院させ、20 日に
死亡した。
(3) 腎不全の A 子の様体からすれば、県立 E 病院は血液透析を行うことが可能であったに
もかかわらず、精神障害があることを理由に透析を行わず、医師としての注意義務を
怠った。
(4) A 子の死亡によって損害を被ったので、慰謝料を請求する。
2) 宮崎県の主張
(1) 血液透析医には、回復の見込みのある急性腎不全に行う一時的な短期血液透析と、腎
機能の回復の見込みのない慢性腎不全に行う長期血液透析がある。長期血液透析を実
施するか否かは、①改善される病態があり、②患者がそれに耐えられ、③その結果が
有意義である場合、が対象となる。
(2) 長期血液透析は日常生活に制約を課し、極限までの忍耐を要求する。患者はそれに対
する理解・了解と、苦痛に耐える自制心、自己管理能力、医師らへの協力が絶対必要
である。A 子は D 医院で自己導尿教育拒否、水分摂取指導拒否などの態度があり、透
析導入は困難である
(3) 県立 E 病院の精神科医師が A 子を診察したところ、摂食障害、運動減退、衒奇的な姿
態などの症状があり、自分の置かれた状況や何のために病院に来たかを理解しておら
ず、統合失調症と診断された。透析担当医師は協議し、透析に対する必要性を了解す
る能力と自己管理能力、家族の協力が必要であるため、透析の適応対象でないと判断
した。
(4) 母親らからどうしても血液透析してほしいとの希望が表明されていなかった。

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