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【参考資料2】精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究報告書 (73 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58633.html |
出典情報 | 精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会(第7回 6/9)《厚生労働省》 |
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令和6年度 障害者総合支援事業費補助金(障害者総合福祉推進事業)
精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究 報告書
8. 課題と提言
8.1. 腎代替療法を必要とする精神疾患患者の推計の必要性
本調査では精神疾患患者の慢性腎臓病(CKD)患者数や、透析導入を必要とする患者数の
実態を十分に把握することが困難であることが示された。患者調査を用いた実態調査によ
り、2020 年時点で慢性腎臓病を併存する精神疾患患者は 3 万 9 千人、その中で透析を必要
とする者は 2 万 9 千人との推計を得たが、この推計では疾病の特性や腎保護療法の進歩、
透析へのアクセス、統計手法の変更などの要素は考慮外であるため、あくまでも参考値であ
る。慢性腎臓病の罹患率は高齢になるほど高くなることを踏まえると、今後我が国において
透析を必要とする精神疾患患者は増加していくものと予想される。医療政策の立案や適正
な資源配分を行うためには、精神疾患患者の中で腎代替療法(RRT)を必要とする者の推計
をできる限り正確に行う必要がある。
現行の患者調査や医療機関調査では、精神疾患患者における RRT の実施状況を詳細に把
握することが難しく、より包括的なデータ解析が求められる。例えば、NDB を活用したデ
ータ解析により、精神疾患を有する慢性腎不全患者の全国的な実態を把握することができ
ると考えられる。NDB を用いることで、精神疾患の診断を有する患者における RRT の導入
率、精神科病院と一般病院での透析導入患者の分布、地域ごとの精神疾患患者の透析治療へ
のアクセス状況、精神科医療機関における腎機能評価の実施状況などの情報を抽出・分析で
きる可能性がある。
8.2. 精神疾患患者への腎代替療法提供体制
精神疾患患者に適切な RRT を提供するためには、精神科と腎臓内科の連携を強化し、受
け入れ先の確保や治療継続のための体制を整備することが求められる。
8.2.1. 血液透析
◼
透析導入
全国調査の結果から、透析導入に関しては、精神病床が全病床の 50%未満の病院(いわ
ゆる総合病院精神科)では、82.7%が可能と回答しているのに対し、精神病床が全病床の
50%以上を占める病院(主たる診療科が精神科である病院)では、透析導入はほぼ不可能で
あることが示された。また、いわゆる総合病院精神科では、90%が自院において透析導入の
必要性の判断が可能と回答しているのに対し、主たる診療科が精神科である病院において
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精神疾患を有する患者に対する腎代替療法等に関する調査研究 報告書
8. 課題と提言
8.1. 腎代替療法を必要とする精神疾患患者の推計の必要性
本調査では精神疾患患者の慢性腎臓病(CKD)患者数や、透析導入を必要とする患者数の
実態を十分に把握することが困難であることが示された。患者調査を用いた実態調査によ
り、2020 年時点で慢性腎臓病を併存する精神疾患患者は 3 万 9 千人、その中で透析を必要
とする者は 2 万 9 千人との推計を得たが、この推計では疾病の特性や腎保護療法の進歩、
透析へのアクセス、統計手法の変更などの要素は考慮外であるため、あくまでも参考値であ
る。慢性腎臓病の罹患率は高齢になるほど高くなることを踏まえると、今後我が国において
透析を必要とする精神疾患患者は増加していくものと予想される。医療政策の立案や適正
な資源配分を行うためには、精神疾患患者の中で腎代替療法(RRT)を必要とする者の推計
をできる限り正確に行う必要がある。
現行の患者調査や医療機関調査では、精神疾患患者における RRT の実施状況を詳細に把
握することが難しく、より包括的なデータ解析が求められる。例えば、NDB を活用したデ
ータ解析により、精神疾患を有する慢性腎不全患者の全国的な実態を把握することができ
ると考えられる。NDB を用いることで、精神疾患の診断を有する患者における RRT の導入
率、精神科病院と一般病院での透析導入患者の分布、地域ごとの精神疾患患者の透析治療へ
のアクセス状況、精神科医療機関における腎機能評価の実施状況などの情報を抽出・分析で
きる可能性がある。
8.2. 精神疾患患者への腎代替療法提供体制
精神疾患患者に適切な RRT を提供するためには、精神科と腎臓内科の連携を強化し、受
け入れ先の確保や治療継続のための体制を整備することが求められる。
8.2.1. 血液透析
◼
透析導入
全国調査の結果から、透析導入に関しては、精神病床が全病床の 50%未満の病院(いわ
ゆる総合病院精神科)では、82.7%が可能と回答しているのに対し、精神病床が全病床の
50%以上を占める病院(主たる診療科が精神科である病院)では、透析導入はほぼ不可能で
あることが示された。また、いわゆる総合病院精神科では、90%が自院において透析導入の
必要性の判断が可能と回答しているのに対し、主たる診療科が精神科である病院において
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