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参考資料6 令和4年度厚生労働科学特別研究事業「医療用医薬品・医療機器等の供給情報を医療従 事者等へ適切に提供するための情報システムの構築に向けた研究」(研究代表者:坂巻弘之) (193 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35103.html
出典情報 医療用医薬品の安定確保策に関する関係者会議 供給情報ワーキンググループ(第1回 9/7)《厚生労働省》
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(2) 価格設定(外来)
① 価格設定の根拠法 13)
医薬品給付制度(PBS)の下で補助金を受けてい

合、財政的に継続可能であり続けるために保険料
を値上げすることで収入を増やす必要がある。
保険料が引き上げられる場合は書面で通知する

るブランド医薬品の製造元価格は、1953 年国民保

必要があり、加入者は変更に関する詳細情報を含

健法に基づいて設定され、同法で適用される法定

む最新の保険情報を受け取る 9)。

価格の引き下げも定められている。
② 設定方法、改定方法:先発、ジェネリック別

2. 薬事承認と外来償還価格

2)、14)

先発医薬品の価格(メーカー出荷価格)決定方

(1)薬事承認と薬事承認の根拠法(日本の薬機法
に相当する法律)2)
① 承認組織
医療製品管理局(TGA :Therapeutic Goods

法は、Cost plus methods と Reference pricing
methods に大別される。前者が日本の原価計算方
式、後者が類似薬効比較方式に対応する。

Administration)はオーストラリア政府保健省の一部
であり、処方箋医薬品、ワクチン、日焼け止め、ビタ

Cost plus methods は特定の対象薬が存在しない

ミン及びミネラル、医療機器、血液及び血液製剤を

場合、または治療グループのベンチマーク価格を

含む治療用品の規制を担当している。治療効果が

推奨する場合に適用される。マージンは製造コスト

証明されているほとんどの製品は、オーストラリアに

に基づいて付与され、このマージンは製品ごとに決

おいて供給される前に 医療製品管理局(TGA)が

定される。新薬では通常、約 30%のコストマージン

管理する医療製品登録制度(ARTG :Australian

が妥当とみなされるが、少数の製品には高いマージ

Register of Therapeutic Goods)に登録する必要があ

ンが推奨され、多数の製品には低いマージンが推

り、2023 年 3 月時点で約 96,242 件の製品が登録さ

奨される。製造コストは、輸入、梱包、薬剤含有物、

れている

10)

品質保証、プラント及び設備、製造間接費、医療製

。医療製品登録制度(ARTG)には製品

品管理局(TGA)の管理料金を含む。

名と製剤の詳細、メーカーの詳細が含まれており、
サイト内で検索が可能である。11)。

Reference pricing methods は、同等の安全性/有

12)

② 医療用医薬品分類
登録医薬品には処方箋(高リスク)登録と非処方

効性があると見なされる薬剤が存在し、コストが最小

(低リスク)登録の 2 種類があり、処方箋登録にはす

って推奨される場合に適用される。その薬剤の他の

べての処方箋医薬品と滅菌注射剤などのいくつか

ブランドまたは同じ治療上のサブグループに属する

の特定の製品が含まれる。かかりつけの医師が処

薬剤の最低価格がベンチマーク価格として設定さ

方箋を発行する。薬剤師は、処方箋が適切であるこ

れる。Reference Pricing methods は、F1(単一ブラン

と、潜在的なリスクや服用している他の薬との相互

ドの医薬品)の医薬品に適用されますが、F2(複数

作用について確認後、調剤することができる。

ブランドの医薬品)の医薬品には適用されない。

になるように 医薬品給付諮問委員会(PBAC)によ

非処方箋医薬品は処方箋を必要とせず、軽度の

医薬品給付制度(PBS) での償還のためには、全

鎮痛薬、咳や風邪薬、抗真菌クリームがある。リスク

て医療経済学的評価を添付することが義務付けら

レベルによって、薬剤師のみしか提供できないもの

れている。経済評価のデータは医薬品給付諮問委

もあるが、軽度の症状を治療する低リスクの医薬品

員会(PBAC)によるレビューを受け、基本的には償

は、 補完的な医薬品を含め、薬局、スーパーマー

還の可否に用いられる。この後に保健省と企業の間

ケット、健康食品店で入手することができる。

での交渉がなされ、償還価格が決定されるのが原
則であるが、経済評価のデータが価格調整の用い

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