スには メディケア給付スケジュール（MBS）料金の

存在し、加入者は各保険契約のカバー範囲やコス

85% を払い戻す。

トを比較することが可能となっている（後述、1（2）②
（a）2019 年民間保険改革を参照）。

医薬品給付制度（PBS）では、薬局で購入するほ
とんどの処方箋医薬品の費用の一部のみを支払

オーストラリア政府は、個人の民間医療保険の保

い、残りの費用は医薬品給付制度（PBS）によってカ

険料についてリベートを提供しており、加入者は払

バーされる。支払う金額は、医薬品の種類によって

い戻しを受けることがある。これは民間医療保険へ

異なる。なお、政府発行の割引カードを持っている

の加入・維持を奨励するための方策の一つである

場合は、支払い額の上限が低くなる。ほとんどの医

が、他に年齢による保険料割引もある。年齢による

療サービスがカバーされているが、民間医療保険に

割引は 18~29 歳の人のための民間医療保険加入

加入することでより幅広いヘルスケアオプションとメ

時のコスト軽減のために実施されており、2019 年 4

ディケアでカバーされていない部分のカバーを受け

月 1 日から保険料の 2~10％の割引を提供するオ

ることができる。民間医療保険には一般的に、病

プションになっている。41 歳になるまで割引を保持

院・一般医療（歯科・理学療法等）・救急搬送等のカ

し、41 歳になると 1 年に 2％ずつ削減され段階的

バータイプがあり、単独でも組み合わせでも加入す

に廃止される。

ることができる。
一方で、メディケアの項でも記載の通り、民間医
オーストラリアには 32 の民間医療保険会社が存

療保険に未加入の際はメディケア税が追加課税さ

8）

在する 。オーストラリアの民間医療保険会社で

れることがある。また、生涯健康保険（LHC:Lifetime

は、支払われた保険料を組織の運営や被保険者へ

Health Cover） は早期から病院カバーの保険加入

の医療サービスの還元のみに用いる非営利の組織

を進めるため、31 歳になると病院カバーへ未加入

と、営利目的の組織の両方が存在する。 1953 年に

の期間 1 年ごとに、病院カバーの保険料に 2%が

制定された国民保健法(The National Health Act)に

加算されることになる。例えば、35 歳に病院保険に

よって、民間医療保険会社は政府に登録され、他

加入した場合に加算は 10％つまり、月 100 豪ドル

の業務を手掛けることは許されていない。

の契約であれば、110 豪ドルの保険料になる。これ
を LHC ローディング（LHC loading :Lifetime Health

民間医療保険への加入は、個人特性を考慮する

Cover loading）と呼び、この保険料加算を避けるた

リスク評価ではなく、地域評価（Community Rating）

めには、31 歳の誕生日から次の 7 月 1 日（基準日）

であるため、保険加入を拒否することはなく、リスク

までに病院カバーに加入する必要がある。

プロファイルと医療サービスを利用する可能性にか
かわらず、同じレベルの補償に対して均一の保険

民間医療保険会社が支払う給付は、病院、医

料を全員に請求する。

療、またはその他の健康関連の費用が増加した場
合、及び医療サービスの利用が増えた場合に増加

民間医療保険のカバー範囲の詳細は契約による

する。コストの増加につながる要因には、看護師と

が、民間医療保険の利用により公立病院における

病院スタッフの賃金、医師の費用、医療機器と技術

待機時間の短縮や入院時の医師の選択指名が可

のコスト、及び民間病院を通じて利用できるより複雑

能となる。また、個室料・差額ベッド代や、歯科、眼

で費用のかかる手順が含まれる。すべての民間医

科、カイロプラクティック、美容整形、運動施設など

療保険会社は、給付費用の想定外の増加をカバー

の副次医療について補償する保険契約もあるた

するために準備金を維持しているが、これは一時的

め、加入者は自分が必要な保険契約を選択する必

にしかサポートできない。民間医療保険会社が給付

要がある。保険契約の比較のための Web サイト 8 が

費用の継続的な増加状況にあるまたは予想する場

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