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総-2個別事項について(その8)小児・周産期医療、感染症対策、医療安全、災害医療 (82 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66044.html
出典情報 中央社会保険医療協議会 総会(第628回 11/19)《厚生労働省》
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新規抗菌薬の薬剤感受性検査に関するこれまでの議論

第11回薬剤耐性(AMR)に関する小委員会
2025(令和7)年7月31日

資料1 一部改

現状と課題
◼ 近年、多剤耐性グラム陰性桿菌による感染症治療における ”切り札” として、レレバクタム・イミペネム・シラ
スタチン(REL/IPM、2021年)、セフィデロコル(CFDC、2023年)、セフタジジム・アビバクタム
(AVI/CAZ、2024年)が上市された。
◼ 本来、これらの新規抗菌薬は、抗菌薬適正使用の観点から、従来の抗菌薬の薬剤感受性検査や薬剤耐性菌の確認
検査の結果をもとに多剤耐性菌と同定され、従来の抗菌薬では治療が困難であり、かつ、新規抗菌薬に感受性が
ある場合に限り使用されることが重要とされる*。
・ 特に CFDC について、抗微生物薬適正使用の手引き第3版 別冊では、「メタロ-β-ラクタマーゼ(MBL)産生菌に対する、現存する唯一の単
剤で治療可能な β-ラクタム系抗菌薬であり、その活性を MBL 産生菌に対して温存するために、MBL 産生菌以外の細菌による感染症での使用
は極力控えるべき」と記載。

◼ 上記抗菌薬は、日本で上市されている薬剤感受性装置の感受性プレートに搭載されていないことから、従来の抗
菌薬と同時に測定することができず1、特に CFDC の薬剤感受性検査は培養条件(培地)が異なるため、他の抗
菌薬との同時測定はできない2。そのため、別途、感受性プレートを用いて、追加で薬剤感受性検査を実施する必
要がある3。
1 現状、REL/IPM と AVI/CAZ は測定可能な薬剤感受性装置が限定されていることが挙げられる。
2 CFDC の薬剤感受性検査に関する追加情報は、参考資料を参照。
3 感染症発生動向調査及び院内感染対策サーベイランス事業のデータによると、追加で実施されている薬剤感受性検査は、

カルバペネム耐性腸内細菌目細菌(CRE)感染症で 1,000例、薬剤耐性緑膿菌感染症で 700例、その他 400例程度と推定される。

薬剤耐性グラム陰性桿菌の治療ガイダンス(IDSA2024)#では、「治療方針は、病原体の同定結果や薬剤感受性検査の結果、さらに検
出された主要な β-ラクタマーゼ遺伝子の情報に基づいて再検討する必要がある」と記載されている。また、抗微生物薬適正使用の手引き
第3版 別冊では、「CRE の診断と標的治療のフローチャート」が示されているが、新規抗菌薬を含めた治療抗菌薬について、原則的に感
受性が確認されていることを前提としている。
# 米国感染症学会(PMID:39108079)

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