総-2個別事項について(その8)小児・周産期医療、感染症対策、医療安全、災害医療 (106 ページ)
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| 公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66044.html |
| 出典情報 | 中央社会保険医療協議会 総会(第628回 11/19)《厚生労働省》 |
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○クロストリディオイデス・ディフィシル感染症(CDI)は下痢や偽膜性腸炎などを引き起こす感染症で、
高齢者を中心に重篤化し、発症により入院期間が平均10日程度延長する。
〇ESBL産生菌はWHOにおいて「最も重要な耐性菌の一つ」として警告されており、大腸菌の約30%、
肺炎桿菌の約15%がESBL産生菌である。治療可能な抗菌薬が限られ、血流感染を起こした場合、非耐
性菌感染に比べ全死亡率が1.7倍に上昇する。
〇いずれの感染症も、院内感染の予防策として、個室隔離が重要な感染症である。
CDIの概要
ESBL産生腸内細菌目細菌感染症の概要
1.国内の発生状況
CDIは、下痢や偽膜性腸炎などを引き起こす腸管
感染症で、入院患者10,000人あたり7.4人が発症。
特にICUでは22.2人と多い。
2.接触感染対策の必要性
〇 高齢者を中心に重篤化しうる感染症で、発症に
より入院期間が平均10日程度延長。1人あたりの
総入院費が1.3~1.8倍程度増加するという報告が
ある。
〇 CDIの原因菌はアルコール消毒では死滅しない
「芽胞」を作るため、感染を広げないためには、
患者を個室に隔離し、手袋とガウンを着用して対
応することが推奨。
1.国内の発生状況
日本では大腸菌の約30%、肺炎桿菌の約15%が
ESBL産生菌とされており、全国の病院の約9割で
これらの菌が見つかっている。感染率0.1人/
1,000患者日という報告がある。
2.接触感染対策の必要性
〇 ESBL産生菌感染症は、治療可能な抗菌薬が限
られるため治療が難航する感染症であり、血流感
染では非耐性菌感染に比べ全死亡率が1.7倍に上
昇。
〇 接触感染により拡散するため、特に、気道分泌
物や創部浸出液が多い患者は環境を汚染するリス
クが高く、個室隔離を優先的に実施することが望
ましい。
出典:Kato, et al.Anaerobe.2019、Clostridioides difficile 感染対策ガイド、厚生労働省、薬剤耐性ワンヘルス動向調査年次報告書 2024
静岡県立静岡がんセンター 医療関連感染サーベイランスとリスクアセスメント、Parichehr Shamsrizi, et al, BMJ Open. 2020、
日本環境感染学会, 多剤耐性グラム陰性菌感染制御のためのポジションペーパー第2版
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