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電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (96 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き
携帯電話技術の進化と利用周波数帯の拡大に対応できるよう、医用電気機器の電磁耐性の
試験環境が徐々に整備されつつあります。医療機関が安全かつ現実的な離隔距離を定める上
での参考となるよう、医用電気機器販売業者側から医用電気機器の電磁耐性に関して、詳細
な情報が提供されることが望まれます。
医用電気機器の EMC 規格に基づく離隔距離について
医用電気機器の電磁両立性(EMC)に関しては、国際規格 IEC 60601-1-2 が策定されてい
ます。国内では IEC 60601-1-2 に整合した JIS T 0601-1-2 が策定され、国内における医用
電気機器の製造販売承認に際しては JIS による適合性確認が行われています。
最新の JIS は、IEC 60601-1-2:2014(第 4 版)の一致規格である JIS T 0601-1-2:2018 38
です。2023 年 2 月 28 日までは旧規格(JIS T 0601-1-2:2012 39 )と新規格(JIS T 0601-12:2018)いずれかによって適合性確認を行える経過措置期間がありますが、2023 年 3 月 1 日
以降は新規格のみの適合性確認へ移行する予定です。
医療機関においては、旧規格、新規格に適合した医用電気機器のいずれも使用されている
と考えられます。ただし、旧規格と新規格では無線機器と医用電気機器の離隔距離の考え方
等に違いがあるため注意が必要です。旧規格と新規格の主な違いは以下のような点です。
参-表 1
試験条件の
分類

試験方法

新旧 EMC 規格の比較

旧規格 JIS T 0601-1-2:2012
①非生命維持機器
②生命維持機器
②がよりリスクが高い機器とされ、高い
試験レベルが設定される
・放射 RF イミュニティ試験:
規定の試験レベル(電界強度)に対
する医用電気機器の影響の有無を確認

試験周波数

80MHz~2.5GHz

離隔距離の
考え方

規定の試験レベル(電界強度)に応じた
離隔距離を推奨(推奨分離距離)

38

39

新規格 JIS T 0601-1-2:2018
①専門の医療施設環境
②在宅医療環境 ほか
②がよりリスクが高い環境とされ、高い試験レベ
ルが設定される
・放射 RF イミュニティ試験
・RF 無線通信機器からの近接電磁界に対する
イミュニティ試験:
無線通信機器を医用電気機器に近接した場合の
影響の有無を確認する試験が追加
・放射 RF イミュニティ試験:80MHz~2.7GHz
・RF 無線通信機器からの近接電磁界に対する
イミュニティ試験:
指定された試験周波数及び
各国の状況を考慮した任意の周波数
<ただし、現在の試験技術では 6GHz が上限>
無線通信機器と医用電気機器の距離が 30cm(最
小分離距離)まで近接することを考慮し、これを
担保するための試験レベルを製造業者がリスクマ
ネジメントに基づき決定する

JIS T 0601-1-2:2018 医用電気機器-第 1-2 部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項-副通
則:電磁妨害-要求事項及び試験
JIS T 0601-1-2:2012 医用電気機器―第 1-2 部:安全に関する一般的要求事項―電磁両立性―要求事
項及び試験

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