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電波環境協議会による「医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き(改訂版)」(令和3年7月)について (94 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000190382_00010.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 医療機器・再生医療等製品安全対策部会(令和3年度第2回 3/16)《厚生労働省》
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医療機関において安心・安全に電波を利用するための手引き
参考2

離隔距離について
離隔距離の設定に関する参考情報

2014 年 8 月に電波環境協議会が策定・公表した「医療機関における携帯電話等の使用に
関する指針」(参考7を参照)では、医用電気機器の電磁両立性に関する国際規格で用いら
れている離隔距離 30等を参考にして、携帯電話端末を影響が懸念される医用電気機器から 1m
程度離すことを目安とすることができるとしています。また、各医療機関において独自に行
った試験の結果や医用電気機器の取扱説明書等からの情報をもとに安全性を確認している
場合は、1m 程度よりも短い離隔距離を設定することができるとしています。
上記の指針における「1m 程度」という目安は、医用電気機器の電磁両立性に関する国際規
格 IEC 60601-1-2:2001+A1:2004(国内規格は JIS T 0601-1-2:2012)の離隔距離の計算式か
ら算出されたものです 31。さらに、最新の規格である IEC 60601-1-2:2014(国内規格は JIS
T 0601-1-2:2018)では、携帯電話等の携帯型の無線通信機器が医用電気機器に近接した場
合を考慮したより厳しい試験が追加されており、この試験を基に 30cm の離隔距離を設定で
きるようになっています。ただし、国際規格に基づく離隔距離は、実際に試験が実施された
周波数に対して適用される点に留意する必要があります(詳細は参考2(2)を参照)。
国内では指針が策定された 2014 年以降、携帯電話における新たな周波数帯の利用が進ん
でいます。2016 年からは LTE 方式で 3.5GHz 帯(2020 年からは 5G 方式でも利用)、2020 年
からは 5G 方式で 3.7GHz 帯、4.5GHz 帯及び 28GHz 帯の利用が開始されました(3-4.
(1)
を参照)。現時点では、国際規格で試験を行うことが必須とされる試験周波数にこれらの新
たな周波数帯は含まれていません 32。なお、5G 方式で利用される 28GHz 帯に関しては、まだ
試験方法自体が確立していない状況です。
ただし、これらの新たに利用が進められている高い周波数帯の電波は人体や医用電気機器
の筐体などによる減衰が大きくなるため、一般的には携帯電話が発する電波が医用電気機器
に与える影響はより小さくなるものと考えられます。加えて、LTE や 5G 方式では携帯電話
端末の最大電力は 200mW と第 3 世代方式の 250mW よりも小さくなっており、この点も影響が
小さくなる傾向に寄与するものと考えられます。
一例として、NTT ドコモと金沢大学附属病院が実施した、携帯電話で使われる周波数帯な
どの電波による医用電気機器(無線システムや周波数帯ごとに 23~53 機種の医用電気機器
を対象)に対する電磁干渉調査(電波発射源として携帯電話端末実機ではなく、半波長ダイ
ポールアンテナまたはホーンアンテナを用いた模擬的な試験)では、3.5GHz 帯以上の新た
30

31

32

JIS では「推奨分離距離」

「最小分離距離」等の表現が用いられますが(詳細は参考2(2)を参
照)
、ここでは分かりやすさのため「離隔距離」という表現を用います。
算出式に国内の携帯電話方式の端末の最大電力 250mW を当てはめた数値を元に、離隔距離の目安を 1m
程度としています。
医用電気機器製造販売業者が、これらの新しい周波数帯においても任意で試験を実施しているかは、
医用電気機器製造販売業者に個別に問い合わせる必要があります。

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